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死に仕度の前に、老い仕度を考えて下さい。

2018年12月26日 | 患者さんの知らないンプラント業界の話

義歯で痛い、と言うのは辛いモノです。

食べる時に、義歯を気にしながら食べる辛さは、粘膜に負担をさせると言う義歯の宿命から来るものです。

 

粘膜全体に均等に負担され、痛みなく噛み締められる、と言う状態を作り出すのはかなり至難の技なんです。

これは、私が手掛けさせていただいた総義歯の状態です。

 

生意気ですが、かなりしっかりと均等に粘膜に負担させられている状態が客観的に分かるものです。

 

実を言うと、ここまでの緊密な均等性を実現出来なくても、義歯はそれなりに均等に負担され噛める状態にできるものです。

 

なので、巷ではそれなりの状態で、患者さんが噛める、と言うことでしたらOK、で済んでいるんです。

 

ところが、ここに忘れられている問題があります。

 

それは、齢を取る、と言うことです。

 

加齢現象、です。

 

年老いる、と言う問題が、患者さんが考えている通りになるかと言うと、そうでもない、と言うのが現実なんです。

 

実際に、日々の臨床で患者さんから、まさかこうなるとは思わなかった、と台詞を聴かされることが本当に増えてるんです。

 

そして、直ぐに死ぬから良い、と言ってた方が、食事が満足に取れなくなって、何とかしてくれ、と大きな問題になるのを残念ですが経験させられています。

 

悲しいことですが、年取るともうどうしようもない、と言う事態が起きてしまうんです。

 

でも、人間は死ぬその時までお腹が空くんです。

 

お腹が空けば、食べたいんです。

 

食べると言う要求は、人間の原始的欲望の一つで、最期の最後まで残る欲なんです。

 

食欲がなくなれば、人は死を迎える、と言っても間違いないでしょう。

 

生きている限り、人は食べたいんです。

 

私も、恩師を亡くした時、その衝撃で一時的に食欲を失くし、生きる気力すらも衰え、どうしたら良いんだろう、と動揺したことがあります。

 

しかし、悲しいかな、時間が過ぎるに連れて、お腹が空いて来て、食べなければならない、生きなければならない、と実感させられてしまい、亡き恩師に対し申し訳ないと言う気持ちと言うか、何とも情けないと言う気持ちになったことを覚えています。

 

生きる限り食欲はなくならない、そう言う人生を変えるような劇的な悲しい事実があっても、時間と供に蘇って来る、と言うことを思い知らされました。

 

そして、その時に我々の業界の仕事、と言うモノの重要性、大切さ、というものも思い知らされ、亡き恩師からの最期の教え、なのかも知れない、と思い至ったのです。

 

 

我々は確かに、お医者様と違って命を救う医療人ではないのかも、知れません。

 

でも命がある限り、患者さんがお腹が空けば、それを満たして差し上げる大元の大事な大事な仕事、だと思います。

 

死に仕度は、お医者様とかホスピスの方にお任せするしかない仕事でしょう。

 

我々の仕事は、老い仕度をお助けする、お守りする仕事で、例え死に向かいつつある方であっても、その患者さんが好きなモノを好きなように召し上がられたい、と言う最期の最後に残された欲を叶えて差し上げられる、素晴らしい仕事、だと思います。

 

 

そして、気にいっていただけないのかも知れませんが、私はそこで義歯への疑問点を問わざるを得ないんです。

 

最初に上げた写真のように、私は義歯でも並々ならぬ腕を持っております。

 

正直に申し上げて、この腕を修得するには相当に厳しい修練と勉強が必要です。

 

私自身、お師匠様の元で3年に及ぶ厳しい修行と、同時並行してセミナーにも行きましたし、書物も母校の図書館にその当時あった関連本は全て目を通しています。

 

平積みで7m位はあったんじゃないかと思います。

 

一番古い論文は、昭和20年代で、カタカナでした。

 

とにかく、お師匠様がなさってることを解読したい、理解したい、と言う思い一筋で、必死でした。

 

そうして、漸く免許皆伝を賜わったんです。

 

 

この真似をしろ、とは言いません。

 

しかし、義歯を修得する、と言うことは正直かなりハードルが高い、と思います。

 

 

ところが、ここにインプラントと言う救世主が現れたんです。

 

マギルレポート、と言う有名な論文があります。

 

それによると、下顎に2本のインプラントで総義歯を支えると、劇的に機能が改善する、とされています。

 

この論文が出た後は、総義歯治療の基本として、マギル先生が主張した方法がゴールデンルールとなったんです。

 

もっと簡単に言うと、総義歯の腕を相当に上げないでも、解決できる方法ができた、と言うことです。

 

たった2本のインプラントを下顎に埋めるだけで、下顎の総義歯が痛く無く噛めるようになり、それによって上顎は総義歯でも安定して噛めるようにできる、と言うことなんです。

 

噛める、食事ができる、好きなモノを好きなように食べられることが、シンプルに可能になったのです。

 

 

これは、本当に老い仕度、として相応しい我々の仕事だと思います。

 

エンディングノートとか、エンディングのことは話題になりますが、エイジング、ウェルエイジングのことはまだまだ知られていません。

 

アンチエイジングも素晴らしい概念ですが、ウェルエイジングも知っていただきたいし、どうしたいのか、と考えて欲しいのです。

 

その時に、我々の仕事、インプラントの仕事、義歯の仕事は、とてもお役に立てる筈、なんです。

 

あと数ヶ月と言われても、お腹は空いて、残された時間を知っていても、否知っているからこそ、好きなモノを好きなように食べられることって、大きな意義があることではないでしょうか?

 

命がある限り、輝いて欲しい。

 

私はそう心から強く強く願っています。

 

 

 

 

 

 

 


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