<麦播き>
今年も麦播きが無事に終了しました!
今年蒔いた小麦は
・ユメカオリ(強力)
・ナンブコムギ(準強力)
・農林61号(中力)
と、大麦も、研究用にすこしずつですが
皮大麦
・六条大麦
・二条大麦
裸大麦
・イチバンボシ(うるち)
・ダイシモチ(もち:いわゆるもち麦)
と、こちらも体験程度ですが、
・燕麦(えんばく/オーツ麦:オートミールの原料)
も蒔いてみました。
オートミールは、今まで食べたことがなかったのですが、癖が全くなくってさっぱりとしていて何にでも合わせられて食べやすくて、すっかりはまってしまいました。
世間でもその魅力に気づいたらしく、どこのお店でもしばらく品薄状態でした。
うちではコーンスープに入れたり、パンに混ぜて焼いたり、市販の甘すぎるグラノーラを薄めるのに使ったり。お湯でやわらかくしたりしなくても、そのままムシャムシャ食べます。これが噛むほどにやさしく甘くて美味しいんです!
どうやら、一年に二回、収穫時期があるそうで、どうなるのか楽しみです!
<小豆の大凶作>
さて、今年うちの畑では、主要作物のひとつである「大納言小豆」で、はじまって以来の大凶作を体験しました。
麦の裏作として、畑をはじめてからずっと種をつないで10年くらい栽培していますが、とにかく失敗知らずで、猛暑もなんのその、放っておいても毎年大収穫だったので、大変驚きました。
全力で生い茂っているのですが…
鞘がまるでつかない!ついてても小さい不良豆だったり。
今年はほんとにもう収穫ゼロの覚悟でいたら、畑の一番端下の方ではなぜか例年どおり実っている場所があって、かろうじて収穫ゼロは免れました。
その原因について、いろんなことを考えました。
どんなに考えても、結局のところ仮説の域をでないのですが、どうやら今年、小豆を早播きしすぎてしまったことと、二か月も続いた長雨の影響が一番大きかったのではないかというのが今のところの有力説です。
同じタイミングで栽培している陸稲も壊滅的で、穂はこうべを垂れているのですが、実が入っていないのです。
どちらも開花期にあまりに高温だったり、低温だったりすると、花粉ができなくなってしまうそうです。
水稲は水温で守られている分、陸稲より温度変化に強いそうで
いろんな意味で、やはり稲の水耕栽培というのは理にかなっているのだとわかりました。
<ミツバチと花粉>
最初、鞘ができない・実が入らない→受粉ができてない→ミツバチの減少と関係が?
と思って調べてみたのですが、結局、小豆は自家受粉する作物だったので、ミツバチは関係なさそうだということがわかりました。
でも、おかげで、ミツバチ減少の原因とかいろいろ知ることができました。
(どうやら、特定の何か、というよりは、人類のするいろんなことが複合的に影響して、ミツバチの失踪、怪死を起こしているのではないか、ということでした。
大面積集約型の工業生産的な農業とそれに合わせた強引な養蜂。農薬、除草剤。そして遺伝子組み換え。
そもそも、果樹園に受粉のために人工的に蜂を放つという、受粉ビジネスの世界が存在するということをはじめて知りました。)
来年は適期に種をまくことと、早生の品種である夏小豆も栽培してみようかと思っております。
ほかにも日照不足の影響なのか、イチジクが全く熟さずに青いままだったり、同じく鷹の爪が未だ半分以上は青いままだったり、こんなこと起きるんだ!ってことがいろいろ起きてます。
それにしても、6月の小麦に引き続き、小豆まで栽培に黄信号が灯るとは…→
2か月振りの脱穀~麦栽培の過去と未来
花粉の世界の繊細さも知って、なんというか、どんなに品種改良とか頑張っても、ちょっとした気候の変動なんていう神様の指先ひとつの気まぐれで、コロッと食糧難になったりすることもあるんだなーと、農業の持つ不安定さを実感する日々。
ところで、映画「インターステラー」には感動しました。自分が大人になったことを忘れるくらい泣いてしまいました。
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「インターステラー」
2014年のクリストファー・ノーラン監督による映画。
気象変動により、作物の栽培が困難になった、そう遠くない未来の地球。
居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、
まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。
はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか?
積み重ねてきた人類の、技術と経験と知見とが紡ぎだす、人と時間と愛の物語。
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<食料の選択肢>
備えあれば患いなし。
というわけで、農耕に頼り切らない、これからの時代の食料の調達方法ついて、考えてみました。
そこで白羽の矢が立ったのは「野草」と…「虫」!
事実は小説よりなんとやら…?
