夜、夕食が終ってホテルへ戻るとき、冷たい雨が降り始めた。夜中になると雨は激しくなり冬の嵐になった。この嵐では明日スノウリとの電話線は使えないだろう。運はまだぼくを見捨てていない。
朝、嵐は去っていた。良い天気になりそうだ。昨日の午後からぼくは神経性の下痢に苦しめられていた。1時間ごとにトイレに入りスタッフを吸うのだが下痢は止まらない、だらだらと流れ出た。昨日の事がある、スンダルは朝早くぼくを迎えに来てくれ9時には事務室に着いた。スノウリとの電話線がどこかで断線している、管理官の態度で分かった。ネパールの事だ回復には時間が掛かる。
「入国の確認ができるまで待てない。申請書へサインをして下さい」
ぼくは管理官に食い下がった。スノウリとの連絡がとれず入国の確認が出来ない彼はぼくへの理解を示し始めた。「スノウリを通った事を証明できるもの、又はスノウリから乗った夜行バスの半券でも良い、何でも良いから出せ」と管理官は言ってくれた。だがぼくは逃亡者だ、国境の町スノウリに長時間滞在することは危険を伴なう、車をチャーターしてカトマンズに来ているのだ、スノウリにいた事もそこから来た事も証明できるものは何もなかった。「それが無理だったら大使館の証明書を持って来い」と彼は付け加えた。デリー中央刑務所でぼくが依頼した弁護士と保釈を進めていた時、大使館からの手紙でどんな事情があろうと大使館、又大使館員が個人の身元保証人になることはないと言われた。ネパールの日本大使館もこれと同じ立場をとるに違いない。
朝から雨が降っている
明日 強い冬型の気圧配置になり数日続くとの予報 有り難くない
湾でのイカ釣りはお休みになりそうだ