だから、ここに来た!

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ロンドン運河博物館

2025-03-12 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月1日(土)■ 続き

もう10回以上ロンドンに来ているので、ほとんど観光地と言われるところは見て回ってしまい、
今回どこを訪れていいのか見当がつかず、どこかオススメの場所はないですか?と募ったところ、
留学中にクラスメイトだった子から「ナローボートに乗ったら?」と提案してくれました。

早速調べてみたものの、急にナローボートのツアーを探してみても出ていないか埋まっている状態。
しかし、知る人ぞ知るロンドン博物館がないかネット検索していたら、
キングスクロス近くにロンドン運河博物館があるじゃないですか!
ここならアクセスもしやすいし好都合!
ホテルに荷物を預けた後に徒歩で博物館へと向かいました。

London Canal Museum Home Page

入場料は£7.5。入口にスタッフがいて、しおりと簡単な順路の説明をしてくれます。
希望すればツアーのように一緒について解説してくれるみたい。
私はまだ渡英したてで解説を聞き取れる自信がなかったので、しおり片手に一人で回ることにしました。

1階入口の左側には早速「コロニス」というボートが置かれています。

このボートは1935年に作られたもので、ロンドンからバーミンガムまで、
木材や鋼鉄、フルーツや穀物を運ぶのに使われていたらしい。

実際に住んでいないとわからないようなボート内部の生活空間まで見ることが出来ます。

もちろんコンロもあるしベッドもある。
引き出し型のテーブルや収納など、狭い場所でも生活出来る工夫が見られます。

扉の絵やポットの柄が可愛いですね。
カメラの画角ではボート全体が収まらないくらいの大きさがあります。

ところで、何故この場所に運河博物館があるかというと、ここに2つの大きな貯氷庫、氷室があったからなのです。

1857−58年と1862−63年に作られた、直径10メートル、深さ13メートルの大きさがある貯氷庫。
この貯氷庫を作ったのはイタリア系スイス人のCarlo Gatti
1847年にロンドンへ渡ったGattiは屋台でワッフルや焼き栗を売っていたそうですが、
その後事業を拡大し、チョコレートや当時高級な食べ物だったアイスクリームを一般に販売し始めたそうです。

しかし当時の英国の氷は量も少なく純度も低いため、わざわざノルウェーから氷を輸入し、
カナリーワーフ近くにあるライムハウス・ベイシン(流域)で艀船に積み替え、
リージェント運河を使って、ここバトルブリッジ・ベイシンにある貯氷庫まで運びこんだんだとか。
(確かに地図で見ると、ライムハウスからバトルブリッジまで、弧を描くように運河がつながっている!
この事業で貧しい家庭の生まれだったGattiは裕福な実業家となったのでした。

Gattiの事業を通じて、一般家庭にも氷やアイスクリームが普及したため、
博物館の中にもアイスクリーム用のカップやスプーン、
レストランのキッチンにあった保存用の冷凍庫などが展示されています。

バトルブリッジ・ベイシンが作られたのは1822年、元々はこの流域の建設を手がけた地主のウィリアム・ホースフォールにちなんで
ホースフォール・ベイシンと呼ばれていたそうですが、フリート川に掛かる橋・地名にちなんでバトルブリッジ・ベイシンと呼ばれるように。

博物館の自動ドアから外に出ると、バトルブリッジ・ベイシンとそこに停泊するナローボートの景色を楽しむことができます。

 

2階に上がると、さらに詳しいボートや運河の解説展示が続きます。

昔の運河に関するニュース映像の上映や、運河のさらなる歴史のパネルが何枚も展示されていますが、
特に目を引いたのは、馬!

 

何故馬が!?

というのも、第二次世界大戦前までは馬がボートを引っ張っていたそうな。びっくり。
でも考えてみればそうか、モーター化されるまでの間、オールで船を漕ぐわけに行かないですもんね…

そのため、2階の半分はいかに馬が運河の仕事に重要であったのか、
また馬たちの生活やケアについて詳しく説明されています。
獣医さんの器具や薬品も展示されていたり、馬具も飾られていたり。

 

ボートを引く馬が鉢合わせてしまった時は、片方の馬が引いているロープを緩めて
相手方のボートの下に潜らせる、といった工夫がされていたらしい。

こぢんまりした博物館ではありますが、持病の影響と旅の疲労もあり、
2階まで上がった時には疲れて映像上映の椅子のお世話になりつつ、
とりあえずパネルの写真を撮っておいて後で見返そうと思ってましたが、ほとんどが手ブレで読めず(涙)。
しかし、身近でありながらも意外と注目する機会が少なかった運河の歴史を知るきっかけになり、意義のある訪問になりました。

キングスクロス周辺は留学中に地下鉄の乗り換えで使っていた思い入れのある土地なので、
グッズ売り場では博物館を中心にした地図が描かれたコースターを購入。

お昼を過ぎてすでにヘトヘトでしたが、次の目的地に向かいます。

続く…

 

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久しぶりにSpeedy's Cafeへ

2025-03-12 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月1日(土)

前日に寝落ちてしまったため、早く目が覚めてしまいました。
窓から外を見ると、霧掛かって幻想的なセントパンクラスの風景が。

←午前6時 午前9時→

パントリーからはセントパンクラスインターナショナル駅や鳥籠型ブランコが輝いて見えます。

この日はホテルで朝食を取ろうと考えていましたが、せっかく近くに泊まっているので、
久しぶりにドラマ「SHERLOCK」でお馴染みのSpeedy's Cafeで朝食を食べようと思いつきました。

↓朝7時半のキングスクロス駅

Speedy'sには、旅行中や留学中にも食事に来たり外観だけ見に来たりしていました。

 

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■2014年1月31日■この日はロンドン観光に集中することに。まず、"2つの"ベイカー街へを足を運びました。ホテルから近いので、歩きで北にあるユーストン・...

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お店は朝7時半から営業しているので、
セントパンクラスからユーストンスクエア駅まで朝の散歩がてら徒歩で向かいました。

そして15分歩いて着きました、朝のSpeedy's。

朝一番だったので、お客さんは私一人。
レジではなく、好きなテーブルに座ってからオーダーをします。

飾ってある「SHERLOCK」撮影現場写真はちょっと減って、大きめなものだけ残しているみたい。

朝からたくさん食べる気分ではなかったのですが、
せっかく来たので、今まで注文したことのなかったSHERLOCK BREAKFASTを注文しました。

スモークサーモンにアボカド、スクランブルエッグにキノコのソテー、トースト付き。
カフェラテはセットではなく別途注文しました。
卵とキノコにはブラウンソースをかけ、
サーモンとアボカドとトマトはトーストに乗せていただきました。

これで£12はちょっとお高い気もするけれど、ホテルで食べたらもっとお高いし、
Speedy'sのような街の食堂で過ごしていると妙に落ち着きます。

8時を過ぎると徐々に地元の常連のお客さんも入ってきたので、入れ替わるようにお勘定をして外へ。
短い時間でしたが、慣れ親しんだ場所でホッと一息つけました。

↑おまけのユーストン・スクエア・ホテル
SHERLOCK撮影時には出演者の控え室がわりになってましたね。

帰りは地下鉄でセントパンクラスに戻ったのですが、
オイスターカードで改札を通ろうとしたら何故かゲートが開かない。
駅員さんに「残高不足だよ」と言われ、「え、昨日チャージしたばっかりなのに?」

よくよく記憶を遡って思い出してみると、
ヒースローでオイスターカードのTOP-UPしてる時に話しかけられたことに慌ててて、
最後にカードを販売機の黄色い読み取り部分にタップしてチャージを完了してなかったことに気づきました…
急に話しかけられたのが原因とはいえ、うっかりしてた…

とりあえず再度自販機でチャージしてホテルに戻って調べてみると、
クレジットカードを読み取るところまで操作は済んでいましたが、
最後にタップをしなかった場合は、取引がキャンセルされて3日ほどで返金されるとのこと。
よかった、そのまま引き落とされっぱなしってわけじゃないのね。

安心出来たところで、荷物をまとめて初日のホテルをチェックアウト。
キングスクロスから隣のセントパンクラスのホテルに移動します。
私の職場でも皆が憧れている有名ホテル

対応してくれたフロントスタッフは気さくで好印象でした。

キャリーケースにCapsule Corpのタグつけてたら、次のホテルのフロントの人もドラゴンボール大好きらしくて
係「DAIMAも見てますか?!」
私「ええ、昨日最終回でしたよね」
係「どうでしたか??」
私「とってもよかった。鳥山明らしくて好きでした」
「ですよねー。でも終わっちゃうのが残念で…」だって!

(チェックイン前にスパの利用も出来るみたいだったけど)荷物だけ預けて、
気になってた場所や買い物のために、早速ロンドンの街に繰り出しました。

続く…

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10度目の渡英〜空港での思わぬ出会い

2025-03-08 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年2月28日(金)

2年ぶりの英国旅行
前回は香港経由で渡航したのですが、トランジットや周辺の乗客にストレスを感じたり、
到着するまでの間に足首を痛めたりしたので、今回はJALの直行便を選択。
幸い、2月末だと航空券が比較的お得。20万円未満で予約出来ました。

考えてみると、JALの国際線に乗るのは初めて。
今までは直行便だとヴァージンやBAを使っていました。

また足首が痛くなるのが心配なので湿布を一袋持参していましたが、空港の売店でも売っていました。
今後、もし忘れた!となっても空港で買い足すことは出来そうで安心。

今回乗ったJALの国際線はエアバスA350-1000
これが昨年2024年から就航が始まったばかりの最新機材らしく、めちゃくちゃ快適でした!
シートも元々リクライニング状態で、前の人がガタン!と下げてくることもないし、
座席モニターも4K仕様で機内上映の画質が他機と全然違う!