「昆虫食」は国連が、世界中が、これからの時代の食料調達の希望として注目しているというのだから驚きです。
ヘルシーで高たんぱく。生産効率が高い。環境負荷が小さい。味だってまあ、悪くない…。まるでいいとこばかりに思えてくる「昆虫食」は人類の未来を救うのか!?
でも、ちょっと待ってよ、せっかくの機会なんだから、「人類と食料」についてゆっくり考えてみようじゃないか。
食料とそうでないものとの間に何があるのか?
食べたいものとそうでないものの間に何があるのか?
昆虫食は実際のところどうなのか?
昆虫食に好奇心たっぷりながら、冷静で中立な姿勢がとっても良い!そして著者の語り口がとても面白い!
まだ読み途中なので、早く続きが読みたいです。
原題は「Eat the beetles!」。
今までも野草関係の本は何回か読んで挑戦しようとしていたのですが、この本は波長が合うのか何なのか、すごくわかりやすくて親しみやすくてよいです。時期ごとに、花と葉と茎とどの部分が食べられるのか、のカレンダーもgood!
野菜を野草のように扱い、野草に野菜を見出す。
「ななくさ(菜の草)」の屋号をもつ我々としては、ぜひともチャレンジしてみたいところ。
さて、そんな野草のように扱った(?)、うちの畑の野菜の販売をはじめてみました。
おかげ様でお客様からの反応も良く、そしてものすごくいろんなことの勉強になって、栽培技術も向上しそうなので、やってよかったです。
不定期販売で、ほんの少しずつなので、今のところ告知とかはしておりません。ご了承くださいませ。
<うまく栽培できたもの>
小豆は散々でしたが、その反面、うまくいったものもあります。
大豆はほんとに七草がずっと苦手としていて、謎にうまくいかなかったのですが、今年、何年かぶりに、というかはじめて大変良好に収穫できました。
種の状態もとても良いので、今後はこの種をつないで、来年以降もとどこおりなく増やせていければと思います。
あと、白(いんげん)豆が、ついに長年の成果を発揮しました!
白あんや、各種変わりあんの原料になる、ななくさにとっては無くてはならない存在。
これがもう、長いこと北海道で不作続きで、値上がり続きなのです。
販売店の在庫も余裕がないので、いつ売り切れになるのかも定かではなく、是非自家栽培を!!と頑張ってきたのですが
白豆も、なかなか栽培がデリケートで、しかも情報が少なくって難儀していたのですが、何種類もいろんな時期に蒔いて、その中で育ちの良かったもの、実りの良かったものを次の種として残して、を毎年繰り返して、ようやく、今年はまともに綺麗な売っているような白豆がとれました!!
これまで、やっとこさ実っても、すぐに鞘の中で茶色っぽくなってしまって、売っているような真っ白な実がとれなかったのが、収穫のタイミングがわかりました。
黄色くなってきて、鞘を触るとぶかぶかするころ。まだ緑がかっているうちにとって雨にあたらないように干しておくとよいことがわかりました。
あと、さつまいもが、苗づくりの時期に気温が上がらず、今年はだめだろうなーと思っていたものが、思いのほかうまくいきました。
サツマイモは去年から芋の貯蔵が成功して越冬できるようになったので、自家苗での栽培に挑戦しています。いまのところ苗に芋の肉を残して植えるのが最強のようです。
ジャガイモのように種芋をそのまま植えたものは、種芋自体が肥大化して、あまり収穫はできませんでした。ちなみにその肥大化した種芋は、新しく大きくなったところだけが美味しく食べられました。
「まるごとそのまま植え」の種芋。右側のくびれから下の部分が新しく大きくなった部分です。
<天気を読む>
もう、天気予報だけに頼っていては農作物を守れない!
と、いうわけで、自分で天気の予測をする技術の勉強をしてみました。
今まで考えたこともありませんでしたが、いわれてみれば、現在の天気予報でできるのは、せいぜい2週間かそこいらのことで、長期的な天気の予測(今年の夏は暑くなりそう、梅雨が長引きそうとか、遅霜がきそうとか、今年の秋は荒れそう、とか)というのはほとんどまともにできていないのです。
で、農業に必要なのは短期+長期の両方の予測なのです。
現代農業の別冊の単行本で、いろんな方法が書かれていましたが、中でも「寒だめし」という、二十四節季の小寒から立春までの気候状況を記録しておいて、それを一年間に当てはめる、というのが不思議とよくあたるそうなので、やってみようかと思っています。
<種苗法改正でどうなる?>
ところでこの記事でも書いているように、うちでは基本的に自家採種できるものはなるべくしています。少しずつ増えてきて、半分以上は自家製の種になってきました。
巷では「種苗法改正」で、ひと悶着あったようですが、今後自家採取はどうなるの?ダメなの?と気になっていたので、調べてまとめてみましたので、ちょっと次の記事で触れてみたいと思っております。