『週刊現代』3月12日号の発売予告に『武富士「最強弁護団」10人の名前』という記事の見出しがあり、その右肩には“国税から2000億円を奪還 成功報酬100億円!?”とあった。
そもそもの始まりは、消費者金融大手・武富士の創業者の長男である元専務が、創業者の父親(故人)から約1600億円の海外資産を贈与されたことにある。当時、海外居住者の国外財産の贈与は非課税扱いであったため、香港子会社の役員を務め、日本と行き来していたことを理由に「住所は香港」として、長男は贈与税を納付しなかったという。
ところが、これを国税当局が「課税回避」だと判断して約1650億円の申告漏れを指摘、約1330億円を追徴課税した。これに対し長男は、いったん追徴課税に応じたうえで、課税取り消しを求めて国を提訴。最高裁は、「生活の本拠が日本だとはいえない」と認定、国に利息を加えた2000億円の還付を命じたのである。
そのうち、利息にあたる還付加算金は約400億円。ただし、還付加算金は雑所得として課税されるため、400億円のうち半分ぐらいは税金で持っていかれるそうである。が、それにしても200億円は丸儲け、弁護士の成功報酬が100億円だとしても少しも驚くことはないのである。
取りすぎた税金の還付につく利息は年4.1%で、国や自治体が高利で運用してくれるので、「税金は払いすぎたほうが得」とアドバイスする税理士が増えているという。おそらくこの弁護団も、一旦は長男に追徴課税に応じさせておいて、課税取り消しを求めて国を提訴。これも還付加算金を目論んでの作戦だったとすれば、さすが最強弁護団といわれるだけのことはある。
しかし、最高裁判決に付された補足意見で、対象となった財産は、「実質的には本件会社(武富士)の国内での無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借契約上の利息収入によって稼得した巨額な富」であり、課税されないのは「著しい不公平感を免れない」と明記されているという。が、結局、法律ではどうにもならなかったのである。
だが、このまま何事もなく終わっては世の中不公平というもの。現在、武富士は会社更生手続き中で、武富士に対し過払い金の返還を求めている人たちにとっては納得できない話である。その数は200万人、額にして2兆4000億円に上るが、武富士の支払い能力に疑問符が付いているとかで、債権者から「返還に回せ」という声が噴出しているというのも当然のことであろう。
他にもこれと同じような事例がある。かの鳩山前首相で、母親からもらった「子ども手当」に課税された贈与税の一部が時効で還付されたという話。
2002~09年までに実母から計約12億4500万円の贈与を受けながら申告しておらず、国税局の指摘を受け、約6億970万円の贈与税を納付した。が、国税当局は2002、03年分は時効と判断し、約1億3千万円を還付したという。それだけでも腹立たしいのに、「還付加算金」約512万円のオマケを付けて還付したというのだからもうあきれ返る。
一体、国税庁は何をやっているのか。武富士の場合も、この鳩山氏の場合も、あきらかに国税庁の勇み足といえよう。よくよく調べもせず、取れるものは一刻でも早く取ろうと急いだ結果がこれである。もし、武富士の長男や鳩山氏が納付を拒否し続けていれば、反対に延滞金を徴収できたのに…。あっさり納付されて一件落着と喜んだであろう国税庁のマヌケ面が目に浮かぶ。
武富士の長男の場合、脱税などの犯罪ではないとしても、日本と香港を行き来していたのなら半分でも課税できなかったのかと思う。また、鳩山氏の場合は、7年間も申告しなかったというのはあきらかに脱税という犯罪である。それなのに、利息のオマケ付きで還付というのは、まるで「泥棒に追い銭」である。それも国民の税金が使われるのだからよけいに頭にくる。
この2つの事例は、「悪賢い奴らが得をして、正直者がバカを見る」という今の世の中を如実に物語っている。うまく隠し通せれば丸儲け、何年か後にばれても時効という法律が守ってくれる、何と不条理な話ではないか。
武富士の長男は、還付金は即刻債権者への返還に回し、鳩山氏の場合、政治家の寄付行為は禁じられているが、社会貢献を目的とした何らかの方策を考えてもらいたいものである。
そもそもの始まりは、消費者金融大手・武富士の創業者の長男である元専務が、創業者の父親(故人)から約1600億円の海外資産を贈与されたことにある。当時、海外居住者の国外財産の贈与は非課税扱いであったため、香港子会社の役員を務め、日本と行き来していたことを理由に「住所は香港」として、長男は贈与税を納付しなかったという。
