光機能化の話題に触れて、私は超音波治療器が非常に効果的である、と明言して来ました。
本日もそれを如実に感じさせられる患者さんを経験しました。
上顎の前歯のインプラントですが、非常に難しいインプラント治療で、即時植立と即時荷重をしなければならない、と言う条件でお引き受けした方です。
手術後1ヶ月弱で仮歯が外れ、ペリオテストで数値を計った所、非常に厳しい20前後の数字が出てしまいました。
これはいけません。
このままでは脱落してしまうかも知れません。
対応策として、咬合等の刺激から完全に遮断される状態で保護されるようにして、出来る限り超音波を当てに来ていただけるようにお願いしました。
勿論、食事指導とかでも、そこは当たらないように、保護していただくように強くお願いします。
患者さんはとても真面目な方で、1週間に2~3回の割合で通って下さいました。
それから1ヶ月と1週間経って、今日改めて仮歯が又取れたのでデータを計り直しました。
そしたら、見事に8にまでデータが改善していました。
素晴らしい!!
やはり超音波はインプラントの治癒促進に相当良く効きます。
ペリオテスト値が20まで行ってしまったものが1ヶ月+1週間で8まで改善したのです。
このような芸当は光機能化では出来ません。
持続的に治癒を促進し、時には今回のように危なくなり始めたインプラントを再び安定する状態にまで治せてしまうのです。
私は以前から、かなり厳しい状況に追い込まれたインプラントでも、患者さんが協力して下さって超音波を始めとする治癒促進治療に取り組んでいただけると、相当の効果がある、と明言して来ました。
一番最初の症例の患者さんは、歯科用CT3DXを入れる前でしたので2005年頃です。
やはり前歯、犬歯の治療で抜歯即時植立、即時荷重治療したのですが、その時も残念ながら噛んでしまって仮歯が壊れ、インプラントが揺れ出したのです。
その時は24位まで悪化しました。
もうこれは駄目かも知れない、と私も諦めかけました。
しかし、隣接歯の揺れがインプラントに干渉しないようにして、更に咬合接触からも保護するようにして、患者さんに全面的に協力して下さい、とお願いして1日置きに超音波を当てに来て下さい、とお願いして、まず1ヶ月見ましょう、とお話しました。
やり直しに成るようにはズット良いでしょう、と言うことでです。
その結果は見事なものでした。
今その患者さんは術後7年目になっていますが、完全に安定している状態です。
ペリオテスト値も、-2とかのデータが出る位安定しています。
この患者さんの経験以降、私は超音波の効果を真剣に信じるようになりました。
私の所のインプラントの脱落が極端に少ないのは、縁の下の力持ちで超音波治療器BR-ソニックがあることは間違いがありません。
この器械に巡り合えていなかったら、私も毎月1~2本脱落させるインプラント専門医だったことでしょう。
しかし、私の所ではインプラント脱落、初期の失敗は、本当に年に1~2本あるかないか、なのです。
全てのインプラントで、うちではデータをペリオテストで計っています。
その数値で、危なさそうな患者さんには、通う回数を増やして下さるようにお願いしています。
そうすると、確かにデータが良くなるし、脱落と言う悲しい事故もなくなるのです。
これは全て事実です。
嘘、偽りは全くありません。
持続的に治癒促進機能が働くことが超音波治療器の素晴らしい所です。
光機能化にはない機能です。
更に言えば、超音波治療器には、軟組織、歯茎や皮膚の治癒促進機能が非常に高くあるのです。
これは、手術を主な仕事としているDRには凄く重要なことです。
手術は必ず軟組織を閉じる、縫い合わせることで終了します。
そして、軟組織が逸早く治癒して、血流が正常に回復することが、中の組織の治癒に有効に働くのです。
インプラントで中の組織と言えば骨しかありません。
超音波は、歯肉の治りを促進し、中の骨の治りも促進するものなのです。
つまり、我々が最も欲しい治癒促進機能を満たしてくれるのが超音波治療器なのです。
何度も言いますが、このような機能は光機能化にはありません。
ですから、まず最初に取り入れるべきは超音波治療器なのです。
光機能化を否定はしませんが、表面の処理は本来メーカー側ですべきです。
言うなれば科学的に欠陥がある、どんどん骨とのくっ付き方が時間経過と供に落ちて行く商品を売られているのです。
食品同様に、賞味期限をかなり厳しく査定して、返品OKにして売るか、それとも表面処理をチャンとして骨とのくっ付き力が余り落ちない商品を売るべきなのです。
その条件を唯一満たしているもの、ストローマンのSLActiveが現在欧米では既に出ています。
ストローマンのSLActiveは製造直後から空気に触れないようにして薬液に漬けてあります。
だから、条件の良い骨の場合3週間で最終補綴まで出来る、と明言しています。
ストローマンは空気に触れさせてはいけない、と言うことをどうやら知っていたようなのです。
因みに、私は2003年にDR.ラムの元で学び、インプラント植立する時には生食水で濡らすことを知りました。
良く考えているDRだ、と恩師のことを感じ入りました。
今尚、乾燥しているインプラントを生体にそのまま植立している写真を良く見ます。
ナンセンス!です。
生体内には乾燥している組織は一つもありません。
馴染ませるには濡れていることが良いのです。
実を言うと、私は2003年当時は既にPRP等の再生治療法を導入していたし、超音波も導入していて、インプラント表面をPRPで濡らし、超音波で治癒促進することを始めていました。
なので、DR.ラムの手法を見て海外のDRなのに、他のDRとは違う、濡らすことの重要性に気付いているなんて凄い方だ、と感心したのが実情です。
その当時から現在でも尚、濡らして植立するDRは殆どいませんから。
チタン表面に血糊が良く乗るようにしたいなら生食で濡らして植立すれば、幾らでも乗り、馴染みます。
光機能化はそれ以上の効果があるのでしょうが、血糊の乗りが良いことだけに絞るなら乾燥したインプラントをいきなり生体に入れなければ済むことなのです。
こんな明け透けのことは、私くらいしか書かないので、今日も本音で書きました。
今日の患者さん始めとして、インプラント治癒促進には超音波が効きます。
光機能化が効かないとか無駄だ、と言うつもりはありません。
しかし、光機能化した後、超音波で治癒促進する意義は大きいだろう、と予言します。
本気で治癒促進を狙いたい方には是非勧めます。
私は嘘、偽りは言いません。
270万もする器械入れられる方なら、40万もしない機械入れるのは難しくないのではないでしょうか?
患者さんが早く治って嬉しい為なら、決して無駄にはならないものでしょう。
患者さんを1日でも早く幸せにする為に、超音波を入れて下さい。