■2015年4月25日■
シャロコン2日目。この日は朝から雨模様。
早起きが苦手な私ですが、英国にいるときは苦もなく早起きが出来ます。
この日も朝7時前に起きて、二日目に備えてすぐに朝食を取りました。
なぜなら朝からマーク・ゲイティスとのフォトシュートが待っていたからです。
写真撮影とトーク・セッションはゲストごとに時間が区切られています。
参加者によっては会いたいゲストが重なってしまうこともあったようですが、
私の買ったチケットは運良く時間がばらけていて、全て見て廻れそうでした。
直前になってベネディクトのトークと重なっていたマークの写真撮影が朝にずれ込んだので、
完璧に重複のないスケジュールになりそう。
(朝一になってマークは大変そうですが…ファンのためにすみません)
《09:15-10:30 マーク・ゲイティス Photo Session》
写真撮影は9:15からだったので、9:00頃のエクセルへ向かい、
まずは開場待ちの列へ。9:20頃に中に入れました。
←ブレブレw
一日目の記事で触れたように、チケットにはセット券と通常券があります。
全ての入場においてセット券(例えばプラチナやゴールド)を持ってる参加者が優先されるので、
写真撮影の列も、まずはセット券保持者から並ぶ事になります。
スタッフが通常券の列を頻繁に見回りに来て
「ゴールドのチケットの人はいないー?」と間違って並ぶ人がいないように声掛けを行っていました。
私は通常券でしたので、大人しくセット券のファンが終わるのを並んで待ちました。
Photo Booth2の列はこんな雰囲気。ネット上でよく知っている現地のマーク・ファンを何人も見かけました。
(声をかけるほどの勇気はなく…)
並んでいる間、マークにどんなポーズをお願いすればいいのかずーっと悩んでいました。
コンベンションに参加するのは初めてだったので、
来る前に他のイベントのフォトシュートでゲストとファンがどんなポーズをしているのか確認してみましたが、
抱きつくとかとても無理… 嫌がられてる雰囲気が見て取れたらショックだし…等と、
色々考えてしまって実は軽くパニックになっていました。
何度か一緒に写真撮ってもらってるんだから、慣れただろうと思われるかもしれませんが、
実際にはそんな事全然ないのです。毎度同じように緊張するんですよ。
ふと近くのサイン・ブースを見ると、ルパート・グレイブスが笑顔でサインに応じていました。
(写真撮っちゃいけないことになっていましたが、これは殆ど写ってないからセーフということで。)
ルパートさんの様子を見て和みながら、どうしようどうしよう…と順番を待っていたわけです。
撮影部屋の入口まで来ると、チケットを見せてスタッフはバーコードを読み取ります。
メールで受け取ったチケットをプリントアウトしたものでも、
スマホ用チケットアプリを提示してもOK。
中に入ると、部屋の真ん中が四角くテーブルで囲まれていて、
そこで荷物を預かってくれるようになっています。
テーブルの向こう側にはマークが!
↑こんな感じ。
荷物を預けた後、ファンはテーブルの周りを並んで自分の順番をさらに並んで待機。
さながらベルトコンベアのような早さで撮影は進んでいきます。
(預けた荷物も回転寿しのようにスタッフが出口へ移動させて行きます。)
ひょろりと背の高いマークは、ファンにはお馴染みの青いスーツで、
出演中だった舞台"The Vote"の役作りのために口ひげを蓄えています。
スラリとした腕を伸ばし、ひとりひとりの肩を抱いて写真に収まりますが、
その時間はほんの数秒。皆ポーズをリクエストして写っている様子はありませんでした。
はい次!カシャっ!終わり、はい次ー!という具合で、
あまりにスピーディーな撮影にドンドン緊張も高まり、
何を言えばいいのか完全に分からなくなっているうちについに自分の番がやってきました。
見た感じ、ヒラヒラ〜とした身振りのマークですが、
肩を引き寄せる時の腕は力強くて、ドキリとします。
背丈の差から、ほとんど小脇に抱え込まれるような状態。
そうしてその後、一瞬で撮影は終わったわけですが、
こんな経緯から(シッパイしたー!)な顔の私が写真に収まることになりました。
撮影後、1分程度で写真がプリントされて出てきます。
スタッフの手でテーブルの上に並べられるので、自分の写真を受け取って外へ。
こそこそ抜け出て、撮ったばかりの写真を盗み見ます。
ちょっとはにかみ気味な微笑みですよね!?(同意を強要)
実物はもうちょっと明るい表情に見えるンスよ。
数日はリクエストしたことを思い出しては(恥ずかしー)と凹んでいたのですが、
(あと、匂い嗅ぐのも忘れた、とか(笑))
後で公開された写真データを見直してみると、私の前までは固かったマークの表情が、
私の番からにこやかになっていたので、結果オーライ!と考えが改まりました。
(他に私のリクエストを実現している人もいなかったしね、男女問わず。)
マーク的にも断ったけどまんざらではなかったはず。たぶん。(希望的観測。)
少なくとも私のリクエストを受けて居心地悪そうにはなってなくてよかった…。
それより何より…可愛いっ!!!
