インドの地方の村や町ではホテルを除いて一般民家でトイレの設備があるところは少ない。村や町の何処かに不浄の場所がありそこで用を足す。長距離バスの中継地である小さな町で1泊したことがある。表通りに面して食堂やホテルが並んび、その建物の裏側にはガンジス河が流れている。標高1500mぐらいの町で、ここまでくればさぞかしガンジス河の水も綺麗だろうと、建物の間を抜けて河へ出た。河畔には上流から押し流された大小の石がごろごろとしている。石に乗って河岸へ行こうとしたとき、目についたのはあちらこちらの石の上や石の間に干からびて貼りついている人糞であった。ガンジス河の本流は聖なる河であるが河畔の一部は不浄であっても良いということか。ガンジス河に思い入れしていたぼくはちょっと傷ついた。
別館下で生活をしているババ達の数は10人を超える。別館の少し上流に草むらがあり、そこが不浄の場所になっている。黒豚の親子が下流からこの辺りまでやって来る。猪ぐらいの大きさで黒い母豚とその後ろに可愛い子豚がついてくる。ぼくが泊まったことがある地方の町では必ず黒豚を見た。この豚もバザールにいる牛もぼくは野良だと思っていた。がそうではない、ちゃんと持ち主がいるのだ。デリーのバザールにいる雌牛は持ち主から乳を搾ってもらっていた。黒豚の雄は成長すると投げ網で絡められて、ギーギー泣きながら大八車に縛り付けられていた。たぶん場へ運ばれていったのだろう。バザールの牛は飼い主が餌をやっているわけではないが、何を食べているか大体のところは分かる。豚は何を食べているのか?インド人の生活をみていても豚に与える餌は出てこない。出てくるのは人糞・うんこだけであり、それが豚の餌である。
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