快適に過ごせたので、機内で足を痛めるということはありませんでした。

以下、自分の投稿から機内上映についての引用。

機内で「恋するプリテンダー」「リアル・ペイン〜心の旅」「ロボット・ドリームズ」を見た
久々のラブコメらしいラブコメ映画と話題になってたけど、「恋するプリテンダー」って現代版「から騒ぎ」だったのね!!
予習?に有難い!ラブコメは出会い方が大切!

「リアル・ ペイン」は亡くなった祖母のルーツを辿る旅に出るため再会した正反対の従兄弟同士の悲喜交々なロードムービー
ジェシー・アイゼンバーグが監督脚本製作主演。
「ルイス・ウェイン」を監督したウィル・シャープがガイド役で出てた!

「ロボット・ドリームズ」も噂に違わぬ良作…こういう話だったかと納得です。
優しさと悪意の同居、それが世の中ですね…。
ニューヨークに住む動物たちも時代設定が鮮やかに反映されてて楽しい。
旅に出たくもあり(今その最中だけど)、豊かな人生を送りたくもなる。

 

機内食も美味しかったです。
おつまみに亀田のあられパック、1回目の食事には味噌汁をつけてくれるのが嬉しい。

中間の軽食は牛カルビプルコギパン。これも美味しかった。

飛行経路はロシア上空を避けてアンカレッジ経由。
コロナ前は12時間くらいで行けたはずですが、今は14時間くらい掛かります。
それでも乗り継ぎ便よりはだいぶ楽…

ヒースロー空港に着いて、荷物を受け取れたのが16:30頃。
今年から始まった電子渡航認証(ETA)を申請しての入国審査が必要だったので、
自動ゲートとはいえ、通る時には少し緊張しました。

地下鉄でオイスターカードへのTop Up(チャージ)をしていると、
オイスターカードの購入の仕方を教えて欲しいと、同じ便に乗っていた日本人の女性に声をかけられました。

昔、駅の窓口でカードを購入した記憶があったので、駅員さんに訊いたところ、
普通に自販機でチャージしながらカードそのものを購入できるとのこと。
確かに画面に”Get New Cards”ってボタンが書いてあった…(恥)
初めて英国に来た時に買ったカードをそのまま使っているから、自販機で買える知識が完全に頭から漏れてた…。

無事カードを受け取られた後、女性は私と同じキングスクロス駅に向かうと言うので、
一緒にピカデリーラインに乗っていくことにしました。
なんでも大学生の娘さんがカンタベリーに短期留学中で、思い切って初めての海外旅行を決断したそうで、
キングスクロスからは宿泊せずにそのまま列車でカンタベリーに向かう予定とのこと。

ピカデリーラインに一人で乗っていると、いつもなら長くて退屈してしまうところですが、
ご一緒出来たおかげで、あっという間に時間が過ぎていきました。

キングスクロスに着いた後は若干時間の余裕があったので、
駅構内にあるハリーポッターのショップの場所を案内して、
乗車中に空腹を満たすためのサンドイッチをプレタマンジェで購入。
LINEで連絡先を交換して、改札まで見送りました。

ロンドンで日本人の方に声をかけられて途中まで旅することなんて
意外と今まで経験したことがなかったので、なんだか役に立てたことが嬉しくて
その嬉しさを胸に、私も駅でサンドイッチを買ってホテルへ向かいました。

今回のホテルは駅に隣接していて、駅舎の雰囲気をそのまま持ち込んだような佇まい。

各階にパントリーがあってお菓子や果物も置いてあり、食事の足しにありがたい!


サンドイッチとクリスプを食べながら、
BBC iPlayerで日本では見られなかった"Inside No.9"のドキュメンタリーをちょっと視聴。
スティーヴ・ペンバートンが取り出したマーク・ゲイティスとの学生時代の写真が若い!

そして日本で最終回を迎えていた「ドラゴンボールDAIMA」を
海外のリアクション動画を通して内容確認したり。

帰国するまで我慢出来なくて、リアクション動画で #ドラゴンボールDAIMA の最終回見ちゃった。
戦いの結末もシリーズ自体のオチも予想外だけど鳥山明らしい展開で楽しかったし、
これが原作者が最後に関わった作品だと思うと改めて寂しい…🕊️

伊倉さんが演じてる売店のおばちゃんが好きでまた出てきてくれないかなーと思ってたから、あーいう結末で嬉しかった😁

そしていつの間にか寝落ちていたのでした。

続く…

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2025年、英国の旅・目次

2025-03-08 | 英国の旅【目次】

 

大好きなテレビ番組の舞台化"Inside No.9 Stage/Fright"の上演が決定し、
泊まってみたいホテルの予約が出来たために、2年ぶりの渡英を決めました。

前回よりも少し長めに6泊のロンドン旅行。
冬だし体調も都合もあり遠出は出来ませんでしたが、
ロンドンに滞在する楽しさを思い出した貴重な時間になりました。
これから順次更新します。

2月28日(金) 渡英
3月1日(土) Speedy'sで朝食ロンドン運河博物館、Hoxton Street Monster Supplies
3月2日(日) 英国郵便博物館、ロンドン交通博物館でお土産探し
3月3日(月) ホテルでアフタヌーン・ティー、舞台"Inside No.9 Stage/Fright"
3月4日(火) ナショナル・ポートレート・ギャラリー、舞台"Much Ado About Nothing"
3月5日(水) レスタースクエア〜コヴェント・ガーデンで買い物
3月6日(木)→3月7日(金) 帰国

 

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クリスマスにぴったりのスパイスリラー『ブラック・ダヴ』

2024-12-15 | TV/その他

12月5日よりNetflixで配信が開始していたものの、連勤中だったため、
週末になったらゆっくり見ようと楽しみにしていた

キーラ・ナイトレイベン・ウィショー出演のドラマブラック・ダヴ
一日で全6話完走しました。英国ドラマは話数が少なくて嬉しいね。

国防長官ウォレス・ウェッブ(アンドリュー・バカン)の妻だが実はブラック・ダヴという組織のスパイであるヘレン(キーラ・ナイトレイ)。
クリスマスパーティー中に彼女の心の拠り所だった不倫相手のジェイソン(アンドリュー・コウジ)が殺されたことを
彼女の指示役であるリード(サラ・ランカシャー)が知らせに来る。
ジェイソンは連絡を取り合っていた2人の知り合いと同時に殺されたため、
リードはヘレンがブラック・ダヴであることや彼女が夫の情報を組織に提供していたことが外部に漏れることをおそれ、
ローマにいる殺し屋のサム(ベン・ウィショー)を呼び寄せ、彼女の身を守り、ジェイソン殺害の真相を探るよう命じる。

見る前にあらすじも全く入れずに見始めたので、
敵対するスパイ同士なのかと思ってたキーラ・ナイトレイとベン・ウィショーが
仲良しコンビなことに驚いたし、血飛沫が飛ぶようなシーンでもニコニコしてしまいました。

ジェイソン殺しと同時進行で中国大使が亡くなった事件が起こっていて、
この2つがどう結びついていくのか?と言うのが視聴者を惹きつけさせる軸になっていく。

ヘレンとウォレス、そしてヘレンとジェイソンがどうやって出会ったのか、
何故サムが7年もロンドンを離れていたのか、何故サムはヘレンに借りがあるのか、
初めはわからない経緯がだんだんと明かされていくので、もう一周見直しても楽しめそう。

とにかくヘレンがよく出来た妻であるのと同時に有能なスパイなので
ハラハラはさせられても安心して見られる
欲を言うと、そこがギリギリの緊張感がないっていうこのドラマの欠点でもあるかも。

ベン・ウィショー演じるサムは心優しき殺し屋で、初対面のヘレンにも挨拶を忘れない律儀な子(笑)。
匿っている中国大使の娘に差し入れとしてチョコレートケーキとシャンパンを買ってくるような生活感のなさもあったり。
恋人への断ち切れない思いや仕事の失敗を引きずってるような、弱い部分が隠し切れてなくてとても魅力的。
サムと手を結ぶ若手女殺し屋コンビ、ウィリアムズとエレノアも
この二人だけでスピンオフ作れそうなくらいキャラが立ってて楽しい。

そして、ヘレンのボスであるリードが「ハッピー・バレー」のサラ・ランカシャーだったり、
サムを殺し屋としての雇い主レニーが「哀れなるものたち」に出演してた記憶も新しいキャサリン・ハンターだったり、
脇を固めるベテラン女優勢も存在感あって見応えがある。
このドラマ、政治家以外裏社会のボスはみんな女性なのがかっこいい。最高!

