スタッフの隠し場所をホテルのボーイが知っている訳はない。暫らくして警察官がぼくを呼びに来て私服の執務室に入れられた。私服はスタッフの計量を行っていた、120g、20gぐらいフレッドに抜かれていた。犯罪者は取調官と同じ高さの椅子に座ることを許されない、その事を初めて知らされ、それは保釈されるまで続いた。フロアーに直接座らされ真夜中まで荷物の調べが続いた。一応の調べが終わったのだろうか警察官に連れられ1階の鉄格子の留置場に入れられた。廊下の裸電球の光が暗い留置場内にぼんやりと差していた。後ろで鉄格子の扉が閉じられ鍵を掛ける金属音がした。暗い留置場内に目が慣れるまでその位置に立っていた。人の気配はない。10畳程の広さ、右奥がむき出しの土間に穴を掘り便器を置いたトイレ、左奥に無造作に積み上げられた毛布の黒い塊り、左側には鉄格子で区切られた小監房があった。毛布を引き摺って来て寝床を作り横になった。これから如何なるのか何も分らなかった。目を瞑っても眠ることなど出来はしない、だが他にする事もなかった。この苦境から抜け出す手立てはないのか。このまま何時間か過ぎると如何なるのかそれだけは分かっていた。禁断が始まるのだ。涙、鼻水、下痢、身体の痛み、不眠、頭の中を切り裂くように電気が走り出す。両膝を抱いた腕に顔を伏せ、ただ時間が過ぎていくのを待つしかない。過ぎ去っていく時間、日数分だけゆっくりと身体の中から痛みを引き摺りながら薬物が抜け出していく。1時間の長さを24時間耐え続けなければならない。眠りはその時間だけでも苦痛から解放してくれるのだがスタッフの禁断はそれを許さない。
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- 70~90年代インド・ネパールを中心に旅をしました。当時のノートと少ない写真の記憶です。ヒンディー語やスラングが多用されています。質問はコメントでお答えします。
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