■4月24日(金)■
シャーロック・コンベンション初日…ではありましたが、
会場に入れるのは夕方以降だったので、
日中は今まで行った事のなかったグリニッジを散策することにしました。
何度もロンドンに来ているのにこんな名所にまだ足を運んだことはなかったのです。
シャロコンでお会いする約束をしていたフォロワーの美夜さんも、
会場に行く前にグリニッジに行く予定だというので、この日は昼からご一緒させて頂くことになりました。
初対面の美夜さんは前々からこのブログを読んで頂いていたということで、ちょっと緊張気味だった私。
実際にお会いしたら大雑把でマイペースな私に合わせてくれる優しい方だったので緊張が解れました。
エンバンクメントからテムズクルーズに乗ってグリニッジ・ピアへ。
クルーズに乗っている間は今までのお互いの旅の思い出を話していて、
写真を取るのをすっかり忘れてました。まあ、もう何回も乗っているしね…。
船を降りるとすぐにカティサークが見えてきます。
中国から紅茶を運ぶために作られた帆船「ティークリッパー」のうち唯一現存するカティサーク。
以前火事の被害にあったそうですが、現在は修復されています。
カティサークってシュミーズって意味なんですね。
船の名前の引用元となったロバート・バーンズの詩に登場するシュミーズ姿の魔女が船の先についていますが、
全体像しか取らなかったのでこの画像では確認しにくい…。
入場料を払って中にも入れそうだったのですが、先に見るべきところが多いので、
まずはビジター・センター「ディスカバー・グリニッジ」に立ち寄りました。
ここは観光案内所と周辺の建物等に関する展示物があります。
中にはパブ/カフェもあるらしい。
ディスカバー・グリニッジ内はあまりゆっくりは過ごしませんでしたが、
人工大理石の柱を撫でたり、建物の模型を眺めたりして、一通り見て回りました。
甲冑も着てみたり。こういうのがあるとつい試したくなる。
グリニッジに来る前に、地元出身の人に見るべき場所を教わったところ、
「テムズのフェリーで移動して、公園とマーケット、音楽学校、パブ、
カティサークに海事博物館がオススメだね!」
と聞いていたのですが、実際どうやって廻るかは考えていなかったので、
ディスカバー・グリニッジに置いてあった、一番短時間で見て廻れるコースの地図を購入。
その地図を頼りに、まず旧王立グリニッジ海軍兵学校へ向かいます。
うわー、ここ見た事あるー!な風景。最近記憶に残っている映画だけでも、
「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」や「ガリバー旅行記」等々、ロケ地としても有名。
元は海軍病院だったんですね。
キング・チャールズ・コート(右)、クイーン・アン・コート(左)、
キング・ウィリアム・コート(右奥)、クイーン・メアリー・コート(左奥)の
4つの棟からなる建物で、聖ポール大聖堂を手がけたクリストファー・レンも設計に携わっています。
こうして見てみると、確かに大聖堂の外観に似ている気がする。
テムズ川の向こうにはO2がはっきりと見えます。
現在建物の中はギャラリー、チャペル、ホール、大学になっていますが、
今回は内部までは覗きませんでした。
ペインテッド・ホールは無料で素晴らしい内装が見られたはずなので
今思うと、寄っておけばよかったかもしれません…。
音楽学校になっているキング・チャールズ・コートからは
吹奏楽の演奏が聞こえてきます。
カティサークの北側に戻ると、グリニッジ・マーケットの入口があります。
ここも楽しみにしていた場所のひとつ。
入口から入るとまず世界各国の屋台料理が食べられるストールが並んでいます。
奥には手作りアクセサリー等の小物を扱う場所もあり、さらに奥には建物の中に雑貨屋があったりします。
(一部工事中なのか柵に囲まれていました。)
奥にある紅茶が置いてある店でお土産のハーブティーを買った後は、
せっかく食べ物のストールが沢山あるので、お昼をここで買う事に。
私はキューバン・サンドウィッチをチョイスしました!
ロースト・ポークにチーズ、ピクルス、そしてたっぷりのマスタードをパンに挟んで焼いてあります。
£5.50でなかなかのボリューム…。
立ち食いでお行儀悪いですが、美味しかったー。
半分食べて、残りは後で食べることにしました。
お腹が満たされたところで、街を散歩しながらグリニッジ公園へと向かいます。
公園の入口=聖メアリーズ・ゲート。
この公園の中にグリニッジ天文台があります。
天文台のある丘まではちょっとした坂道になっています。
ひーこら足を引きずりながら登り切ると、そこには最高の景色が…。
さっきまで見ていた旧海軍兵学校と公園が一望出来ます。
気分爽快な眺め!