あとは、ロンドンのクリスマスの雰囲気がたっぷり楽しめるのも魅力。
冬のロンドンは凍れるけど、見てると恋しくなっちゃうなぁ。
このパーティーはサマセットハウスだなーとか、この楽器屋はフォイルズの向かいにある…とか、
サムの元彼の家はショーディッチだなーとか、自分もそこにいるかのような気持ちになってしまう。

ロンドンが舞台のスパイもので、ベン・ウィショーが殺人事件の真相を探るというと、
ついついロンドン・スパイのことも思い出しちゃいます。
BBC TWOで放送した後はNetflixで配信してたし… 再配信してくれればいいのにね。
「ロンドン・スパイ」はベン・ウィショー演じるダニーがかなり孤独に追い込まれて可哀想だったので、
今回、仲間やボスが多くて何だかホッとします。

そんなわけで、後で追記するかもしれませんが、第2シリーズ配信も決まっているようだし(やった!)
12月のクリスマスシーズンにぴったりのドラマなので、
まだ見ていない英国ドラマ好きは12月中に必ず見るように!!

Keira Knightley Comes to TV as a Covert Spy in Christmas Thriller Black Doves

Keira Knightley Comes to TV as a Covert Spy in Christmas Thriller Black Doves

Watch the series now.

Netflix Tudum

 

 

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ナショナル・シアター・ライヴ「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」

2024-07-15 | TV/マーク・ゲイティス

7月5日(金)からナショナル・シアター・ライブの作品として、
映画館上映が始まった舞台「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」(以下、TMaTC)
初日やトークイベントを含め、合計3回映画館で鑑賞しました。

2023年6月に現地ナショナル・シアター(以下NT)で観劇した時の記事はこちら↓(NTで観たのは2回。)

 

ナショナル・シアターで舞台「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」を観る - だから、ここに来た!

■2023年6月7日■続きついにこの度の最大の目的であった、サム・メンデス演出の舞台"TheMotiveandtheCue"を見に行くために、サウスバンクにあるナショナル・...

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ちなみに観劇後、ジョン・ギールグッド卿を演じた私の大好きなマーク・ゲイティスは、
この役でオリヴィエ賞演劇主演男優賞を受賞しました。

Mark Gatiss wins Best Actor for The Motive And The Cue | Olivier Awards 2024 with Mastercard

喜びで震える手で投稿する当時の私↓

実はNTで見た時には、戯曲も劇評もたくさん読んでいたし、セリフの内容は頭で理解出来ていたけれど、
旅の疲れもあって感情は完全についていっていたわけではなかったので、
それぞれの演技を素晴らしいと思っていても、そこまで感動出来る芝居だったのだろうか?と思うところがありました。
演劇賛歌としてのTMaTCは、理解しきれていなかったかもしれません。

ところが、今回映画館で見たところ、特に第2幕以降、涙が止まらなくなってしまいました。

NTLive『ザ・モーティヴ&ザ・キュー』予告編

特に胸打たれたのは終盤。

演出家のジョン・ギールグッドが主演のリチャード・バートンに、
よりよい報酬がもらえる映画にも出ることが出来るのに、何故舞台に立つのか?と問う場面。
バートンはいくつか答えるけれど、ギールグッドは「違う」と否定します。
「まるで答えを知っているみたいな物言いだ。教えてくれ、答えを…」とバートンが言うと、
「芸術が好きだからだ」と答えるギールグッド。
他の芸術にはない、観客との美しい劇空間を欲しているのだと。

このセリフに私はボロ泣きしてしまいました。
と言うのも、先月2本の舞台を見ていたことが大きく影響しています。

 

ラッパ屋 第49回公演 「七人の墓友」/ナイロン100℃ 49th SESSION「江戸時代の思い出」 - だから、ここに来た!

日本の演劇は随分ご無沙汰になっていましたが、気になっていた芝居を6月中に2本見ることが出来ました。1本目はラッパ屋第49回公演「七人の墓友」。ラッパ屋を劇場に見に...

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TMaTCを現地で観に行った時も、他にストレートプレイやミュージカルを見ていたので、
現地で演劇の空気にも触れ続けていましたが、つい先月、日本で続けて舞台を見ていたことで、
10代〜20代の頃の演劇を好きになり始めた頃の興奮を思い出していました。

日本の舞台で久しぶりに観客や客席を巻き込んでの演出を体験したり、
笑いが起こって客席全体が温かい雰囲気になったり、
劇団と観客との親密な関係が感じられるような空間にいたことで、
劇場の中で観客も一体になっているという感覚を味わったばかりでした。

シェイクスピアのような古典劇ではありませんが、演劇でないと味わえない体験がそこにはあるのだと、
はっきりと思い出したタイミングでもあったのです。

何故そこに行くのか。それは、そこでしか味わえない体験があるから。
演者にとっても観客にとってもそれは同じなのです。

さらに、コロナを経ての上演であることも大きな意味があるでしょう。

二幕の冒頭でノエル・カワード‘Why must the show go on’が流れますが、
NTで見た時にはサビに入ったところで笑いが起こっていました。
この曲は、まさにこの舞台のテーマと言っても過言ではないと思います。

なぜ芝居を続けるのか… 必要不可欠なものでもないのに…

劇中のバートンやギールグッドだけでなくロックダウン中に演劇関係者が皆が考えていたであろうこの問い
この舞台の演出家であるサム・メンデスもこの問いをコロナ禍で抱えながら
演劇界の状況を受けてこの作品を作るに至っています。
そして観客としての私も、当時客席が埋まっていない公演を見たりした後に、
最近の活気が戻った日本の舞台を見て良かったなぁと思ったばかりだったので、
ギールグッドの与える答えにグッときてしまうのであります。

そしてそれを乗り越えて、カンパニーが一つの芝居を作り出すと言う、
その仲間意識も困難な時期を経て貴重なものとして感じとることが出来たためかもしれません。
(TMaTCでも、例えばこの作品の原案となった本を書いたレッドフィールドや、オフィーリア役の子が
 初めはバートンとテイラーのホテルの部屋に入るのも緊張していたのに、
 最後のパーティでは皆と打ち解けた様子なのがリハーサルの時間の流れを感じさせました。)

それぞれの登場人物の演技や舞台にかける思いを感じられたのも感動出来たポイントの一つ。
ギールグッドと対立して怒りに任せて演技するバートンに
「怒りに駆られて木に牛を掘っても美しくなり得るか?」 と言う問いを掲げるレッドフィールド。
映画で力を発揮出来ていないマーロン・ブランドの出演作品を同業者として冷静に記憶し観察しているエリザベス・テイラー
劇中に登場する役者たちはそれぞれに俳優としての矜持を持っていることがわかります。
(バートンに「やめてもいいのよ。訴えられても映画に何本か出れば賠償金払える」とか、
 過去の名優である演出家として皆に讃えられながらも役者としての出番を失っていたギールグッドに
 「また返り咲ける!」と言って元気づけることが出来るのは、エリザベス・テイラーだからこそだよな。)

そして、エネルギッシュで対抗心むき出しなバートンを恐れながらも、
舞台役者としての勇気を奮い立たせて対峙するギールグッド。

バートンがハムレット向きの役者ではないと思いながらも
「久しぶりに条件のいい仕事だったから」と演出を引き受けたギールグッドは、
自分のセクシャリティまで揶揄されながらも、最後の最後までバートンに付き合い、舞台へと送り出す。
バートンがオールドヴィックでギールグッドが演じたシェイクスピアの役の数々を挙げていくところで、
本当に彼が自分を尊敬しているのか疑わしく思っていたギールグッドの感極まった表情は、
劇場で見た時よりも表情がはっきりと見てとれて、こちらまで胸を動かされます。

NTで見た時には、バートンのギールグッドの対立の印象が強く残っていて、
気まずさの方が記憶に残りやすかったけれど、改めて日本語字幕付きで見ることで、
双方がよりよい芝居にしようと思うあまりの対立であることがより鮮明に伝わってきました。
テイラーの助言もあり、父親に対するコンプレックスと不満感という落としどころを見つけるところで、
二人は一定の合意を得るに至る過程は感動的です。

 

感動ポイント以外で、TMaTCの日本語上映で少し気になったのは、
ギールグッドのセクシャリティ描写が直接の言及以外にちゃんと伝わってるのかってところ。
例えば酔っ払ったバートンがギールグッドを揶揄してわざとナヨナヨした手振りをしてるところは、
あまり日本語字幕にそのニュアンスが乗っていなかったと思います。
センシティブなので表現が難しいのかもしれませんが、
あそこでバートンが取り返しのつかない侮辱をしたことで緊張が最高潮になるので、そこははっきりと表現してもらいたかったです。

そして、ホテルに男娼を呼び込んだギールグッドが傘を落として警官に呼び止められた際に「妖精」呼ばわりされた件。
「妖精」はゲイの隠語ですが、そのまま訳してしまうとちょっとわかりにくくなかったかなと心配。
(ゲイが集まる誕生日会の騒動を描いた舞台"The Boys in the Band"にも出てきました。)

 

ところで、今回上映を観た後に同性愛者としてのギールグッドの記事をずっと読んでいましたら、
どうやら、劇中のパーティーの場面でギールグッドが話題を振った
「最近猥褻な電話かけた人ー?」って台詞は実際に本人が言っていたらしい。
しかもジュディ・デンチにも「卑猥な電話かかってきた?」と訊いてたとか(笑)。
サー・ジョンは、実は下ネタ大好きだったみたいですね。
「ベッドに入る前にはいちゃつきがつきものだからな」とか
「私は緊張しないために自慰する」とか性的なジョークが織り交ぜられていたのは、
こういった証言を元に反映させてるのかもしれません。

