ショッカンの居場所を探してくれとフィリップスに頼んでいたが奴はもうデリーにはいない、ボンベイ(ムンバイ)へ行ったと教えてくれた。ぼくが保釈される事を知った奴はボンベイへ逃げた。考えて見ればそれで良かったのかもしれない。ぼくの目の前をちょろ々と動かれたらインディアン・マフィアを使ってでもけじめをつけ様と思っていた。しかし仕返しは相互に繰り返し泥沼化することになる。デリーを離れたショッカンに二度と会うことはないだろう。
ぼくの予定がない日だけマリーは学校へ行っているようだ。コンピューターの勉強をしていると彼女は言っているが、何処の何という学校なのかぼくは知る理由もなかったし聞きもしなかった。アパートの出入り口である一階と二階のドアはキーがないとロックが出来ない。スペアキーがないので如何するか話し合った。マリーを学校へ送り出し中から鍵を掛けると、二世帯分の広い二階の奥の部屋に居るぼくに彼女が帰って来た事を知らせる方法がない。インターホーンのような文明の利器はインドの高級住宅といえどもなかった。二階にぼくを置いて外から鍵を掛けて彼女は学校へ行く事にした。昼間、ぼくは外出する用はないし行きたい場所もない、問題は昼食だがバナナやコーンフレークに牛乳を入れて食べるくらいで十分だ。
夜、メインバザールの商店がシャッターを閉めるとその前に夜店がオープンする。いつも同じ場所で本が入ったダンボールを五~六個並べて商いをしているのは顔馴染みになった古本屋だ。ぼくはいつも文庫本を四冊だけ買う。店の親爺にとって日本語の本の内容など如何でも良い、本の大きさとページ数によって四十~六十ルピーの値段を付けている。初回、文庫本を四冊買うと約二百ルピーを支払うが次回、読み終わった本を持って行くと半額で引き取ってくれる。カトマンズのタメルには大きな古本屋が何軒もあるがシステムは全く同じだ。新たに四冊を買う時、前の四冊を戻すと支払いは百ルピーで済む。ページ数の多い本、特に新書版で上下二段組になった本はつい嬉しくなって買ってしまう、時間は幾らでもあったから。マリーが学校へ行った後、静かな部屋で日がなスタッフを吸っては本を読んでいた。
ぼくの予定がない日だけマリーは学校へ行っているようだ。コンピューターの勉強をしていると彼女は言っているが、何処の何という学校なのかぼくは知る理由もなかったし聞きもしなかった。アパートの出入り口である一階と二階のドアはキーがないとロックが出来ない。スペアキーがないので如何するか話し合った。マリーを学校へ送り出し中から鍵を掛けると、二世帯分の広い二階の奥の部屋に居るぼくに彼女が帰って来た事を知らせる方法がない。インターホーンのような文明の利器はインドの高級住宅といえどもなかった。二階にぼくを置いて外から鍵を掛けて彼女は学校へ行く事にした。昼間、ぼくは外出する用はないし行きたい場所もない、問題は昼食だがバナナやコーンフレークに牛乳を入れて食べるくらいで十分だ。
夜、メインバザールの商店がシャッターを閉めるとその前に夜店がオープンする。いつも同じ場所で本が入ったダンボールを五~六個並べて商いをしているのは顔馴染みになった古本屋だ。ぼくはいつも文庫本を四冊だけ買う。店の親爺にとって日本語の本の内容など如何でも良い、本の大きさとページ数によって四十~六十ルピーの値段を付けている。初回、文庫本を四冊買うと約二百ルピーを支払うが次回、読み終わった本を持って行くと半額で引き取ってくれる。カトマンズのタメルには大きな古本屋が何軒もあるがシステムは全く同じだ。新たに四冊を買う時、前の四冊を戻すと支払いは百ルピーで済む。ページ数の多い本、特に新書版で上下二段組になった本はつい嬉しくなって買ってしまう、時間は幾らでもあったから。マリーが学校へ行った後、静かな部屋で日がなスタッフを吸っては本を読んでいた。