今見ても、こっちまで微笑んでしまう…。
《10:30-11:15 スティーヴン・モファット&マーク・ゲイティス トークセッション》
そしてその後は、マークをそのまま追いかけるようにトーク・セッションへ。
メイン・ステージに入る際も、チケットの種類によって列が分かれています。
会場のあるブロックの隣のブロックに列が出来ているので、スタッフにチケットを見せて、
どこに並べばいいのか指示をあおぎます。
中に入った後も、ゴールド以上は前のエリアで、それ以外はその後ろといったように
着席する場所も限られています。
私は通常券の参加者が座るエリアの前から2番目に座りました。
新調したカメラが故障していなければここで活躍したのでしょうが、
残念ながら予備のコンパクトカメラと携帯のカメラのみで撮影するしかありませんでした。無念。
ステージは221Bの部屋をそのまま再現した作りになっています。
司会者の紹介で入ってきたスティーブンとマークは、
スティーヴンが中心に、マークが上手側のソファーに座りました。
ソファーに座ったマークは「疲れたから横になりそう…」と一言。
実際には横にはなりませんでしたが、足をソファーに乗っけて、かなり寛いだ状態でトークしていました。
(縞模様の靴下がチラ見え。)
前日も舞台に出演して、しかもこの後も公演有なのに、
朝早くから撮影すみませんでした…(´;ω;`)
トークの内容は他のブログで紹介されていたりするでしょうし、
Sherlockologyのサイトでもトランスクリプトが公開されているので、
ここでは私が見ていて印象に残ったところをピックアップします。
(私もスクリプトを見ながら記憶を引き出すつもりです…)
会話の始まりは、例の有名なカーディフまでの列車の中で現代版シャーロック・ホームズのアイディアが生まれた後、
BBCがそれをどうやって受け入れたのかというところから始まりました。
スティーヴン曰く、アイディアが生まれてからBBC側からイエスを貰うまで非常に迅速に進んだとのこと。
最近BBCを離れてバッド・ロボットに移籍したことでも知られるコントローラーのベン・スティーブンソンからの
90分×3で同意するなら番組のゴーサインを出すという提案も議論せずに受け入れたそうです。
250人のシャーロック候補がいた中で、「ベネディクトはたった一人のシャーロック」だったと説明するマークが
マーク「僕は彼と"Starter for Ten"という映画を一緒にやって…ここ盛り上がるところ」
(観客、気付いてから拍手)
マーク「アメリカじゃ、ここで間を開けるよね。
(アメリカンアクセントで)『僕は彼と"Starter for Ten"という映画を一緒にやったんだ』」
(観客、笑い)
笑いを取ったマークでしたが、この後、スティーヴンがベネディクトを気に入るキッカケとなった映画を思い出せず、
マーク「イミテ…じゃなくて、ええと」
スティーヴン「『つぐない』!」
マーク「『つぐない』だ!ありがとう。ごめん、早いな!
(アメリカン・アクセントで)『僕はつぐないというささやかな映画をやったんだ〜』」
と、ちょっとした失念も笑いに変えていました。
一方スティーヴンは、惜しくも亡くなった編集担当のチャーリー・フィリップスと
ドラマ「ジキル」で出会ったことを話し、観客から歓声が上がると、
スティーヴン「あーやめてくれ、見てないクセに!」
と手をパタパタさせてました。(そんなことないですよー持ってますよDVD!)
