「待て、ちょっと待て」と言ってクマルは部屋から出て行った。
奴は何をするつもりなのか?ちょっと不安もあったが背中の痛みは我慢ができない。そこへ油が入った小ビンを持ってクマルが戻ってくると、上半身裸になってうつ伏せに寝ろと言う。横になるとぼくの背中にオイルを塗ってマッサージを始めた。オイルを塗った背中を指で滑らせると硬くなった筋肉が分かるのだろう、そこを親指でぐいと押される。とてもじゃないが痛くて、うぅと唸ってぼくはベッドを拳で叩き足を跳ねる。クマルは面白しろそうに笑いながら硬い筋肉をほぐしていく、30分ぐらいマッサージをやってもらった。楽になった、有り難うとぼくが起き上がると目の前に奴の手が出てくる。インドで無料の奉仕などあり得ない、しょうがない5ルピーを手の上に置くとクマルは部屋を出て行った。それからぼくの顔を見るとマッサージ・マッサージと言うようになった。
この日、クマルはぼくの部屋の前にある長方形で大きい花壇の手入れをしていた。外出から戻ってきて花壇を見ると疎らな花と苗らしき草を残して丸坊主にされている。茫然と花壇を見ているぼくにクマルが近寄って来た。1m程の高さに茂っていた藪の中から、彼は両手を広げて、こんなに大きな蛇が飛び出して逃げた、とぼくに告げた。
「やっぱり、おったか。でかいのが」
1日中 小雨が降り ベランダから見える山の竹林は西風に揺れている
昨日は11月なのに最高気温25度 夏日だった 気温が下がりそうだ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます