Cバラックの監房とメンバー
1房 エマ、他4名のアフリカン古参
2房 アミーゴ、デブ、ダニエル、ハッサン
それとぼくの5名
3房 フィリップス、キシトー、オマル3名
4房 ピーター、アフリカン他2名
5房 アフリカン5名
6房 ムサカ、カヘル他2名
7房 ダイク、ヂュドウ、チョコマ他1名
8房 ランジャン、カマル、ムスタハン3名
9房、10房は空きでライブラリーの予定。
旧Cバラックにはスリランカ人6名の他にパキスタン、イラン、アフガニスタン人等を合計すると10名強が残されていた。それを一括して9、10房に入る移転の為の申請をディクソンを中心にして進めようとしていた。明日、ぼくは裁判所出頭日だ。旧Cバラックのディクソンに会いに行きジャンバー、ズボンそれに靴を借りた。皆、集まって来て靴下だセーターだ、それよりこれの方が良いと色んな物を出してくれた。ショッカンはスタッフの禁断から抜けて人の良いスリランカ人になっている、がこの状態がいつまでも続くとはぼくは思っていない。目の淵が黒ずみ嘘と猜疑心に囚われスタッフに振り回される毎日、それを知っていながら又、戻って来る。恐ろしいドラッグだ。
夜、アミーゴからシルバーペーパーを借りてチェーシングをした。やはり効きが強い、このあとビリで引っ張ると心が揺れるようだ。
アミーゴは時々、インドの裁判について話をする、判決が出るまで長い日数が必要で彼はもう3年になると言っていた。この話を聞いて裁判所に行くのは億劫だが早くここから出る為なら何度でも出頭しよう、だら々と刑務所で過ごしているとその生活に慣れてしまうその事が恐い。刑務所に居ると何かを考えたり自主的に行動する意識を失ってしまう。決められた事だけをやっていれば良いと思うようになる。
毎日の拘束時間は15時間、狭い鉄格子に囲まれた檻の中で過ごさなければならない。クラスが1時間、水汲み、食事の受取り、食器洗い等で1~2時間、残された時間はただスタッフをやる事しか頭にない。スタッフは脳を変えていく、普通の脳とは別に擬似脳を作り上げてしまう。そして全ての優先権はその擬似脳に集中する。刑務所だろうと塀の外だろうと関係ない、お金の事も同じだ。擬似脳が宿る肉体が死へ進んで行こうがスタッフにとっては何ら意味を持たない。