O2もここからだとまた違った角度で見えます。
手前にある煙突はグリニッジ発電所です。
七年戦争で活躍したというジェームズ・ウルフ将軍の銅像が、丘の上から公園を見下ろしています。
(左は天文台の敷地の外側にある24時間時計。)
さて、肝心の天文台ですが、中に入場しなくても
敷地の外の壁にも子午線をまたぐことが出来ると聞いたので、探したけれどなかなか見つからず。
入場するか迷いましたが、ここまできたので天文台の中に入ってみることにしました。
入場料は£9.50。(日本円だとこの時点で1,750円)以前は無料だったらしい…。
入口近くにあるのは、天王星を発見したことで知られるウィリアム・ハーシェルの望遠鏡。
望遠鏡といってもこれはその一部分らしい。
巨大なドラム缶そのもの。デカい。
外からでも覗けますが、敷地に入るとテムズを渡る船員に時刻を知らせるために作られた、有名な赤い球が目に入ります。
13時ちょうどに落ちるという、このタイム・ボール。
右の写真の時点で12:55頃なので、途中まで登っていますが、
落ちた決定的瞬間は受付で入場料を払っていたため見てませんでした(笑)。
七代目天文台長のジョージ・B・エアリーがこの天文台に
天体の赤経・赤緯を計測する子午環という器械を設置しました。
中庭にはその器械の設置されている棟から延びる子午線を表す帯があり、
その先に記念撮影にもってこいなモニュメントのようなものがあります。
列に並んで記念撮影を終えた後は、タイム・ボールが乗っているフラムスティード・ハウスへ。
一階には歴代の天文台長の胸像が飾られています。
この建物の、フラムスティードというのは、初代天文台長の名前。
多分ハレー彗星でお馴染みのエドモンド・ハレー(二代目天文台長)のものもあったはず。
あまり天文学者には詳しくないのでここはさらりを見て、
上階のオクタゴン・ルームへ上がりました。
オクタゴンの名の通り、八角形の部屋。
望遠鏡で空を観察しやすいように、天井と窓が高くなっています。
この天文台を設置したチャールズ二世の肖像も飾られています。
以前は撮影禁止だったようですが、
No Photographの文字もなかったし、他の観光客も撮影してたので問題ないはず…。
子午線観測所の棟へ入ると、時計の歴史を辿ることが出来る部屋もあります。
この部屋で私の目を引いたのは、この時計です。
実物を初めて見た時には「かっこいい時計だなー」と2つの振り子が左右に動く様子を興味深く見つめていたのですが、
日本に帰ってから「経度への挑戦」というドラマを見て、
時計職人ジョン・ハリソンが作ったこの時計の深い歴史を知りました。
(天文台のショップにもこのドラマのDVDが販売されていました。)
18世紀当時、英国艦隊の座礁事故の発生を受けて、
国は懸賞金を掛けて経度測定法を募りました。
天文学者は、星の位置関係で経度を測定する方法を研究していましたが、
元々大工として評判の時計を作っていたジョン・ハリソンは
出発地と現在地の時間を計る方法を追求しました。
その測定のために彼が作り出したのが、このタイムキーパー「H1」です。
(写真は2作目「H2」と3作目「H3」)
海上で使用する時計は熱や湿気の影響で時計が変形するため、
正確な経度測定は困難を極めました。
ジョン・ハリソンは自ら海へ実験の旅に出た結果を元に改良を進め、
年を重ねた後も、息子が代理で航海に出て、さらに計測を重ねながら、
最終的にはよりコンパクトになった懐中時計のようなタイムキーパー「H4」を開発します。
精度の高いH4は海軍の将校の評価を得ますが、
当時の天文台長マスケリンを始めとした天文学者の反応は冷ややかで
ジョン・ハリソンはせっかくH4を開発したにも関わらず、懸賞金をすぐに受け取ることが出来なかったとか。
その後、国王ジョージ3世の擁護を経て、議会の承認を得ることで一部を得ることが出来たようですが、
その偉大な功績は当時正統に評価されていなかったようですね。
私は帰った後にドラマを見ましたが、
もし今後グリニッジ天文台を訪れる予定の方がいれば、
是非「経度への挑戦」を見ておくことをオススメします。
経度委員会の嫌がらせに屈しないジョン(マイケル・ガンボン)と息子のウィリアム(イアン・ハート)親子が熱いんですよ!