 

映画館で見直して、現地の劇場の空気感も思い出したりしました。
テイラーとギールグッドの洒落た会話の朝食シーンで爆発的に起こる笑いや、
ギールグッドがバートンに「君のハムレットは馬鹿げている!」と本音を言うシーンで観客の息を呑む音。
ギールグッドの”Speak the speech”の独白を見守る時の静けさ。

Day 11でバートンがスクリーンの前でタバコを吸いますが、
ジョニー・フリンは毎回煙で綺麗な輪っかを作ってたのも思い出します。
映像だと引きなのでわかりにくいのが残念。

バートンが台詞を叫ぶように言うため、ギールグッドが”You shout wonderfully.”とオブラートに包みきれずに言う場面や、
バートン演じるハムレットがポローニアスを殺してしまうシーンで”MOTHER! MOTHER! MOTHER!”と呼び、
ガートルードが「あの子が来るのが聞こえます」と言う場面も、
デカい声で呼んでるのに「聞こえます」もないだろう!と笑いが起こってたっけ。
そんな空気感も、やはり劇場でしか感じられない体験ですね。

 

7月15日にTOHOシネマズ日本橋で行われたナショナル・シアター・ライヴのトークイベントでは、
翻訳家の松岡和子さんと柏木しょうこさんが登壇されました。

松岡先生はリチャード3世の演出をしていた若かりしサム・メンデスにインタビューをしたことがあり、
円陣に椅子を並べて読み合わせすることが効果的だったと話していたそうで、
リハ画像を見て今でもそのやり方が変わっていないことに感動されていました!

お二人ともバートン版のハムレットが大好きで、
定番と思われているオリヴィエの映画版ハムレットは
「生きるべきか死ぬべきか」の場面といい、ツッコミどころ満載だと(笑)。

それに、NYの前衛集団ウースター・グループが、
バートン版ハムレットの映像を流しながらその前で全く同じように演ずるパフォーマンスをやっていたという興味深い話題も。

 

Edinburgh festival:Wooster Group take on Shakespeare with Hamlet remix

The influential New York ensemble tell Hermione Hoby what prompted them finally to tackle the bard – and why Richard Burton was an inspiration

the Guardian

 

今回の舞台にも取り上げられたり、いつの時代も注目されるバートン版は、
数々演じられてきた20万人の中の伝説的なハムレットの一人なんですね!

 

トークイベントで今回の舞台の役者の話題は出てきませんでしたが、
マーク・ゲイティスに関することなら私におまかせを!!
公演の発表以降、リハーサル&本編&舞台裏写真、予告編、インタビュー、劇評、オリヴィエ賞授賞式の様子を、
以下にまとめていますので確認されたし!↓

 

舞台"The Motive and the Cue"「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」まとめ

2023年に英国ナショナル・シアター等で上演され、日本のナショナル・シアター・ライブでも2024年7月より映画館上映されるサム・メンデス演出、マーク・ゲイティス出演の舞台...

Togetter [トゥギャッター]

 

自分の一番好きな俳優が出ているから見る、と言う使命感などすっかり忘れて、
この作品を見るたびに物語自体の世界に没頭してしまいますが、
カーテンコールになると、こんなに素晴らしい作品にマークが出演していること、
何よりこの作品を感動的なものにしている一人がまさに彼であることにさらに涙してしまいます。
何度見ても心動かされる作品です。

 

余談↓

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ラッパ屋 第49回公演 「七人の墓友」/ナイロン100℃ 49th SESSION「江戸時代の思い出」

2024-07-14 | stage

日本の演劇は随分ご無沙汰になっていましたが、
気になっていた芝居を6月中に2本見ることが出来ました。

1本目はラッパ屋 第49回公演 「七人の墓友」
ラッパ屋を劇場に見に行くのは、第47回公演の「君に贈るゲーム」ぶり。
前回はまだコロナの影響が残っていたため、客席もいつもより空席が目立っていて、
ボードゲームを楽しむ登場人物たちもマスクをしていました。

今回は劇団の取り置きシステムを利用して前日にチケットを確保しましたが、
今回は平日でも席がかなり埋まっていて、観客が着実戻っているのを実感。

家族恒例のバーベキューパーティーに
食品会社に勤める長男、アラフォーで独身の長女、芸術家としてNYに住む次男が集まる。
次男はNYから恋人を連れてきて自分がゲイであることをカミングアウトし、
長男は職場の上司でもある一人暮らしの義父と同居することを告げると、
次々と納得いかない告白をされた頑固者の父は憤慨。
さらには、長年本音を押し込んでいた母が
「お父さんと同じお墓に入りたくない」と言い出す。
実は母は朗読サークルの仲間たちと一緒のお墓に入りたいと考えていた。
朗読サークルのメンバーは元水商売や大学の教授、熟年離婚した女性など様々。
母は父方の墓が岡山にあるが、遠いし「隣に八つ墓村のモデルになった村がある」から入りたくないと、
パーティーの前から長女に打ち明けていた。
父の理解を得られないまま、朗読サークルのメンバーは、
次男の恋人の従兄が住職を務めるお寺の桜の幹の下に骨を埋める樹木葬を見学することになる。

老後が心配になってきたお年頃の私にとっても気になるお墓が主題とあって、
これは勉強のためにも見ておかねば!と思った次第。

今作は主宰の鈴木聡さんが俳優座のために書き下ろした作品で、
当て書きをするラッパ屋では珍しく「当て書きしていない台本」を使っての公演だそうです。
それなのに、まるで演じる役者を想定して書いているように、
キャラクターと配役がぴったりあっていました。
俵木藤汰さん演じる鉄鋼業界にいた頑固おやじや、
対照的に能天気な雰囲気のおかやまはじめさん演じる友人、
弘中麻紀 さんは年齢よりも年上の、のんびりしていそうなのに芯が強そうなお母さん。

常連の客演陣、松村さんや谷川さんは、今回朗読サークルのメンバー役。
松村さんは女性役でビックリ!でも全然違和感なし!

劇団メンバーそれぞれの個性が際立っていて、それぞれのキャラクターが立っていて覚えやすい。
それが40年も劇団が続く秘訣のひとつなのかなと思ったりしました。

果たしてお母さんは友達と共同墓地に入ることになるのか?
お父さんは許してくれるのか?が最後までの注目ポイントになるわけですが、
最後のシーンが説明は最小限にとどめられているけれど、
その後の未来がわかるような幕引きになっていて、なるほど!と納得。
個人の意思を尊重することも、家族でお墓に入ることもどちらも肯定するような終わり方に、ホッとさせられました。

ただ、上演時間が長いわりに、ちょっと内容がのんびりしているようにも感じられたので、
もう少し端折れたところがあった気もする。
「筋書ナシコ」のように、繰り返し見たい!とまでは至らないまでも、
見たことを忘れられないような温かい1本でした。

2本目はナイロン100℃ 49th SESSION「江戸時代の思い出」。ナイロンこそ数年ぶりの観劇。
私は仕事の都合上、先行予約でチケットを取ることが難しいので、
当日券をチャレンジすることが多く、それでも大抵は立ち見でも入場できるのですが、
ナイロンは以前、当日券に並んでも入れなかったことがあり、
その失敗経験の印象が残っていて、確実に確保できる日程でないと無理だろうなと、
足が若干遠のいていました。

しかし、今は日にちによって直前に予約出来る当日引換券が出ているではありませんか!
席の場所は期待できないかもしれないけれど、見られるという確約が得られるだけで万々歳!
仕事終わりに見に行ける平日に席を確保しました。

 

ナイロン100℃が紡ぐ“笑いのための笑い”、30周年記念公演「江戸時代の思い出」開幕(舞台写真 / コメントあり)

「ナイロン100℃結成30周年記念公演 第2弾 ナイロン100℃ 49th SESSION『江戸時代の思い出』」が、6月22日に東京・本多劇場で開幕した。

ステージナタリー

 

「江戸時代の思い出」は主宰のKERAさんがX(Twitter)でタイトルだけは決まっていると投稿していたので、
そこからどのように話が作られていくのか興味津々。
かなりくだらない内容だろうなと想像はしていましたが、
想像通り出鱈目で、なんの教訓も得られない、ただただ脱力するような笑いが続いていくナンセンスコメディでした。

茶屋の前で通りがかった侍、人良(大倉孝二)に声をかける町民の武士之介(三宅弘城)。
彼は自分の思い出を通りがかりの者に話して聞かせているらしい。
人良は断るが、しぶとい武士之介はこれから起こる未来の出来事を「思い出」として話して聞かせるという。
興味を持った人良に、現代の、30年前に地面に埋めたタイムカプセルを掘り起こすために集まった
小学校の同級生たちの再会を話して聞かせる武士之介だったが…

今回の舞台は珍しく全4話オムニバス形式になっていて、
第一話がタイムカプセルを掘り起こそうとする小学校の同級生の話、
第二話が飢饉の中の茶屋を舞台にした話
第三話が顔が尻の形をした侍の話、そしてエピローグと言った具合。

