つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

漱石の声が聞こえる・・・

2006-03-01 | Weblog
 今朝はどこのテレビ局も、昨日の永田議員の会見について自民、民主両党の議員(中には複数のテレビ局掛け持ちの議員もいる)をゲストに迎え、堂々巡りに等しい議論を交わしている。民主党議員の中にも、同じメールでも上部の記述がすこし違うメールを持っているなど、今頃になって言う議員もいて、メールは何種類もあるらしい。

 昨日は仕事で会見中継を見ることが出来なかったが、夕方のニュースで見る限り、何かすっきりしないものを感じる。永田議員の会見内容は、これだけの大問題に発展した責任に対する謝罪というより、釈明、弁明でしかないように思え、潔さのなさはイメージの悪化を増すばかりである。
 そして、民主党の処分も、あれほど「確信を持っている」と強気な発言していた前原代表に、何ら責任の追及もしないのはおかしい。それはまあお家事情もあるのだろうが、今回のメール問題では、前原代表の一連の発言、行動は党首にあるまじき軽はずみな、未熟さを露呈したもので、野党第一党の民主党にしては、余りにお粗末な不祥事である。
 だが、このまま自民党が黙っているとは思えず、国会はまだまだ波乱が予想され、重大な審議が先送りされるのだけは腹立たしい限りだ。

 県内地方紙の一面最下段に「滴一滴」というコラム欄があり、今朝は面白いことが書いてあった。
 要約して抜粋すると、「情報の信憑性について、夏目漱石は「彼岸過迄」の中で、鋭い指摘をしている。求職活動中の青年が友人の叔父の実業家を紹介してもらう。実業家は、電車から降りてくる40歳前後の男の2時間以内の行動を「探偵して報告せよ」という、風変わりな実技試験を課した。
 指示された場所に、当の男と目される人物が現れ、若い女性と洋食店に入った。その後を追い、近くに席を取り聞き耳を立てる。二人が店を出た後も尾行を続けたが、二人の関係は何も分からない。青年は正直に報告し、小細工せず直接話を聞けば確かなことが分かるのでは、とまで意見する。実業家は感心し、「分からないことを報告するよりよぽっど好い」と採用を決めた。「自分で確認できない報告をするのは論外だ」という、漱石の声が大きく聞こえてくるようである」。
 この記事は、今回の永田議員のメール問題に苦言を呈しているものである。メールの入手と裏付けをうやむやにした経緯を聞いていると、「ここだけの話」レベルの根拠のない情報が国会の場に持ち出されたことについては恐ろしさを覚えると言っている。
 いくら野党が与党を追求する立場にあるとはいえ、根拠のない情報を取り上げて、重大は審議を先送りしてまで追求することは許されるべきではないと、国民の誰もがそう思っているだろう。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 変りつつある公務員・・・ | トップ | 太蔵センセイが喜ぶ話・・・ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
国会議員を職業にするな (関西のヤングばーば)
2006-03-03 21:21:33
 もう国会議員は議員歳費で生活をすることはやめにしたらどうでしょう。ある国では年齢別や職業別に男女同数を選び、アルバイト程度の給料であると本で読んだことがあります。シングルママや働くママももちろん選ばれます。

 日本の国会議員もそうしたらどうでしょう。そうすれば本当に国民のことを思って、意見を言う人しか議員になろうとはしないでしょう。
返信する
同感! (オールドレディー)
2006-03-04 10:25:44
いつも的確なコメントに感心します。

貴女のご意見の通りになれば、本当の政治家が現れるかも。

大体日本人はおとなしすぎるのでしょうか。他国のようにデモでも起こす勢いのある若者はいないのかしらネ。という私も何もしないで文句を言うばかり、恥ずかしいと思います。

返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事