2021年8月22日〜24日は、NHK BSプレミアムで
ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」が初放送されてから10周年だそうで。
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— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) August 22, 2021
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— マーク・ゲイティスinfo🌈 (@MarkGatissJp) August 22, 2021
去年(2020年)の7月25日にBBC Oneでの放送から10周年を迎えた時には
「SHERLOCKを初めて見たのは日本での放送だから、
自分にとって厳密にはまだ10周年じゃないな!」
などと思っていたのですが、そこからあっという間に時間が経ってしまいました(苦笑)。
本当ならもっと平和な世の中の時に10周年を迎えたかったですね…。
10年前… 子供の頃に母と一緒に見ていた
ジェレミー・ブレット主演のグラナダTV版ホームズをじっくり見直した後に、
BBCが現代版を放送していると知り、日本での放送を待ち焦がれていたあの頃。
まさか自分にとって人生にこれほどの影響を与える作品になるとは思ってもみませんでした。
好きな作品に対しては、誰しもいい思い出や楽しい記憶を持っているものと思いますが、
私にとっての「SHERLOCK」は、宝物のように大切な一生ものの体験も、
出来れば忘れたいしんどい経験も思い出させる作品です。
それは何かにチャレンジして成功したり、挫折したりという繰り返しのような、
「禍福は糾える縄の如し」といった感じで、
ひとくくりに「出会えてよかった!幸せしかない!」とも言えない複雑な感情が湧いてきます。
それでも未だにこの番組を愛しているのは、
やはり、純粋に何度見ても面白く素晴らしい作品であるからに他ならないのです。
それではせっかく10周年という節目なので、
「SHERLOCK」という偉大なドラマ・シリーズがきっかけで
ひとりの平凡な日本人(私)にどんな変化が生まれたのかを振り返ってみようと思います。
■いつのまにか英語を習得することに…■
第1シリーズが放送された頃、
「SHERLOCK」の情報はエンタメ情報サイトに取り上げられることはあまりありませんでした。
今でこそ主演のベネディクトやマーティンの出演作やインタビューは日本語に訳されていますが、
当時は「SHERLOCK」の出演者など、ほとんどノーマークだったのです。
そのため、最新情報を知りたい時は、現地のインタビュー記事や
ファンが投稿した撮影現場の情報を英語で読み漁ることになりました。
好きな作品を深く知るためなら、英語が苦手などと言っていられません。
このブログでも記事にしていますが、英語のセリフを確認して、
英国の独特な言い回しなどを調べてみたりもしました。
最新シリーズが放送されれば、あれこれ駆使してリアルタイムで視聴し、
その後はファンの感想を読んだり、英国盤DVDを見ながらセリフを復習。
そのうち、特に脚本家&シャーロックの兄役のマーク・ゲイティスが関わっている
SFドラマ「ドクター・フー」やコメディ・シリーズ「リーグ・オブ・ジェントルマン」に興味を持つと、
そちらの日本未放送回を英語字幕で見るようになりました。
(「ドクター・フー」も、当時はS4以降が放送されていなかった。)
さらにマークを含む「リーグ・オブ・ジェントルマン」のメンバーが出ている舞台を見に行くために
初めての渡英を決めると、旅行先で使う英会話力も必要になり、仕方なく独学で勉強。
度々海外旅行していることが知られると、仕事先で英語チームの手伝いをすることに。
そこで自分の力不足を実感し、語学留学を決意…
…と、なにがなんだかわからないうちに英語の習得に興味を持つようになってしまいました。
学生の頃、海外でレコーディングする日本のアーティストが英語でやりとりしてるのを見て、
「自然に喋っててかっこいいなー。自分には無理だけど」と思っていましたが、
まさか自分が(下手なりに)英語を喋るようになるとは…。
語学だけでなく、勉強って、人に言われて嫌々するものではなくて、
わかりたい!知りたい!という気持ちがあれば
前へ前へと進ませてくれるものなんだなと、身を持って実感しました。
「SHERLOCK」が教えてくれた一番大きな教訓です(笑)
外国語を身に付けたい!と思っている人がいるなら、
日本ではあまり紹介されないような、自力で調べるしかない
海外のマイナーなジャンルや作品に興味を持ってみるといいかもしれません。
■一人旅の喜びを知る■
実は私は旅行に全く興味がなく、一人旅など以ての外だったのですが、
同じSHERLOCKのファンの方が英国へ一人旅をしている様子を見て、
「私もやってみよう!」と2012年に初めて一人で英国旅行に旅立ちました。
(その時の様子はこのブログで記した通りです。→ 【2012年、英国の旅 春編・目次】)
一人旅を経験してみた結果、これが最高に楽しかった!
