9月9日(土曜日)
11時頃だろうか、刑務所にある診療所のドクターがぼくを呼んでいると模範囚のジャクソンが知らせてくれた。
「ぼくはどこも悪くない、何故だ?」
「トミーを連れて来いとドクターに言われただけだ」
あれこれ考えても分からないものは分からない。スタッフやビリを私物の中に隠し急いで診療所へ向かった。屋外公会堂の舞台にはアフリカ人やインド人が診察の順番を待っていた。ジャクソンはそれに関係なく診察室に入りドクターにぼくを会わせると戻って行った。ドクターは助手に指示してぼくの体重や身長の他に身体的特徴を調べさせた。それが終るとドクターはぼくに机の前の椅子に座るように言った。有り触れた質問で名前、生年月日、国籍、宗教等をドクターは書類に書き込んでいる。外国人収監者の健康診断だろうか、そんな事を考えていた。問診に入ってからドクターの質問は医学用語を含めている為、ぼくに理解できる部分は少なかった。そんなぼくを気にする風でもなく、時々ぼくの顔を見たり質問をしたりしながら書類を書き続けていた。終ったのだろうペンを机の上に置いたドクターはぼくの顔を見て机の上に身を乗り出し、小さな声で
「君は、バクシ弁護士を知っていますね」 と聞かれた。
小雪舞う寒い一日 何もすることがない 雪を見ながら朝からちびちび呑んでいた
呑んべぇTさんからワカメどうなとぅ と電話があった ワカメの新芽は柔らかく美味しい
寒波がねぇ~ それが過ぎてから採りに行こう ワカメは逃げんもん
そいでも人が採るばい 心配せんでよか なんぼでもあるっちゃ
あんた 呑んどらせんねぇ 臭うねぇ なんいうとん電話ばい これは
そうだった 少し酔うとるかもしれん
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