その他、ジェレミー・アイアンズ、ブライアン・コックス、ビル・ナイ、アンドリュー・スコット等々、キャストも豪華ですしね!
ただ、日本版は発売されていないのでCS放送かUK版で見る事になりますが…。
高めの入場料払ってまで見るべきか迷いましたが、やはり中まで見に入って正解でした。
日時計の時代から、ジョン・ハリソンの海上時計を経て、
タイム・ボールで時を知らせるようになったその後、
19世紀にはビッグ・ベンに見られるような時計台が人々の時間を知らせるようになります。
展示では、電話の時報の変遷も聞き比べる事が出来ました。
一階には、ジョージ・B・エアリーの子午環が置かれています。
記念撮影ポイントだったモニュメントの反対側ですね。
狭い部屋の天井まで届く大きさの子午環は、1851年から1954年まで使用されていました。
1884年にワシントンDCで行われた会議によって、
この子午環の指し示す経度0°を国際的な子午線とする合意がなされたとのこと。
これは子午環の高度を計るための顕微鏡。
あまりに大きい装置で、実際にどのように計測したのか想像が着きませんが、
子午環は主に星が子午線を通過する時間や、地平線上の星の角度を計測するために使われたそうです。
さて。グリニッジ天文台を見た後は、国立海洋博物館にも立ち寄りました。
ここは入場無料ですが、天文台が思った以上に展示が充実していたので、
すっかり疲れ切って、一部屋見るのが精一杯(苦笑)。
博物館のカフェでレモネードと、マーケットで買ったサンドイッチの残りを食べて休息しました。
クイーンズ・ハウスの外観を眺めながら、グリニッジ・パークを後にします。
この建物の設計はイニゴー・ジョーンズ。バンケティング・ハウスを設計した人ですね。
左右対称の階段が美しいです。
駆け足で見て廻ったグリニッジでしたが、こんなに心地のいい場所が沢山あるとは知りませんでした。
もっと早くに来ていればよかった…
それでも、今回は全てを見ることは出来なかったので、
またじっくり見に来る機会があればいいですね。
次回はエミレーツ・エアラインに乗って、ついにExcel Londonへ向かいます。
シャーロック・コンベンション初日…ではありましたが、
会場に入れるのは夕方以降だったので、
日中は今まで行った事のなかったグリニッジを散策することにしました。
何度もロンドンに来ているのにこんな名所にまだ足を運んだことはなかったのです。
シャロコンでお会いする約束をしていたフォロワーの美夜さんも、
会場に行く前にグリニッジに行く予定だというので、この日は昼からご一緒させて頂くことになりました。
初対面の美夜さんは前々からこのブログを読んで頂いていたということで、ちょっと緊張気味だった私。
実際にお会いしたら大雑把でマイペースな私に合わせてくれる優しい方だったので緊張が解れました。
エンバンクメントからテムズクルーズに乗ってグリニッジ・ピアへ。
クルーズに乗っている間は今までのお互いの旅の思い出を話していて、
写真を取るのをすっかり忘れてました。まあ、もう何回も乗っているしね…。
船を降りるとすぐにカティサークが見えてきます。
中国から紅茶を運ぶために作られた帆船「ティークリッパー」のうち唯一現存するカティサーク。
以前火事の被害にあったそうですが、現在は修復されています。
カティサークってシュミーズって意味なんですね。
船の名前の引用元となったロバート・バーンズの詩に登場するシュミーズ姿の魔女が船の先についていますが、
全体像しか取らなかったのでこの画像では確認しにくい…。
入場料を払って中にも入れそうだったのですが、先に見るべきところが多いので、
まずはビジター・センター「ディスカバー・グリニッジ」に立ち寄りました。
ここは観光案内所と周辺の建物等に関する展示物があります。
中にはパブ/カフェもあるらしい。
ディスカバー・グリニッジ内はあまりゆっくりは過ごしませんでしたが、
人工大理石の柱を撫でたり、建物の模型を眺めたりして、一通り見て回りました。
甲冑も着てみたり。こういうのがあるとつい試したくなる。
グリニッジに来る前に、地元出身の人に見るべき場所を教わったところ、
「テムズのフェリーで移動して、公園とマーケット、音楽学校、パブ、
カティサークに海事博物館がオススメだね!」
と聞いていたのですが、実際どうやって廻るかは考えていなかったので、
ディスカバー・グリニッジに置いてあった、一番短時間で見て廻れるコースの地図を購入。
