2023年11月25日(日本時間26日)、英国の長寿SFドラマシリーズ「ドクター・フー」の
60周年を記念するスペシャル第一弾「ドクター・フー:スター・ビースト」の配信がディズニープラスで始まりました!
2005年の番組再始動時のショーランナーであった
ラッセル・T・デイヴィス(以下RTD)が復帰すると発表されたのが2021年のこと。
そして、彼の手がけたシリーズで10代目ドクターを演じたデヴィッド・テナントと
第4期でコンパニオン、ドナ・ノーブルを演じたキャサリン・テイトがスペシャル限定で復帰することが報じられたのが2022年5月15日のこと。
They're back! David Tennant and Catherine Tate return to Doctor Who ❤️❤️➕🔷 #DoctorWho
— Doctor Who (@bbcdoctorwho) May 15, 2022
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The Thirteenth Doctor Regenerates | Jodie Whittaker to David Tennant | Doctor Who
ディズニープラスで配信されることについてはその後に噂が出始めました。
これらのニュースは10年以上ドクター・フーを見ていた私にとってもスペシャルなものでした。
リアルタイムで追うことが出来たのはマット・スミスの11代目ドクターからでしたが、
9代目のクリストファー・エクルストンや10代目のデヴィッドのエピソードは
LaLaTVで吹替版を含めて見ることが出来、時には笑い、時には感情を揺さぶられ、涙しながら見たものです…
震災の後の鬱屈とした気分の中、「ドクターが現れてどこか遠くに連れて行ってくれたらいいのに…」と夢想したりもしてました。
もちろん宇宙に連れて行ってもらったわけではありませんが、
その憧れの気持ちが原動力になって何度も英国に行ったり、最終的には語学留学したりと、
ドクターはある意味、本当に私を遠くに連れて行ってくれた存在です。
その留学中にクリス・チブナルのショーランナー期に入ってからは途中で脱落してしまったので
ここ数年はすっかりご無沙汰になってしまっていましたが、
(とはいっても、コロナ禍で行われた世界同時視聴実況なんかは参加してました。
今回デヴィッドとキャサリンが復帰したのもこの同時実況がキッカケだったとか。)
デヴィッドが出演するドラマ「グッド・オーメンズ」第2シリーズが今年の夏に配信されてからは、
再びドクター・フー熱も戻ってきて、今回のスペシャルへの期待も高まっていたのです。
そして、スペシャルの配信が始まるまで、出退勤時に少しずつドナが登場するS4を見直して、
今日の配信の準備をしてきました。過去エピソードの記憶も心の準備も完璧!
チャリティ特別番組Children in Needの中で放送されたミニソードもチェック済み!(ミニソード楽しかった!)
The Fourteenth Doctor is Here! | BBC Children in Need 2023 | Doctor Who
さあ、いざ時空の旅へ!アロンズィー!
↓↓↓初見の人でもわかる!?簡単なあらすじ↓↓↓
何故か以前の顔に戻ったドクターはタイムマシンのターディスで現代のカムデン・タウンに到着。
そこでかつて共に旅をしたドナ・ノーブルと偶然再会し、
ドクターにとって大切な名前である、ローズという名前の彼女の娘とも出会う。
ドナは過去の旅で危機的状況の中、ドクターが生まれ変わる際に発生するエネルギーと
人間の肉体では耐えられない膨大な知識を与えられたため、ドクターによって冒険の旅の記憶は全て消されていた。
自分と過ごした日々を思い出したら、ドナは死んでしまう…
何故ターディスは、ドナと彼女の知る顔に戻ったドクターを再会させるためにここに連れてきたのか??