KERAさんもパンフレットで話していたように、
特にオムニバスである意味はなさそうな内容ではあるけれど、
このエピソードの合間に、客席の一人にスポットライトが当たって、
「なんなんだこの話は…」とスポットライトが当たった人の心の声のようなモノローグが勝手に流れる演出が入る。
3人目はただ、いびきの音が流れたり(笑)。
4人目に上手最前列にスポットがあたり(これは役者)、
「こんなつまらない芝居、我慢できない!」と連れの女性を連れて劇場を出て行こうとする。
「イギリスではつまらなければ観客は途中で出ていく。野田秀樹が言っていた」と言いながら。
そこに、「本多劇場の者」を名乗る落ち武者が登場して、
「この国では途中退場は許されません!」と道をさえぎる。
…とこんなバカバカしい繋ぎが入るのが面白い。

かと思えば、武士之介と人良が江戸時代なのにゴザひいて(将棋ではなく)チェスをやり始めてて、
それに誰もツッコむ様子もなく、お尋ね者の「顔が尻の形」のケツ侍(!)が現れたものだから
2人は驚いてチェス盤をひっくり返してしまい、
驚かせたケツ侍がどちらも勝っている状態に駒を置き直してあげて二人が
「なんて優しいやつなんだ!」と感動するくだりがあったりもする。
尻の顔を持つ侍も訳がわからないし、そもそも何故チェスなのかもわからないし、
どちらも勝っている状態ってのはありえないし、とにかく全てが出鱈目

そんな感じで、とにかくオチもなく意味もない緩やかな笑いが連綿と続き、文字通り脱力させられてしまう。
爆笑というよりはずっとクスクスさせられる感じ。

そして、終演後に劇場を出た時、びっくりするほど体が軽い。なんで!?
下手なマッサージよりもよほど体がほぐれる!びっくり!
芝居を見終わってこんな感覚を味わったのは初めて。

ナンセンスは、一見適当に作ればいいように思えるけれど、実はとても高度なコメディ。
「江戸時代の思い出」も、適当な要素を並べ立てているように見えるけれど、
同じことは3回以上は繰り返さない等、体が心地よく感じる笑いのセオリーに則って書かれているのがわかります。
職人によって醸造された良質な日本酒のように
水のように飲みやすく見えても、中身は高度な技術によって構築された度数高めの喜劇
こんなナンセンス喜劇は長年作り続けてきた職人でないと作り出せない味だなと、
馬鹿馬鹿しくも上質な時間を過ごせて満足致しました。

偶然にも、ラッパ屋もナイロンも今回が第49回公演。
そしてラッパ屋は40周年、ナイロンは30周年を迎えました。

ラッパ屋のパンフレットを読んでいると、外部でも活躍している劇団員の皆さんが
それぞれ劇団をホーム=戻る場所だと感じているのが分かって、なんだかとても羨ましい気持ちになるし、
一方ナイロンは最近劇団員の訃報が続いている中で、今でも高度なコメディを手練れな役者の皆さんが上演し続けていて、
長く上演しづつける大変さやその尊さを観客としてヒシヒシと感じます。
それと同時に、近年ロンドンの舞台のことばかり考えていた私ですが、
日本の演劇を好きになり始めた10代後半から20代の頃のワクワクする興奮も思い出して、
ああ、やっぱり演劇っていいな…としみじみ感じた次第です。

 

 

 

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【涙の?最終回】「9から始まる奇妙な物語」最終話『Plodding On』【ネタバレ注意】

2024-06-16 | TV/9から始まる奇妙な物語

 

2024年6月12日に最終回を迎えた「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)
各シリーズのエピソードリストを作成中ですが、
この最終回については独立した記事を作ることにしました。
というのもこのエピソード、これまでの出演者が再登場したり、過去のエピソードの引用が満載なのです!
ストーリーの感想を交えつつ、どこからの引用なのか触れながら振り返りたいと思います。

ちなみに、タイトルの『Plodding On』は”Love's Great Adventure”(S5E3)の仮タイトル。
本編でもセリフとして登場していました。

【かくれんぼ、再び】

IN9全シリーズの打ち上げパーティで貸切中のクラブ「#9」。
男女共有トイレの個室でコカインを吸い始めた
キャサリン・パーキンソンティム・キー

キャサリン・ケリーが出演した"Ctrl Alt Esc"(S9E4)の撮影中にスティーヴ・ペンバートンが病院に運ばれたという噂や、
英国の俳優は誰もが興味津々な、Amazonが進行中のダンテの「神曲」を元にした新作ドラマについて話す。

●感想/引用元●

キャサリン・パーキンソンティム・キー、そして最後に入ってくるアン・リード"Sardines"(S1E1)の出演者。
キャサリンがトイレで鏡を見たり石鹸の匂いを気にする仕草や、
ティムと狭い個室で異様な近距離で押し込められるのは"Sardines"と全く同じ。
液体石鹸をポンプごともぎ取って持ち帰ろうとするキャサリン、大胆すぎる(笑)。

ヤクの吸引のために取り出したボディショップの割引券は"Tom & Gerri"(S1E2)にも登場。
途中で"Paraskevidekatriaphobia"(S8E3)に出演していたアマンダ・アビントンがトイレに入ってくるけれど、
ティムがアマンダのことをキャサリンだと勘違いして「私がキャサリンなんだけど…」と突っ込まれるのが気まずい(笑)。
でもこれも"Sardines"の引用。

Amazonの新作ドラマを説明するキャサリンが「ダンジョンズ&ドラゴンズみたいな」と説明するところは
"Simon Says"(S6E2)のエージェントのセリフからの引用。
トイレの個室のドアに貼られている「9」の文字も、全て過去のエピソードのオープニングで使われた「9」がそのまま使われています。

 

【幻のエピソードの復活?】

スティーヴを探しにきたリース・シェアスミスはトイレでロビン・アスクイズに遭遇。
リースはIN9が終わった後はスティーヴとBBCのクライムコメディドラマ『Plodding On』を手がけることをロビンに明かす。
一方、ロビンはリースにフェイクとして発表されていた幻のエピソード"Hold on tight"をドラマ化しようと持ちかけ、
企画メモ持参で下ネタ満載なアイディアを提案。

●感想/引用元●

"Hold on tight"は視聴者が待ち焦がれていた? バスを舞台にしたS8エピソードの一つとして
ロビン・アスクイズがゲスト出演すると発表されていましたが、
実はこれがフェイク情報で、実際に放送されたのは全く違う、クイズ番組を舞台にした"3 by 3"(S8E5)だったのです。
リースは長年「9番のバスを舞台にしてと言われるけど、そんなの作れるかよ!」と言い続けていたので、
ついにバスエピソードが!とみんなの期待が大きかったこともあり、すっかり騙されたのでした。

ロビンのアイディアはほとんど下ネタばかりで
「クレバーな部分は2人でやってくれ。死んでるとか幽霊とか…いつもやってる手だろ」と人任せ。
リースは「("実は死んでる"ネタは)3回しかやってない」と答えますが、
この3つは"Tom & Gerri"(S1E3)"The 12 Days of Christine"(S2E2)"Bernie Clifton's Dressing Room"(S4E2)でしょうか。

【スティーヴの野望】

スティーヴは電子タバコを吸いながらトイレの洗面鏡に向かって役作り。
実は"Ctrl Alt Esc"(S9E4)の撮影中に倒れたのは、ダンテの「神曲」のショーランナーと会うために使った仮病で、
役を得ただけでなく、LAとカナダで7年間にわたる撮影に参加することになったとロージー・カヴァリエロに明かす。

●感想/引用元●

ロージー"The Understudy"(S1E5)でスティーヴ演じる舞台俳優トニーの着付け係に扮していたため、
ここでもスティーヴの忠実な着付け係に徹しています。
ロージーがバーから持ってくるカクテルは、"Diddle Diddle Daiquiri""Bloody Merrily Merrily"
"Riddle of the Aprerol Spritz"といった過去作をもじった名前ばかり。
こんなカクテル出すお店を作って欲しい!
ちなみにこの後に出てくるバーカウンターにあるメニューには
"Mothers Ruin Martini""Whisky Sourdekatriaphobia""Last Night of the Pimms"といったものもあったみたい

靴箱の中に💩が入っているのは”La Couchette”(S2E1)の引用で、
スティーヴは「(出演者だった)ジャック・ホワイトホールへのプレゼントだ」と説明しています。
(テーブルの下にあるスティーブの靴は"Diddle Diddle Dumpling"(S3E5)の引用だという説を見ましたが、
 そのカットが今のところ見当たらず…)

スティーヴがロージーに「電話番号知ってる?メイド役にぴったりだと思う」と聞くモニカ・ドラン"Once Removed"(S4E3)の出演者。
ロージーがメイドの役のためにビデオを送ったって言ってるのに、彼女に電話番号を聞くなんて残酷〜。
そして冒頭に出てきたアン・リードがタクシーに乗せられてるとサラッと言及されてるのが面白い。

 

【コンビ解散の危機】

ニック・モハメッドはポッドキャスト"Mountain to Mohammed"第279話をトイレで収録中。
インタビューされるスティーヴはAmazonのドラマに出演することを明かすが、偶然個室に入っていたリースに聞かれてしまい、
動脈瘤の疑いで倒れたのはオーディションのための仮病であったことがバレてしまう。