同伴者に気をつかう必要もないし、予定を相談する必要もない。
訪れた場所は時間を気にせず心置きなく見て回れるし、
誰かに頼ることも出来ないから、自分でコミュニケーションを取るために
否が応でも持っているだけの英会話力を発揮しなければいけない。
それでも誰かと一緒にいたくなった時は、
同じ時期に旅に来ている人と現地で待ち合わせすればいいのです!
それに何より、一人で見る景色は、
大勢で見る景色よりもひとつひとつが強く鮮明に記憶に残る気がします。
その後の約10年、何度一人旅をしたか回数はもう忘れましたが(笑)、
どの旅の出来事も、どの景色も、どの出会いも、
一生忘れられない自分だけの貴重な思い出になりました。
■国内・海外の仲間が出来る■
「SHERLOCK」のことを調べて、自分なりに理解した内容をまとめたり、
新しい情報が入ったら自分のSNSなどに投稿するようになると、
同じファンの方と交流する機会が出来ました。
このブログで知り合った方もいらっしゃいますし、Twitterでやりとりした方も。
一人ではちょっと寂しいイベントの時に、現地でご一緒してくれた同志もいました。
とりわけ、海外のファンで日本の文化にも理解がある友人たちは、
ネット上だけでなく、留学中に新学期を迎えて心細い時に一緒に遊んでくれたり、
ご飯を食べに行ったり、パーティーに誘ってくれたりと、心の支えになってくれました。
SHERLOCKが10周年ということは、一番古い友達はもう10年近くの付き合いということになります。
日本に遊びに来たら喜んで迎えようと思っていた、その矢先のCOVID-19感染拡大。
いつか安全になって彼女たちが日本で旅行できるようになったら、
あの時の恩返しをしてあげたいです。
■知らなかった歴史・芸術・社会に関心を持つように■
「SHERLOCK」のキャストで一番好きになったのは前出の脚本家マーク・ゲイティス。
番組のショーランナーの一人でもあり、劇中では人間嫌いなシャーロックの兄を演じていますが、
演じている本人はとても優しくユーモアがあって、人を温かく包み込むようなオーラを持っている人です。
この人がいなければ、私もここまで「SHERLOCK」の世界に没頭していなかったでしょう。
(このブログを読んでくださっている方にはもう「わかったわかった!」って話題ですが…)
マークは役者として、時代物のドラマや舞台に出ることが意外と多く、
作品を理解するために、その時代を調べているうちに、
今まで不勉強だった英国史も、部分的に(笑)詳しくなりました。
だから彼にはどんどん時代物に出てもらいたい(笑)。
またドキュメンタリー番組のプレゼンター&作家として、
自身が影響を受けたホラー映画や作家、画家を紹介しているので、
それが今まで触れたことのない芸術を知るきっかけにもなりました。
ホラー映画も昔は食べず嫌いでしたが、今ではむしろ好きなくらいに(笑)。
そしてゲイであることを公表し、聡明なイアンというパートナーがいる彼は、
若い頃に自らが利用していたLGBTヘルプラインのパトロンとして支援イベントを開催したり、
様々な時代の同性愛者たちが語るモノローグドラマ・シリーズ"Queers"を手がけたりと、
LBGTQ+の歴史や問題啓発のために活動しています。
私も支援募金活動に賛同したり、セクシャリティに関してもっと理解を深めるよう努めています。
さらに女性として、女性解放運動の歴史や女性の権利についても意識が向くようにもなりました。
彼の政治や世界の動向に関して積極的に意見を持つ姿勢も見習っています。
一人の俳優を通して、こんなにも学ぶことが出来るなんて、
本当に追いかけ甲斐のある人です。
マークと私(その場に居あわせたファンが撮影)
■もう「3年坊主」じゃない■
ミュージシャンや俳優など、一度夢中になるとどんどん熱中する私ですが、
10年前は、熱中するあまりに燃え尽きて、追いかけられなくなることがしばしばありました。
同じ熱量で何年も誰かを追いかけ続けるのはかなり難しく、頑張っても3年程度。
周りの友人からも呆れられているだろうなー、などと思っていました。
そんな時に出会ったのが「SHERLOCK」だったのです。
そして頑張っても3年どころか、あっという間に10年。
常に同じ熱量、とは言えないかもしれませんが、
今の私は確実に「SHERLOCK」を始めて見たあの頃の延長線上にいます。
