そういや山林(超山の中)の鑑定をしばらくやってないので、知識を整理がてら記事にしてみます。
鑑定評価基準に載ってる内容は省略しますが、
山林で一番悩むのがその土地の範囲と所在、面積
通常、登記簿、公図、(あれば)地積測量図である程度特定するのですが、
大体はしっかりしていないので、上記図面だけではわかりません。
相続人、近隣の人にヒアリングすることもありますが、その内容はちょいちょい間違えて伝承されているみたいです。(100m程度ずれているのはザラ)
私は、山林の鑑定の依頼があった場合には、なんにしても森林簿を請求します。その土地上に植わっている樹木が記載されてます。
言われた土地に行ったら杉の木と森林簿に記載されていたら思い切り広葉樹の場合もあり、そういった意味で特定することが可能です。
それと合わせて林班図(森林の公図みたいなの)を請求。
上記の資料と合わせてようやく説得力のある資料が手に入ります。
鑑定評価基準上では、都市近郊林地、林業本場林地などカテゴリーが分かれてますが、我々は類似の林地の事例を頑張って探して比準価格をベースに決めていきます。
ただし、林業本場林地になると、収益性も見なきゃってことで…。
「現地でオフロードバイクでヒルクライム」して木の生育状況や土壌の調査、木材市場での1㎥(立方メートル)の相場をヒアリングし、どんな木材が取れてどんだけ経費が掛かるかを調査します。(市場化逆算式といいます)
大体、現在の日本の山林は伐齢期に入っておりまして、ほとんど上記手法を使います。
収入は木材を売却した価格で計算するのですが、費用項目が多いw
簡単に書きますが…
造材費;丸太加工する費用の人件費等
集材費;小出しまでの人件費等
伐開費;切り倒しなどの費用
架線設置費;多くの場合、ワイヤーで吊って運び出す(そのままストンと落とせる場所は林道沿い位)
盤台・支柱設置費;上記ワイヤー設置に伴うモーターや作業台の設置費用
検知;丸太を検査する人の人件費
労災保険料;ヒアリングに基づくが大きな差はない。
運賃;集材所からトラックで市場まで運ぶ運賃(ガソリン代を参考にして決める)
市場手数料、椪列料;市場参加手数料のこと、市場で要ヒアリング
償却費、燃料費;現在の燃料費と整合させる。
というように事細かに計算するんですがw
林業に慣れた方にヒアリングしながら決めていけばよいかと思います。
あと、補助金やその他のことなども視野に入れるべきという話もありますが、当職は補助金は性質上一時的なものであり、考慮外としてますね。
冬の山林は虫がいなくてよいですが、野生動物がウロウロしているのでできればクマよけの鈴をもって調査に行きましょう。
あと、足場には十分注意して、携帯、スマホの充電も忘れずに(私一時えらい目にあいましたw)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます