オリンピックでメダルを取った選手が、各メディアに生出演しているが、どれもつまらない。
「メダルを取った今の気持ちは?」
「うれしいです」
こんな当たり前のやりとりを聞いても、面白いはずがない。また、お涙頂戴的な苦労物語を強調して、感動をさせようとしているところがワンパターンすぎる。
もうすこし技術的・戦略的なことや具体的な情報戦などの話をしたらどうかと思う。
勝利は、個人の能力のほかに、戦略や情報などの裏の力がかなり重要だ。例えば、バレーボールなら、誰にレシーブさせるとどれくらいの確率で、誰がスパイクを打ってくるかの詳しいパーセンテージがある。その情報を駆使して、今回の勝利が導かれた部分もある。
そのような戦略的な話をもっと聞いてみたい。
どこのテレビもロンドンオリンピックのニュースばかりである。日本は、金の数こそ少ないが、思ったより健闘している。
オリンピックについては、それほど熱心に観戦しているわけではない。それでも選手の喜怒哀楽が手に取るように伝わってくる。銅で喜んでいる人もいるし、銀で泣いている人もいる。
どの選手に対してもよくやったなぁといいたいところだが、本人が悲しんでいたら、その言葉も虚しいだけである。
勝負の世界は、厳しい。すべて勝つ人間は、ひとりしかいない。金を取った人だけ。
どんな手を使っても勝つことだけを重視する人がいる。勝負において結果を重視するタイプだ。それに対して、その過程を重視するタイプもいる。
私は両方の側面が大事だと思っている。本番前は、勝つことだけを考えて行動する。しかし、一旦勝負が終わってしまえば、その結果は、勝っても負けても忘れて、次の事に集中するべきである。
スポーツ選手の選手寿命は短い。第一線で闘える時期は限られている。そして、それからの人生のほうが、圧倒的に長い。過去の負けや過去の栄光に囚われている限り、その過去を超えることは出来ない。
最近は、あまりスポーツを観戦をしなくなった。それは観戦より、自分でやったほうが楽しいからだと思う。
スポーツ観戦は、一流の選手が最高レベルの華麗な戦いをやっているところに、その面白さがあるのだが、あくまでそれは他人の戦いである。
どんなにちんけな戦いであっても、私にとって私の戦いのほうが重要である。ロンドンオリンピックは、お前も頑張れよ、俺も頑張っているよというクールな感じで観戦している。
まあ、そんな冷めた感じで観戦しているけれど、それでも、心の中では応援している。