ところが、これを国税当局が「課税回避」だと判断して約1650億円の申告漏れを指摘、約1330億円を追徴課税した。これに対し長男は、いったん追徴課税に応じたうえで、課税取り消しを求めて国を提訴。最高裁は、「生活の本拠が日本だとはいえない」と認定、国に利息を加えた2000億円の還付を命じたのである。
そのうち、利息にあたる還付加算金は約400億円。ただし、還付加算金は雑所得として課税されるため、400億円のうち半分ぐらいは税金で持っていかれるそうである。が、それにしても200億円は丸儲け、弁護士の成功報酬が100億円だとしても少しも驚くことはないのである。
取りすぎた税金の還付につく利息は年4.1%で、国や自治体が高利で運用してくれるので、「税金は払いすぎたほうが得」とアドバイスする税理士が増えているという。おそらくこの弁護団も、一旦は長男に追徴課税に応じさせておいて、課税取り消しを求めて国を提訴。これも還付加算金を目論んでの作戦だったとすれば、さすが最強弁護団といわれるだけのことはある。
しかし、最高裁判決に付された補足意見で、対象となった財産は、「実質的には本件会社(武富士)の国内での無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借契約上の利息収入によって稼得した巨額な富」であり、課税されないのは「著しい不公平感を免れない」と明記されているという。が、結局、法律ではどうにもならなかったのである。
だが、このまま何事もなく終わっては世の中不公平というもの。現在、武富士は会社更生手続き中で、武富士に対し過払い金の返還を求めている人たちにとっては納得できない話である。その数は200万人、額にして2兆4000億円に上るが、武富士の支払い能力に疑問符が付いているとかで、債権者から「返還に回せ」という声が噴出しているというのも当然のことであろう。
他にもこれと同じような事例がある。かの鳩山前首相で、母親からもらった「子ども手当」に課税された贈与税の一部が時効で還付されたという話。
2002~09年までに実母から計約12億4500万円の贈与を受けながら申告しておらず、国税局の指摘を受け、約6億970万円の贈与税を納付した。が、国税当局は2002、03年分は時効と判断し、約1億3千万円を還付したという。それだけでも腹立たしいのに、「還付加算金」約512万円のオマケを付けて還付したというのだからもうあきれ返る。
一体、国税庁は何をやっているのか。武富士の場合も、この鳩山氏の場合も、あきらかに国税庁の勇み足といえよう。よくよく調べもせず、取れるものは一刻でも早く取ろうと急いだ結果がこれである。もし、武富士の長男や鳩山氏が納付を拒否し続けていれば、反対に延滞金を徴収できたのに…。あっさり納付されて一件落着と喜んだであろう国税庁のマヌケ面が目に浮かぶ。
武富士の長男の場合、脱税などの犯罪ではないとしても、日本と香港を行き来していたのなら半分でも課税できなかったのかと思う。また、鳩山氏の場合は、7年間も申告しなかったというのはあきらかに脱税という犯罪である。それなのに、利息のオマケ付きで還付というのは、まるで「泥棒に追い銭」である。それも国民の税金が使われるのだからよけいに頭にくる。
この2つの事例は、「悪賢い奴らが得をして、正直者がバカを見る」という今の世の中を如実に物語っている。うまく隠し通せれば丸儲け、何年か後にばれても時効という法律が守ってくれる、何と不条理な話ではないか。
武富士の長男は、還付金は即刻債権者への返還に回し、鳩山氏の場合、政治家の寄付行為は禁じられているが、社会貢献を目的とした何らかの方策を考えてもらいたいものである。
4回生の時、息子が収入の計算を誤って扶養の範囲から1万円ほど超過したのですが、年度が替わってから税務署から3年に遡って所得証明の提出と10万円以上の追徴をされました。
私がサラリーマンであるがゆえに息子がぎりぎりの生活をして、学費の不足分を稼いでいる状況でも容赦なし。
商売人優遇の税制の上に、きっちり取っていくところは会社から申告がある収入が透明な私たちばかり。
資金運用に弁護士を雇えるような金持ち以外には、日本の国は本当に不公平に出来ていますね。
税は取りやすい所から取る、これが税務署のやり方です。昔は「泣く子も黙る」のが税務署と恐れられたものですが、脱税事件があとを絶たない昨今、国民も泣き寝入りはしなくなりました。
鳩山氏の事件は、あれが総理でなかったなら当然脱税でやられていたと思いますが、強いものには弱いお役人体質で、国税庁が手を緩めたとしか思えませんね。
どうにも腹立たしい限りです。