その後、Paul McGuiganがこのドラマで提案した携帯スクリーンを画面に映し出す手法は
「ハウス・オブ・カーズ」のデヴィッド・フィンチャーまで利用しているという話に。
スティーヴン「"Cucumber"の打ち上げに行ったら、ラッセル・T・デイヴィスに
『ごめん、ごめんなさい、画面にメールを映してしまいました!』って言われたよ。
君は許されるよと言ったんだ。協定だね。歓迎するよ。10ポンドもらったし」
(観客、笑)
スティーヴン「彼から10ポンドもらったんだ。すごいよ。デヴィッド・フィンチャーから10ポンド? 彼に電話を。」
マーク「10ドルでしょう。同じじゃないから」
そして、脇役についてということで、司会者の方が「ハドソン夫人やレストレード…」と切り出すと
マークが勢いよく「レストラード!」と言い直していました。
「小学生の間違いだよ」
日本人の多くも「レストレード」読みをしているから怒られそうですね(苦笑)。
その直後も、再び言い直そうとして「レストレード」と言ってしまった司会者に
「レストラード!」と突っ込んでいました。
その警部については原作での描写がそれぼど多くないため、
「六つのナポレオン」から手がかりを得ているとスティーヴン。
彼はシャーロックに魅了されていて、当のシャーロックはそれに気付いていない、とも。
モリアーティの存在については、ヴィクトリア朝時代に組織犯罪が新しかったことから、
現代では現代での恐怖、自爆テロを顧みない男として作り上げたらどうか?と考えたとのこと。
「でも天才たちは狂っていられますか?
屋上での彼らの対面ですが、悪役は狂人であると同じように賢くありえると?」
という司会者の問いにスティーヴンは
「警察に意見を訊かれる素人探偵なんて実際いるだろうか?
つまり、僕たちはシャーロック・ホームズ世界にいるわけで、
現代の英国を正確かつ緻密に描写したと主張したことはありませんよ(笑)」
また、モリアーティとモリーがベッドを共にしたか?という司会者の疑問には、
スティーヴン「わからないな。ただシャーロックにちょっと恋してる素敵な女性が
モリアーティとうっかりセックスするなんてことを考えるのは恐ろしいと思うよ」
「『あなたの宿敵知ってるでしょう?』『あなたの方がいいわ』
そんなことをやるつもりはないから、安心して」
マイクロフトについては、彼が感情的な繋がりを排除することに成功した一方で、
シャーロックは成功しなかったとマークは語ります。
でも本当は私達の一人(つまり金魚の中の魚ということかもしれませんが)になりたいのだとも。
他のインタビューでも語っていますが、マイクロフトは元々冷ややかな人間なのではなく、
自分の感情を懸命にコンロトールしてこれまで生きていると考えながら演じているようですね。
後半の客席からの質問では、
続くエピソードで誰を出演させたいかと言う客席からの問いに、
マークが「アンジェラ・ランズベリー」と答えたのが嬉しかったですね。
つい先頃、4月12日に行われたオリヴィエ賞授賞式で、
マークはアマンダ・アビントンと一緒にプレゼンターとしてアンジェラに主演女優賞を贈っています。
While I'm at it, here's another top #Oliviers moment @Markgatiss Amanda Abbington & Best Actress Dame Angela Lansbury pic.twitter.com/ShtDo5cJhi
— matt humphrey (@31thirtyone) April 15, 2015
私にとってはアンジェラ・ランズベリーといえば「ジェシカおばさんの事件簿」のミステリー作家ジェシカ・フレッチャーで、
「シャーロック・ホームズの冒険」とともに子供時代親しんだドラマ。
そのフレッチャーさんがシャーロックに登場したら最高の探偵対決になりそう!
他の質問では、パイロット版からどのように90分版に変化させたのかという内容で、
マークは、気に入らなかったところを省くということで、
「所有する隣の店でハドソンさんが働くというのは気に入らなかったし、
僕が引っぱり上げたベネディクトのズボン、あれは僕の気を狂わせたけど、
伸縮性のあるボトムで、彼は僕の思う程には賢くは見えなかった」と明かしました。
確かにあのボトムはパンツ見えてましたもんね。(笑)
そこに、90分になることで、モリアーティやマイクロフトがいたらどうなるか?という要素が加わったということです。
でもなにより、監督のポール・マグガーガンと前述のチャーリーがもたらしたものが
「全てを映画的で卓越した映像にした、それが大きな違いだった」と語っていました。
あっという間のトークが終わった後は、221Bを再現したステージへ接近。
バッファローの頭とヘッドフォン等、展示エリアにある221Bのセットと同様に再現されてますね。
茶色いソファーの上にあるハチ柄のクッションが可愛い。
椅子の下や床には、銃器関係の冊子や本が無造作に置いてありました。
次回は2日目の目玉トーク、ベネディクト・カンバーバッチの巻。
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