●感想/引用元●

つい最近までチャンネル4のゲーム番組"Taskmaster"でスティーヴが仲良く共演してたニックの登場!
ニックは出演したエピソード"Simon Says"(S6E2)のようにポッドキャストを録音しています。
全部自分の話にすり替えがちなニック(笑)。
合間で唐突にCMを入れるのはポッドキャストあるあるですね(笑)。タイミングが絶妙。
そのCMの中に"Wills Unlimited"と出てきますが、これは"Dead Line"(ハロウィーンSP)のラジオで流れる保険会社名と同じ。
スティーヴがパーティーについて表現した'I feel like my life is flashing before my eyes'は、
"The 12 Days of Christine"(S2E2)のクリスティーンのセリフを彷彿とさせます。

個室から出てきたリースにニックが「大きい方小さい方、どっち?」と聞く身振りは”A Quiet Night In”(S1E2)からの引用。
ニックがスティーヴのオーディションの日にちを正確に覚えているのは、
最近見たばかりのニックの「トランプの全部の絵柄を順番に記憶するテクニック」の動画を思い出しました。
そしてニックが去り際に残した「BAFTAで頭を殴らないようにね」は、やはり"Simon Says"(S6E2)で凶器に使われたNTAのトロフィーの引用。
リースがスティーヴを詰る’You lying f*cking monster!’は"The Bill"(S3E2)からの引用。

一触即発となるリースとスティーヴですが、
スティーヴへの想いを話すリースの様子はお笑いコンビの再会を描いた
"Bernie Clifton's Dressing Room"(S4E2)を思い出させます。
「ちっぽけな仕事部屋でコーヒー2つ持ってくるとお前が死んだふりをしてて一緒に笑う」というのは、
実際に2人が仕事前にやっているお約束の儀式。

仮病を使われていただけでなく、7年もの間、離れて撮影することを知らされていなかったリースは
"Bernie Clifton's..."で演じていたトーマスとはまた少し違った、
愛情と憤りと戸惑いの入り混じった感情を込めてスティーヴに訴えます。

「お前は親友なんだ」
「今度は"Merrily Merrily"の引用か?」
「違う、俺は本気だ!倒れた時は本当に怖かったよ。倒れたふり、だったか。
 お前が死ぬんだと、失ってしまうんだと思った。
 そしてまた失おうとしてる。本当の友達はほとんどいないのに!」
「リース。長いこと一緒に仕事をしてきた。もう僕らが友達なのかわからないよ」

(スティーヴは実際2015年に倒れて病院に運ばれたことがあったので、リースが本気で心配するのも無理はないのです…)
そして気まずい雰囲気の中、"Bernie Clifton's..."と同じようにシアン・ギブソンが2人を呼びにきます。

 

【'Time To Say Goodbye'?】

フロアでは全シリーズのエピソードから編集したフィルムが上映されている中、
リースはエミリー・ハウレットと手話で会話を交わし、
スティーヴはバーでジェイソン・ワトキンスから「神曲」への出演を祝われる。
離れたところからリースの様子を気にするスティーヴだったが、
ロビン・アスクイズに引き留められ、話すタイミングを失ってしまう。

●感想/引用元●

クラブの壁には"Misdirection"(S5E4)"Mr. King"(S7E2)等の過去のポスターが飾られています。
テーブルには"Nana’s party”(S2E5)のケーキが。
前述のカクテルと同様に、フードメニューの中にもシリーズにちなんだもので、
"Zanzibar"(S4E1)で催眠術師がかける魔法の言葉「スパゲッティボロネーゼ」
"To Have and to Hold"(S4E4)に登場する「カップヌードル」
"Lip Service"(S6E3)のホテルに置いてある「ロータスビスケット」
"How Do You Plead"(S6E5)の会話の中に登場する「みかん」
"Kid/Nap"(S7E4)の合言葉の一つ「グラノラ」
"Mulberry Close"(S9E3)に出てくる犬の名前「ポップコーン」があるとか。(解読した人すごい!)
 また、バーのテーブルには"Wuthering Heist"(S6E1)のコメディア・デラルテの仮面や
"Mr King"(S7E2)のマスクも置いてあります。

ビデオに使われている曲は"The 12 Days of Christine"(S2E2)で使用された'Time To Say Goodbye'。
鑑賞しているゲストもこれまでの出演者ほとんど勢揃いで豪華! よくこれだけのメンツが一堂に会したもんだ!
そしてスクリーンには亡くなったThe Harrowing”(S1E6)ヘレン・マックロリーの姿も…(涙)

ジェイソン・ワトキンスがバーで「コーラ2本分支払った」と呟いているのは、
彼が"The Bill"(S3E2)で演じた財布の紐の堅いケビンの再現。
エミリー・ハウレットは、リースと手話で会話しながら
"Empty Orchestra”(S3E4)に登場する間違った文句と同じく’C*ntgrotalations’とお祝いの気持ちを伝えています。

そして毎エピソードに登場する野うさぎ像、最後はスクリーンの横に置いてあります。いつもより大きい!
(ちなみにパーティーゲストのクレジット中央に載っているEuropa Lepusは野うさぎ像のこと!)

 

【第三の選択】

トイレに篭るリースはテレビ電話でマーク・ゲイティスに『Plodding On』への出演を打診するが、やんわり断られてしまう。
途方に暮れているところにスティーヴが個室をノックする。
果たして2人は別れ別れになってしまうのか? それとも…

●感想/引用元●

マーク出てきたー!! しかも”The Motive and the Cue”のジョン・ギールグッドの格好で!!
それにしてもドラマの話に興味のないマークの力のない表情といったら!表面的な愛想笑いもたまらない。
そしてクライムドラマの誘いを断っておいて、現実世界では今クライムドラマ"Bookinsh"を撮影しているマーク(笑)。
通話が切れてないまま「危ないところだったわ…」と呟いているのをリースに聞かれたマークが
「マーク… 電話切れてないよ…」と言われ、画面に通話を切る指だけがオロオロと映るのが最高。
視聴者の「指だけで恥ずかしそうに見えるもんなんだ」ってツイートを見て笑ってしまった。さすがオリヴィエ賞俳優(笑)。

トイレのドアをノックするスティーヴにリースが答える'I’ve taken some tablets.'は"Cold Comfort"(S2E4)の"クロエ"のセリフで、
'My mum's ordered me biryani.'は"Once Removed”(S4E3)からの引用。
二人が'Fortunately'と'Unfortunately'を交互に使うのは“The Stakeout”(S5E6)の引用で、
スティーヴが呟く'Plodding on - Double D'は
“A Random Act of Kindness”(S7E5)に出てくる単語の中の連続した文字を見つけて言ってしまう口癖の再現。
スティーヴが歌い出す'If you're going to cry...'は(リースとスティーヴが自分の葬式にかける予定の)
"Bernie Clifton's Dressing Room"(S4E2)でチーズ&クラッカーが歌う"Tears of Laughter"。
リースが“There is a third option”と提案するセリフは、”The Trolley Problem”(S9E2)から。

結局、冒頭でキャサリンが「神曲」の話をして、ティムが興味を持ったことで
スティーヴが再オーディションする羽目になる…と言うのが、冒頭に戻っていて面白いですね。
そしてリースとスティーヴも元鞘に…

最後に出てくる「第三の選択」であるドラマのオープニングは、前述のバスエピソード"Hold on tight"そのもの!
スティーヴが玉ねぎを齧っているのはリーグ・オブ・ジェントルマンのタブスの真似で、車両番号には“3 by 3”(S8E5)の文字が!
"The Referee’s a W***er"(S5E1)のようにサッカーチームのマフラーを巻いているところにも注目!
シアンが出てくる背後には”The Trolley Problem”(S9E2)に出てくる「ソンディ・テスト」の額が。
キャサリン・パーキンソン(字幕はティムの間違えと同じ、アマンダ・アビントンになってる!)は
“Hurry Up and Wait”(S6E4)ドナ・プレストンの役と同じ牛乳でついたヒゲがあるし、
横に“Wise Owl”(S6E6)の"WASH YOUR HANDS"ポスター!
アマンダ(こっちはキャサリンの字幕になっている)がニンジンを齧っているのは、リースによると"Mr King"(S7E2)の引用。
ロビンの横のバスの広告"Visit summerland"は"Seance Time"(S2E6)のアリソンのセリフから。
ティムの持っているネズミは“The Trial of Elizabeth Gadge”(S2E3)、に出てくるネズミSnowflakeにちなんで。
ロージーの横には“Curse of the Ninth”(S9E5)エディ・マーサンが演じた作曲家の鏡像が置いてある。
ニックが持っている新聞の見出し"Lonely Hearts Killer"は“Love Is a Stranger”(S8E4)からの引用。

以下はその他のパーティー出席者(+電話出演のマーク)↓

 

…とまあ、ざーっと見かけた引用元を並べて見ましたが、
エピソード全体がまるでデジャヴのようで、懐かしいようなまさに走馬灯のような不思議な感覚でした。
苦笑しちゃう気まずさを交えながら、熱い友情でほろりとさせつつ、最後にはやっぱり笑わせてくれる。
最後の最後にこんなファンも参加した関係者も楽しめるようなエピソードを作ってしまうなんて、
やっぱりリースとスティーヴは天才!