その地図を頼りに、まず旧王立グリニッジ海軍兵学校へ向かいます。
うわー、ここ見た事あるー!な風景。最近記憶に残っている映画だけでも、
「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」や「ガリバー旅行記」等々、ロケ地としても有名。
元は海軍病院だったんですね。
キング・チャールズ・コート(右)、クイーン・アン・コート(左)、
キング・ウィリアム・コート(右奥)、クイーン・メアリー・コート(左奥)の
4つの棟からなる建物で、聖ポール大聖堂を手がけたクリストファー・レンも設計に携わっています。
こうして見てみると、確かに大聖堂の外観に似ている気がする。
テムズ川の向こうにはO2がはっきりと見えます。
現在建物の中はギャラリー、チャペル、ホール、大学になっていますが、
今回は内部までは覗きませんでした。
ペインテッド・ホールは無料で素晴らしい内装が見られたはずなので
今思うと、寄っておけばよかったかもしれません…。
音楽学校になっているキング・チャールズ・コートからは
吹奏楽の演奏が聞こえてきます。
カティサークの北側に戻ると、グリニッジ・マーケットの入口があります。
ここも楽しみにしていた場所のひとつ。
入口から入るとまず世界各国の屋台料理が食べられるストールが並んでいます。
奥には手作りアクセサリー等の小物を扱う場所もあり、さらに奥には建物の中に雑貨屋があったりします。
(一部工事中なのか柵に囲まれていました。)
奥にある紅茶が置いてある店でお土産のハーブティーを買った後は、
せっかく食べ物のストールが沢山あるので、お昼をここで買う事に。
私はキューバン・サンドウィッチをチョイスしました!
ロースト・ポークにチーズ、ピクルス、そしてたっぷりのマスタードをパンに挟んで焼いてあります。
£5.50でなかなかのボリューム…。
立ち食いでお行儀悪いですが、美味しかったー。
半分食べて、残りは後で食べることにしました。
お腹が満たされたところで、街を散歩しながらグリニッジ公園へと向かいます。
公園の入口=聖メアリーズ・ゲート。
この公園の中にグリニッジ天文台があります。
天文台のある丘まではちょっとした坂道になっています。
ひーこら足を引きずりながら登り切ると、そこには最高の景色が…。
さっきまで見ていた旧海軍兵学校と公園が一望出来ます。
気分爽快な眺め!
O2もここからだとまた違った角度で見えます。
手前にある煙突はグリニッジ発電所です。
七年戦争で活躍したというジェームズ・ウルフ将軍の銅像が、丘の上から公園を見下ろしています。
(左は天文台の敷地の外側にある24時間時計。)
さて、肝心の天文台ですが、中に入場しなくても
敷地の外の壁にも子午線をまたぐことが出来ると聞いたので、探したけれどなかなか見つからず。
入場するか迷いましたが、ここまできたので天文台の中に入ってみることにしました。
入場料は£9.50。(日本円だとこの時点で1,750円)以前は無料だったらしい…。
入口近くにあるのは、天王星を発見したことで知られるウィリアム・ハーシェルの望遠鏡。
望遠鏡といってもこれはその一部分らしい。
巨大なドラム缶そのもの。デカい。
外からでも覗けますが、敷地に入るとテムズを渡る船員に時刻を知らせるために作られた、有名な赤い球が目に入ります。
13時ちょうどに落ちるという、このタイム・ボール。
右の写真の時点で12:55頃なので、途中まで登っていますが、
落ちた決定的瞬間は受付で入場料を払っていたため見てませんでした(笑)。
七代目天文台長のジョージ・B・エアリーがこの天文台に
天体の赤経・赤緯を計測する子午環という器械を設置しました。
中庭にはその器械の設置されている棟から延びる子午線を表す帯があり、
その先に記念撮影にもってこいなモニュメントのようなものがあります。
列に並んで記念撮影を終えた後は、タイム・ボールが乗っているフラムスティード・ハウスへ。
一階には歴代の天文台長の胸像が飾られています。
この建物の、フラムスティードというのは、初代天文台長の名前。
多分ハレー彗星でお馴染みのエドモンド・ハレー(二代目天文台長)のものもあったはず。
あまり天文学者には詳しくないのでここはさらりを見て、
上階のオクタゴン・ルームへ上がりました。
オクタゴンの名の通り、八角形の部屋。
望遠鏡で空を観察しやすいように、天井と窓が高くなっています。
この天文台を設置したチャールズ二世の肖像も飾られています。