謎が深まる中、ロンドンに宇宙船が不時着。ドクターは宇宙船の行方を追う。
一方、家に戻ったローズはその宇宙船に乗ってきた可愛らしい生命体ミープと遭遇。
ミープが他のモンスターに命を狙われていると知ったローズは、自分の作業小屋に匿うがドナに見つかってしまう。
そして、宇宙人がミープを追ってドナの家に迫る中、ドクターもドナの家にたどり着く。
正体を隠しながらミープを元の居場所に送っていくことをドナの家族に約束するドクターだったが、
何者かに操られている諜報軍事機関UNITの兵士たちと宇宙人との戦闘に家ごと巻き込まれてしまい…
↓↓↓以下、ネタバレ含む感想↓↓↓
S4の記憶を無くした時のドナの描写はとてつもなく切なかったので、
祖父のウィルフ(演じるバーナード・クリビンスは第三話に登場予定予定。これが遺作となる)や母のシルヴィアが
15年も宇宙船や宇宙人やドクターに関わるような話を懸命に避けてきたのが分かって胸が締め付けられるような気持ちでした。
そしてやはりドナもドクターの記憶を失って何か欠けていることを感じ取っている様子で…。
でもネリス(「消えた花嫁」でドナに信用されていなかったあのネリス!)の友達のふりをして家族の近況を聞き出すドクターや、
会ってはいけないはずなのに現れたドクターを必死でドナから隠そうとするシルヴィアを見るのはちょっと愉快。
今回のエピソードの最も重要なテーマはノンバイナリーと言っても良いかもしれません。
ドナの娘ローズはトランス女性であり、同級生?から揶揄われたり祖母にあたるシルヴィアが接し方に迷う描写が出てきます。
そのせいか、独りきりの宇宙人であるミープに共感を寄せているようにも見えます。
また、主人公であるドクター自身も前の姿は女性だったように、ノンバイナリーな存在として体現されています。
(サイキックペーパーがアップデート不具合でいまだに女性名詞になっているのが面白い)
しかし、ミープを「彼」だと決めつけてローズに嗜められる場面も。
ミープが彼でも彼女でも彼らでもなくミープであるように、自分もドクターであるという会話をしています。
RTDは自身も同性愛者であり、LGBTQが関わる/登場する番組を手掛け続けていますが、
記憶を取り戻し、ドクターが持つ知恵も取り戻したドナが、ローズにエネルギーと記憶を継承させたことで死を免れ、
「二進法(バイナリー)」という言葉がローズとドクターの「ノンバイナリー」に繋がるという発想をするなんて、全く恐れ入ります!
タイムロードの知識が制御出来ず、バイナリーバイナリーバイナリー…と繰り返すドナの姿は痛々しかったから、特にこの言葉は印象に残ってました。
(でもその後にドナとローズが「女性にしかわからない」と言って知識を解放したのはおかしくない?という意見を見て確かに、と思ったり)
「グッド・オーメンズ」のPRでトランスジェンダーをサポートするTシャツを着たりして
普段からトランスアライの立場を表明しているデヴィッド・テナントが、
今回の「ドクター・フー」の宣伝や公の場に出る際に必ずトランスジェンダーフラッグの色がついた
ターディスのピンバッチをつけていたのもこのエピソードを見るとさらに納得です。
しかし個人的には、兎にも角にも懐かしき10代目の姿をしたドクターとドナの冒険が見られるというだけで本当に感無量。
この感覚は、表現すると「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」の時に過去のスパイダーマンが登場した時の喜びに近いかも。
何年も前に封印していた悲しい記憶が、新しく更新されてカタルシスを得られるような。
でもそれよりも圧倒的に思い入れが強いので、もっと感情に訴えかけてくる再会なんですよね。
今日、海外の友人とも会話したのですが、こんなにも私はドクターとドナを恋しがっていたのかと、
実際に、画面を見ながらポロポロと涙して初めて実感した次第です。
そして、日本語吹き替えが関俊彦&雨蘭咲木子!!
ドナ初登場時の吹き替えメンツと同じです!!感謝ー!!
「グッド・オーメンズ」のクロウリーも関さんですが、もう10代目と言ったら関さん!!これは譲れない!!
お陰様で毎日デヴィッドか関さんの声を聞いている私です!!
まさか日本でも英国と同時に日本語吹き替えのドクター・フーが見られるなんて!
VPN駆使したりDVD取り寄せてたりしてた10年前は考えられないことでした。本当にありがたい!
でも、ストーリー的には平均的なお話だったような気もします。
ミープが悪者っぽいのもなんとなく分かったし、最後の宇宙船内で半分分けられてしまうのも、
ドナが記憶を取り戻せざるを得ない状況を作るためだなーとわかるし、
RTDが言っていたように、ファミリームービー的に気軽に楽しめるお話だった感じ。
ただし、次回は怖くて、最終話は頭がおかしい話らしいので、これからの展開に期待。
ところで、ターディスの内装を見たドクターのはしゃぎっぷり、可愛かったなー。
「グッド・オーメンズ2」で星雲作って喜んでるクロウリーを思い出した。
宇宙船の中で縦横無尽に駆け回ってボタン操作する姿もアラフィフとは思えない俊敏さ!
弁護士のかつらはどこから持ってきたのだろうか…ドクターのコートはターディスみたいに内側が広いのかも。
こんなに可愛くて軽やかな14代目とドナとの再会が過ぎたら、
また再生=お別れが待ち構えているんだと思うと、今から辛い気もする…ぐすん
とにかく、先の悲しみは置いておいて、今はこのお祭りを楽しむのに専念しますか!!
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