それと同時に、今は舞台上演に向けて準備中なのはわかっているけれど、
最後まで密度の濃いエピソードが書けるのに、ここでTVシリーズが終わってしまうのが残念で仕方ない。
2人は今のテレビ界に必要な人材であることは間違いないと思うのです。

10年間、このシリーズが始まってからずーっと楽しみに見続けてきました。
私が彼らに興味を持って英国へ旅行し、英国でしか放送されていないテレビやWEの舞台を見始めた歴史と同じ時間。
その間に、2人に直接「Inside No.9の新作を楽しみにしています!」と伝えることも出来ました。
始めは誰の目にも、BAFTAの目にもとまらず、リースのようにイライラしてましたが(笑)、
だんだん英国での評価も知名度も高まり、愛されるシリーズとなって嬉しかったし、
(いまだに日本ではS2までしか配信されていませんが)
だからこそお別れを言うのが辛い。
間違いなく、これからもずっと、私の人生の中で大切なテレビシリーズの一つであり続けるでしょう。

 

 

【参考資料】

 

Every Single Inside No. 9 Episode Was an Easter Egg in the Series Finale

Here’s how all 54 previous episodes were included via a guest star, a poster, a prop, clip or a quoted line of dialogue…

Den of Geek

 

 

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【更新中】「9から始まる奇妙な物語」第9シリーズ エピソード・リスト【ネタバレ注意】

2024-06-03 | TV/9から始まる奇妙な物語
 
※この記事はシリーズ放送中のため、現在編集途中です!※
 
「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9) から最終第9シリーズのリストです。
日本語のタイトルは私が勝手につけています。
まだ投稿していないリストがありますが、鑑賞したばかりで記憶が新しいところで先に投稿しておこうと思います。
「ポイント」はネタバレを含んでいる場合があるため、未見の方は注意してください。
 
今回もおすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、
もし配信されたら実際に見て、好きな回を見つけてくださいね!
 
↓シリーズ予告編

以下、RadioTimesのインタビューより。

スティーヴ
「終えると決めたことに後悔はしていない。シリーズ数的にはInside No.9のS9っていう僕らのちょっとしたジョーク。
 S5で終えることも出来たが、僕らはその目標までは辿り着こうと決意していた」
リース
「最終回がiPlayerだけで見られるようになったら完結した気にもなるだろう。
 悲しさもあるだろうけど、自分たちで掲げた高いハードルを妥協なしに最後まで成し遂げたという大きな安堵感もある。
 今55の物語を終えて、焼き直しをせず衰えることもなかったのは偉業。僕たちは誇りに思っている」

 

第1話
"Boo to a Goose"「臆病者」(30 April 2024) 

あらすじ:
深夜の地下鉄が故障し、乗り合わせた客は車両の中で閉じ込められることを余儀なくされる。
そんな中、電灯が消えたタイミングで看護師の財布が盗まれてしまう。
ある男はホームレスを犯人と決めつけ身体調査を求めるが、他の乗客はそれに反対し…
 
オススメ度:
 
ポイント:
シリーズの最初のコンセプトだった「閉鎖空間に閉じ込められた人たち」という設定に原点回帰したエピソード。
地下鉄という英国らしい場所を舞台に、これまたお馴染みの「急な運行休止」に巻き込まれる乗客を描いている。
日本では考えられないけれど、ホームレスが紙コップを手に歩いて回るのもよく見る光景。
ドラァグクイーンに扮しているスティーヴのメイクがものすごい!一瞬誰かわからないけれど似合ってる!
最後に出てくる"See it. Say it. Sorted."(見て、言って、解決する)は、ロンドンに生活した者が1日に何回も地下鉄で耳にするフレーズ。
あまりに何度も聞くので、意味も考えなくなってしまっているけれど、
このエピソードを見た後だと、とても重い意味に思えてきてしまう。
ちなみに、スティーヴ演じるウィルマが出演している"The Purple Socks"は
前シリーズの”The Last Weekend”で言及があったゲイバーの名前。
 
 
 
 
第2話
"The Trolley Problem"「トロッコ問題」(7 May 2024) 

あらすじ:
セラピストのブレイク(スティーヴ)は雨の中、橋の上で憂鬱に佇んでいたドリュー(リース)という男を家に連れ帰る。
友好的に接しようとするブレイクだったが、ドリューの腰に拳銃が挟まれているのを見て、
手渡したマグカップで鎮静剤を飲ませようと試みる。
しかしドリューもブレイクが目を離した隙にさらに強力な鎮静剤を仕込んで…
 
オススメ度:
 
ポイント:
スティーヴ&リース、ふたりだけの芝居のぶつかり合い。
S3E3 ”The Riddle of the Sphinx”のような後味。
最後のブレイクの眼鏡に映るドリューの姿が残酷ながらも目に焼きついてしまう。
 
 
第3
"Mulberry Close"「マルベリー・クローズ」(14 May 2024) 

あらすじ:
新婚のデイモン(リース)とヴァル(ヴィネット・ロビンソン)がマルベリー・クローズに引っ越してくる。
デイモンたちの新居からの不審な音を聞いたラリー(エイドリアン・スカボロー)は
詮索好きな斜向かいに住むシーラ(ドロシー・アトキンソン)とケン(スティーヴ)を巻き込み、
ヴァルがデイモンに殺されたのではないかと彼らの新居に乗り込もうとするが…
 
オススメ度:
 
ポイント:
防犯カメラからの映像を利用したS2E4 "Cold Comfort"のように、玄関の防犯カメラから見える風景で語られるエピソード。
隠蔽された恐ろしい殺人事件なのかと思いきや、お節介なご近所さんたちによる滑稽な勘違い。
しかし、そこで単にコメディで終わらないのがこのシリーズ。
それぞれの思い込みや秘密が重なり合って、悲劇が起こる。
笑えて且つ日常的な恐ろしさも孕んでいるブラック・コメディの名作。
何テイクも撮影
「SHERLOCK」のドノヴァンことヴィネッテ・ロビンソンや
"Syphoville"のエイドリアン・スカボローがゲスト出演なのも嬉しい。
 
第4話
"Ctrl Alt Esc"「コントロール/オルト/エスケープ」(21 May 2024) 

あらすじ:
娘のミリーとエイミーを連れて脱出ゲームにやってきたジェイソン(スティーヴ)とリン(キャサリン・ケリー)の夫婦。
スタッフのダグ(リース)の説明を受け、ジェイソンは足首を鎖でベッドに繋がれたまま、
家族は陰鬱で不気味な部屋から脱出するためのヒントを探そうとする。
 
オススメ度:
 
ポイント:
リーグオブジェントルマンのメンバー、ジェレミー・ダイソンが手がけた映画「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」や、
マーク・ゲイティスが出演した映画「ファーザー」を思い出させるような、
実はジェイソンの意識の中の、逃げ場のない悪夢の物語であると分かります。
S2E2の"The 12 Days of Christine"的でもありますね。
最後のオチがこのドラマを総括するようでしんみりしちゃう。
放送後、ジェイソンのように悪夢の中もがいて覚醒する事例の投稿を見かけて興味深かったです。
 

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第5話
"The Curse of the Ninth"「第九の呪い」(5 June 2024) 

あらすじ:
舞台はエドワード朝時代。
作曲家ナサニエル・バーナム(エディ・マーサン)は作曲中の交響曲第九番が未完のまま、呪いに取り憑かれて自ら命を絶ってしまう。
数年後、資金繰りに窮した未亡人リリアン(ナタリー・ドマー)はピアノ調律師のジョナ(リース)に墓荒らしをし、作品を完成させるよう仕向ける。
 
オススメ度:
 
ポイント:
「第九の呪い」はベートーベンやドボルザークなど、交響曲第九番を完成させると死んでしまうという実際にあるジンクス。
グスタフ・マーラーが有名にしたジンクスだそうです。
リースは「カントリーハウスで普段とは違う衣装で撮影するのは格調が高くなる」と撮影を楽しんだそうです
 
 

クラシック音楽、作曲家を死に導く「第9の呪い」…命と引き換えに人生最高傑作を生む?

「交響曲第9番を作曲すると、僕は、もう死んでしまうかもしれない」そんなことを考えながら、本当に交響曲第9番を完成したのちに死んでしまったのは、1911年に生涯を...

ビジネスジャーナル/Business Journal | ビジネスの本音に迫る

 

 

第6話
"Plodding On"「足取りあわせて」(12 June 2024) 
 
あらすじ:
IN9全シリーズの打ち上げパーティで貸切中のクラブ「#9」。
スティーヴはIN9の撮影中に仮病を使ってAmazonの大作ドラマの役を獲得していた。
トイレでポッドキャスト録音中のニック・モハメッドに今後の予定を明かすと、
事情を知らないリースが個室から出てきて…
 
オススメ度:
 
詳しい内容は以下のページにまとめました!↓
 

【涙の最終回】「9から始まる奇妙な物語」最終話『Plodding On』【ネタバレ注意】 - だから、ここに来た!

2024年6月12日に最終回を迎えた「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)。各シリーズのエピソードリストを作成中ですが、この最終回については独立した記事を作ることにしまし...

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【アンドリュー・スコット特集】「ワーニャ」と「リプリー」と「異人たち」と…

2024-06-02 | movie/劇場公開作品

ここ最近、「SHERLOCK」モリアーティこと、「フリーバッグ」ホット・プリーストこと
アンドリュー・スコットの作品が立て続けにリリースされていましたが、(それも名作ばかり!
ちゃんとチェックしていたにも関わらず、あまり言及出来ていなかったのでまとめておこうと思います。
ほとんど取り急ぎのメモ。ツイッターまとめみたいな感じ。

【映画「異人たち」】

まず映画「異人たち」。これは山田太一の小説「異人たちとの夏」を英国に置き換え、
主人公もゲイの脚本家に設定変更している映画。
山田太一の小説は10代の頃に読んでいて、「異人たちとの夏」は大好きな作品でした。
その主人公をアンスコが演じるなんて!願ったり叶ったり!