以前は撮影禁止だったようですが、
No Photographの文字もなかったし、他の観光客も撮影してたので問題ないはず…。
子午線観測所の棟へ入ると、時計の歴史を辿ることが出来る部屋もあります。
この部屋で私の目を引いたのは、この時計です。
実物を初めて見た時には「かっこいい時計だなー」と2つの振り子が左右に動く様子を興味深く見つめていたのですが、
日本に帰ってから「経度への挑戦」というドラマを見て、
時計職人ジョン・ハリソンが作ったこの時計の深い歴史を知りました。
(天文台のショップにもこのドラマのDVDが販売されていました。)
18世紀当時、英国艦隊の座礁事故の発生を受けて、
国は懸賞金を掛けて経度測定法を募りました。
天文学者は、星の位置関係で経度を測定する方法を研究していましたが、
元々大工として評判の時計を作っていたジョン・ハリソンは
出発地と現在地の時間を計る方法を追求しました。
その測定のために彼が作り出したのが、このタイムキーパー「H1」です。
(写真は2作目「H2」と3作目「H3」)
海上で使用する時計は熱や湿気の影響で時計が変形するため、
正確な経度測定は困難を極めました。
ジョン・ハリソンは自ら海へ実験の旅に出た結果を元に改良を進め、
年を重ねた後も、息子が代理で航海に出て、さらに計測を重ねながら、
最終的にはよりコンパクトになった懐中時計のようなタイムキーパー「H4」を開発します。
精度の高いH4は海軍の将校の評価を得ますが、
当時の天文台長マスケリンを始めとした天文学者の反応は冷ややかで
ジョン・ハリソンはせっかくH4を開発したにも関わらず、懸賞金をすぐに受け取ることが出来なかったとか。
その後、国王ジョージ3世の擁護を経て、議会の承認を得ることで一部を得ることが出来たようですが、
その偉大な功績は当時正統に評価されていなかったようですね。
私は帰った後にドラマを見ましたが、
もし今後グリニッジ天文台を訪れる予定の方がいれば、
是非「経度への挑戦」を見ておくことをオススメします。
経度委員会の嫌がらせに屈しないジョン(マイケル・ガンボン)と息子のウィリアム(イアン・ハート)親子が熱いんですよ!
その他、ジェレミー・アイアンズ、ブライアン・コックス、ビル・ナイ、アンドリュー・スコット等々、キャストも豪華ですしね!
ただ、日本版は発売されていないのでCS放送かUK版で見る事になりますが…。
高めの入場料払ってまで見るべきか迷いましたが、やはり中まで見に入って正解でした。
日時計の時代から、ジョン・ハリソンの海上時計を経て、
タイム・ボールで時を知らせるようになったその後、
19世紀にはビッグ・ベンに見られるような時計台が人々の時間を知らせるようになります。
展示では、電話の時報の変遷も聞き比べる事が出来ました。
一階には、ジョージ・B・エアリーの子午環が置かれています。
記念撮影ポイントだったモニュメントの反対側ですね。
狭い部屋の天井まで届く大きさの子午環は、1851年から1954年まで使用されていました。
1884年にワシントンDCで行われた会議によって、
この子午環の指し示す経度0°を国際的な子午線とする合意がなされたとのこと。
これは子午環の高度を計るための顕微鏡。
あまりに大きい装置で、実際にどのように計測したのか想像が着きませんが、
子午環は主に星が子午線を通過する時間や、地平線上の星の角度を計測するために使われたそうです。
さて。グリニッジ天文台を見た後は、国立海洋博物館にも立ち寄りました。
ここは入場無料ですが、天文台が思った以上に展示が充実していたので、
すっかり疲れ切って、一部屋見るのが精一杯(苦笑)。
博物館のカフェでレモネードと、マーケットで買ったサンドイッチの残りを食べて休息しました。
クイーンズ・ハウスの外観を眺めながら、グリニッジ・パークを後にします。
この建物の設計はイニゴー・ジョーンズ。バンケティング・ハウスを設計した人ですね。
左右対称の階段が美しいです。
駆け足で見て廻ったグリニッジでしたが、こんなに心地のいい場所が沢山あるとは知りませんでした。
もっと早くに来ていればよかった…
それでも、今回は全てを見ることは出来なかったので、
またじっくり見に来る機会があればいいですね。
次回はエミレーツ・エアラインに乗って、ついにExcel Londonへ向かいます。
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