先日、埼玉県の飯能市のタネ屋さん「野口のタネ」から、待ちわびた秋撒きの種が実家宛てに届きました。
この「野口のタネ」は、日本全国でも珍しく、「固定種」というタネにこだわり続けて親子三代(四代目も修行中)80年に渡って、日本の伝統の食文化を守り続けている世にも素晴らしいタネ屋さんです。
『固定種』とは何かというと、平たく言うと「普通の種」です。
それに対して現在の主流となっている一般的な種のことを『F1種(一代雑種、交配種)』と、言います。
ではこのF1種のどこらへんが普通ではないかというと、とある方法により、撒いた一代目にだけ、とても強力な効果を発揮する「一代目だけスーパー種」なのです。
具体的には収量が増えたり、収穫時期や、色、形などが揃ったりします。
なので、商用で育てるなら断然F1の種なのです。
ただし、F1の種は子孫をうまく残せません。
人為的な突然変異によって生みだした種なので、二代目以降、発芽率や、形や味など、いろいろなものが不安定になるそうです。
だから当然、毎年メーカーから新しい種を買わなくてはなりません。
その点固定種なら、次に撒く分のタネを自家採取することができます。
それに、商用ではデメリットでしかない収穫時期のバラつきも家庭菜園にはむしろ好都合で、生育スピードが遅いということは畑に置いておける時期も長いということでもあるのです。
タネ代が掛らないばかりか、世代を越えてゆけばゆくほど、その土地風土に合ったタネになってゆき、作りやすく、美味しくなってゆくのです。
なんだかこれは親から子へ、子から孫へと代々受け継がれていっている『野口のタネ』も同じですね。
命だけでなく、魂もリレーされていっているのが感動的です。
そんな、タネ屋なのに「タネは自分で採りなさい」と言う、素敵な『野口のタネ』のホームページはこちらです。固定種とF1種についても、「種の話あれこれ」にて詳しい解説があります。
野口のタネhttp://noguchiseed.com/
「あの思い出の野口さんから、タネが届きました。
学校の帰り道に寄っていた野口さんのお店から
息子宛にタネが届くとは、なんたる偶然でしょうか!」
僕の父は定年退職したあと、飯能の学校に木工の勉強をしに行っていました。が、なんと!実はその学校の帰り道に毎日「野口のタネ」に通っていたそうなのです。
僕が「野口のタネ」の話をしたら「野口さんも有名になったもんだね~」とか言っていましたが、それは父が知らなかっただけで、当時から野口さんは十分有名人だったはずです!
その時の父のブログ記事です↓
狸笑庵だよりhttp://blog.goo.ne.jp/risyoan/e/d5e5ab380c5b928c4810062a99bc902c
タネは一袋で結構たくさん入っているので、今回は父と折半して購入しました。
また別で書きますが、僕のやろうとしている栽培方法だと、軌道に乗るまで数年以上かかると思いますので、暫くは父の収穫物を味見させていただくことになるかもしれません(^_^;)
星座占いでも、僕はヤギ型で後からゆっくり延びていくタイプだそうですので、僕の性格には向いているようにも思えます。
明後日の種まきが楽しみです!!
*父はF1で育てたカボチャの種を取っておいて撒いたら100%発芽して、今とても元気に実っています。
なので、「F1=二代目は全く駄目!」ではないようですし、F1からでも何世代もかけて良い種を残して育てていけば、ちゃんとその土地特有の固定種になるらしいことを一応書いておきます。