「会計とは、対象を、貨幣単位を使って表現する手法です。」との私の考え方を述べました。
貨幣単位、つまり、お金の単位で表現するということですが、お金って、何でしょうか。
「お金はお金で、分かり切ったことだ」と言われそうですが、ここでは、少し深く考えてみることにします。
〔日本の円(えん)を前提にします。〕
「お金とは何か」を説明するのに、「お金の働き、つまり、お金の機能」を考察することで説明するという方法があります。
お金は、次の3つの機能があるといわれます。
1. 価値の表示機能
2. 価値の交換機能
3. 価値の貯蔵機能
まず、価値の表示機能です。
これは、価値の尺度機能とも言われます。
具体的な価値を貨幣数値で表す機能です。
例えば、アジ1尾200円、キャベツ1玉150円、カップヌードル1カップ160円等のように、モノやサービスの値段という形で表示されます。
次は、価値の交換機能です。
これは、支払機能や決済機能とも言われます。
例えば、私たちは、アジとキャベツを直接交換するのではなく、紙幣や硬貨等を使って、交換(購入)します。
最後に、価値の貯蔵機能です。
これは、価値の保存機能とも言われます。
アジやキャベツは、保存しておくと腐ってしまいますが、アジやキャベツを紙幣や硬貨等として持っておくと腐りません。
つまり、価値を貯蔵することができるということです。
これらの3つの機能に加えて、広範性という性質が必要になると考えます。
広範性とは、広く使われるということです。
円の場合、日本国内という場所だけでなく、決算書類、税務申告書等の書類においても使われます。
この広範性という性質が、ポイント等との違いと言えると考えます。
これらを基に、お金を定義すると「価値の表示機能、価値の交換機能、価値の貯蔵機能を持ち、広範性を備えたモノ、基準、仕組みである」となると考えます。
紙幣や硬貨等は、機能や性質を実現するための道具となると考えます。
例えば、長さの表示として、メートルがあります。
それを測る具体的な道具として、30センチメートルの定や2メートルのメジャー等があります。
同様に、お金の価値の交換機能を実現する道具として、1万円札や500円硬貨等があると考えられるのです。
「お金」は、上記のように定義できると考えますが、実際には、「お金」という言葉は、多くの使われ方がされています。
日常では、紙幣や硬貨を、お金と呼びます。
また、預金も、預金通貨として、お金に含めて扱ったりしています。
これは、間違いではないと考えます。
「お金」については、考え出すと、議論は尽きないものとなります。
でも、「お金」について、認識を深めることは、生活上でも、ビジネス上でも、たいへん重要なことだと思います。
次回以降も、「お金」について、私の考え方を述べてみたいと思います。