東京国際映画祭で上映されると知って、
いまだに悪名高いチケット購入システムで何度もエラーを喰らいながらなんとかゲット。
(ほんとどうにかならんのか…)

ロンドンの人気のないフラットに暮らす脚本家のアダムは同じ建物に住むハリーと知り合う。
その一方で、かつて住んでいた実家だった一軒家を訪れる。
そこにはもういないはずの若い両親がアダムを待っていて…

大好きだったとは言っても、最近は読み返していなかったので、
すっかり話の内容を忘れかけておりましたが、
本編を見てだんだん思い出してきた… ああ、なんて切ない…

Frankie Goes To Hollywood "The Power Of Love"を聴くたびにこの映画のことを思い出しそう。

 

山田太一 なぜファンタジー? 小説がイギリスで映画化 | NHK | WEB特集

【NHK】イギリス映画『異人たち』。原作は日本の名脚本家、山田太一さんが37年前に書いた小説。なぜ、いま映画化なのか。魅力に迫る。

NHKニュース

 
 

私たちは、互いにとって「異人たち」なのか? アンドリュー・ヘイ監督が語る、孤独と痛み、クィアな愛 | CINRA

山田太一の小説を映画化。同性愛嫌悪の激しい80年代英国に育った自身の痛みや孤独、そして愛への希望を込めた

 

↓「異人たち」の脚本

https://deadline.com/wp-content/uploads/2023/12/All-Of-Us-Strangers-Read-The-Screenplay_Redacted.pdf

 

【Netflixドラマシリーズ「リプリー」】

「見知らぬ乗客」や「キャロル」の作者パトリシア・ハイスミス「リプリー」
アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」(1960)やマット・デイモン主演の映画(1999)で知られていますが、
この度、全8話ドラマシリーズとしてアンドリュー主演でドラマ化されました。
アンドリュー主演のドラマって初じゃない??
(1999年の映画は当時劇場で見たことがあります。一番原作に忠実みたい。)

詐欺で生計を立てているトム・リプリーは、造船業を営む富豪グリーンリーフの息子の友人と間違われ?
イタリアで放蕩するその息子ディッキーに戻ってくるよう説得を依頼する。
金のためにグリーンリーフの依頼を承諾し、イタリアに渡ったリプリーは、
ディッキーと恋人マージと接触し、友好的な態度を見せながら、ディッキーの暮らす豪邸に居座ってしまう。
しかしマージは彼の本性を疑っていて…

モリアーティで世界一のコンサルタント犯罪者を演じていたアンドリューですが、
このドラマの中では行き当たりばったりの爪の甘い詐欺や犯罪を積み重ねていて、毎回ハラハラさせられます!

しかし映像はモノクロームでリプリーが巡るベネツィアやローマなどイタリア各地の風景が息を呑むほど美しい!!

アンドリュー演じるトム・リプリーがなりすます富豪の息子ディッキーは
舞台"The Motive and the Cue"でリチャード・バートンに扮していたジョニー・フリン
リプリーを訝しみながらも疑いきれない気の毒な富豪の息子を演じてます。

以下、当時の自分の感想。

「リプリー」第一話見たよ!モノクロームのどこを切り取っても美しいNYやイタリアの風景。
そして不穏な雰囲気を漂わせつつもどこか人間臭いアンスコのトム・リプリー。
はぁはぁ言いながら階段登ったり、言葉が通じない中ピチピチ水着試着して苦笑したり、
やっぱり闇があるのに憎めないキャラが似合う。

第二話。詐欺の手口に目敏く気づいて友人に指摘するのに、一方で誰が見ても明らかに犯罪絡みの旅行を持ちかけるリプリー。
より重い詐欺の方に全く悪気を感じてないのが面白い。
ジョニー・フリンとダコタ・ファニングの世間知らずでありつつもリプリーに対し警戒し距離を取る演技が上手い。

第三話。とうとうやっちゃったな。堂々とはしているけど、手口が全然鮮やかじゃないのが本当にハラハラする。

第四〜六話。! あまりに詰めの甘い犯行ですんごいヤキモキさせられるけど、警察出てくると俄然燃えてくるラビーニ警部、渋かっこいい。
警部!凶器はその灰皿ですよ!!

もったいぶってとっておいた「リプリー」の第7, 8話見終わった!はー面白かったー。
警部意外と仕事出来なくて助かったね。それにしてもやっぱりどこを切り取っても美しいドラマシリーズだった。
リプリーと逃避行してるような気分になったし、最終話のカラヴァッジョとの対比も刺激的だったわ。

ちなみに、リプリーを疑い続けるマージを演じたダコタ・ファニングとアンドリューのインタビュー動画は、
本編とは違ってどれも和気藹々としてて微笑ましいです。
ダコタの11歳の誕生日に初めての携帯電話を買ってあげたのは「宇宙戦争」で共演したトム・クルーズだとか。
彼は最近の30歳の誕生日まで毎年ダコタに誕生日プレゼントを送っているらしく、
アンドリューの「僕はもらったことない。トムー??(僕にもちょうだい顔)」が笑えます。

Dakota Fanning & Andrew Scott Quiz Each Other on Their Careers | All About Me | Harper's BAZAAR

 

【NT Live「ワーニャ」】

そして舞台「ワーニャ」

2023年8月28日〜9月2日にリッジモンドシアター、9月15日〜10月21日にデュークオブヨーク劇場で上演された、
言わずもがなアントン・チェーホフの代表作の一つですが、
全ての登場人物をアンドリュー一人で演じるという、挑戦的なプロダクション。

↓リハーサルの様子。

映画館上映作品としてNT Liveの一つとして組み込まれ、
日本でも2024年5月24日から全国の映画館で上映が始まりました。
私はその前の5月18日の先行上映で一足早く鑑賞。
上演後の評判として「今世紀最高の演技のひとつとして記憶に残るであろう」とまで言われていて、とても楽しみにしていました。

タイトルになっているワーニャおじさんアイヴァンといった風に、
この舞台では登場人物の名前を英語名に書き換えられています。
アイヴァンと姪のソニアは亡くなったソニアの母アナの土地で農業に勤しみ、
ソニアの父である映画監督のアレクサンダーを支えています。
アレクサンダーはアナの死後に若いヘレナと結婚。
アイヴァンや医者のマイケルはヘレナに惹かれていますが、
まだウブなソニアはそのマイケルに惹かれています。

Three Days in the Countryといい、
ロシア演劇ってこういう家族&出入りする地元民の報われない一方通行の恋(そして立ち去っていく)が多いよなー。
そして土地や相続問題…
あらすじの内容だけを考えると気が滅入りそうな物語ですが、
アンドリューの演技の巧みさで、とても楽しめる舞台になっています。

一人芝居で衣装も変えずに何人も演じるというと、
次々に役が切り替わって、瞬間的に誰が誰なのか把握するのが難しいそうですが、「動き回る落語」だと思うとわかりやすい!
ヘレナが座るブランコ家政婦の吸うタバコなど、小道具の使い方で誰を演じているのかがわかる。
それに、先に見ていた方から「ラブシーンも一人で演じてた」と聞いて
どゆこと??と思いましたが、本当に一人でやってました。
扉に背中を押しつけ、荒い息遣いの中、片方の手で争うもう片方の腕を掴む…
一人で演じてるのになんだか余計にドキドキしてしまいます。

アンドリューはこの「ワーニャ」でLondon theatre Critics Circle Awardsの最優秀男優賞を受賞。
実は同年に前述の「異人たち」の演技でLondon Film Critics Circle Awardsでも主演男優賞を受賞しており、
同年に映画・演劇の両方を受賞するのは史上初の快挙なんだそうです。すごい!!

そしてオリヴィエ賞でも演劇主演男優賞にノミネートされていて最有力かと思われていましたが、
結果的にはこれも前述の"The Motive and the Cue"のマーク・ゲイティスが受賞し、
「ワーニャ」はリバイバル演劇賞の方を受賞しました。
"The Motive and the Cue"もNT Liveで今夏上映予定です

先行上映前のトークイベントで、シェイクスピアを専門とされている英文学者の河合祥一郎先生が
「アンドリュー凄い!ってなりますけど、オリヴィエ賞を取ったマーク・ゲイティスの演技がどれだけ凄いか、今後の上映で見比べられるわけですね」
と仰ってて、ゲイティスオタクとして緊張しちゃう…
実際どちらのファンの私も、色々劇評や賞レースをチェックしてて、
アンドリューが有力なんだろうな…と思ってました。
でも二人の演技は遠泳と潜水の凄さを比べるようなものでどっちも素晴らしいのです。

 

 

Vanya review – Andrew Scott’s solo tour-de-force in the West End

Simon Stephens adapts Chekhov for the West End – with Andrew Scott taking on every role

WhatsOnStage.com –

 

 

 

Vanya at the Duke of York’s: an acting masterclass from Andrew Scott

This one-man take on Chekhov is no vanity project or gimmick: it’s a distillation of his compassion and humanity that creates something new.

Evening Standard

 

 

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