ここまで書きながら、自分にも様々な変化があったことを振り返りましたが、
実際のところは、この10年で何も進歩していない気もするし、
これまで経験したことを自分の人生に活かしきれていないような気もします。
自粛生活を余儀なくされている今は特に…。
やる気も向上心もそがれて、落ち込みがちな自分自身をもどかしく感じます。
だからこの先の10年は、10年前の「SHERLOCK」を出発点に、
さらに遠くへ行ってみたい…
それはもっと遠い国に足を伸ばしたいという物理的なことではなく(笑)
「あの時からまた10年、ずいぶん成長したな」と振り返ることが出来るように、
一人前の人間として、もっともっと勉強したい。英語も歴史も文化も芸術も社会も…。
そんな風に、志を高くさせてくれるのが、
私にとっての「SHERLOCK」という番組なのかもしれません。
◆おまけ◆
どんなに好きなドラマでも、もう初めて見た時の感動を味わうことが出来ないのが悲しいところ。
そんな気分を味わいたい時に、私は海外のリアクション動画をよく見ています。
人のリアクションを見て、始めてみた時の新鮮さを思い出す!
「SHERLOCK」に関しては、彼女たちのリアクション動画が好きでした。
なかなか勘が鋭くて安心して見ていられる!(猫も可愛い)
Sherlock 1X01 A STUDY IN PINK PT.1 reaction
◆SHERLOCK関連記事リンク◆
各話お気に入りシーンまとめ等
- S1E1「ピンク色の研究 "A Study in Pink"」
- S1E3「大いなるゲーム "The Great Game"」
- S2E1「A Scandal in Belgravia(ベルグレービアの醜聞)」
- BAFTA(英国アカデミー賞)TV 2012 (アンドリュー・スコット&スティーヴンモファット受賞)
- S3E1 'The Empty Hearse(空の霊柩車)' 撮影終了
- S3E1 "The Empty Hearse(空の霊柩車)"【ご兄弟の小競り合い記録】
- S3E2 "The Sign of Three(三の兆候)"【Narrow it down!】
- S3E3 "His Last Vow(最後の誓い)"
- 「シャーロック 忌まわしき花嫁」
- UK版DVD&US版iTunesで「シャーロック 忌まわしき花嫁」特典映像を見る
- S4E1「六つのサッチャー」 "The Six Thatchers"
- S4E2「臥せる探偵」 "The Lying Detective"
- S4E3「最後の問題」 "The Final Problem"【途中まで】
ロケ地探訪ピックアップ
- "もう一つのベイカー街" SPEEDY'S CAFE
- バタシー発電所とクラッパム・コモン
- 雨のSouthbank
- イートン・スクエア ~アイリーン・アドラーのお宅を拝見
- シャーロック・ホームズ・ミュージアム、夜のSPEEDY'S
- 2つのベイカー街
- カールトン・ハウス・テラスのトーク・イベントへ - ミウモのロンドン留学体験記
ロンドンでのSHERLOCK関連イベント
- The Game is On: An Afternoon with Mark Gatiss and friends at the Criterion Theatre
(マーク、スティーブン、スー、マーティン、ルイーズ、ルパートが出演した慈善トークイベント) - "The Empty Hearse(空の霊柩車)" BFI Screeningをひやかしに行く。
(BFIで行われたプレビュー上映当日の様子) - 脱出ゲーム"The Game Is On"
シャーロック公式コンベンション"Sherlocked the Event" at Excel London(2015年4月)
- "Sherlocked the Event" 一日目 展示物・グッズ売り場巡り(3ページ)
- "Sherlocked the Event" 二日目 フォトセッション&トーク(3ページ)
- "Sherlocked the Event" 三日目 フォトセッション&トーク(2ページ)
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