どこかの公園で出会った母子
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(※クライストチャーチのサム
ナービーチに似た場所でした)
娘には伸び伸び育ってほしい
と願いながら、帰国を心配し
ている母親。帰ったら伸び伸
びできない理由は、塾通いや
お受験といったことではなく
母親が日本国籍を取ったか取
らないかにかかわらず、「在
日」であることのようです。
「ここにいれば誰もそんなこ
とは気にしないので・・・」
という言葉には、帰ったら気
にされるという心配が滲んで
おり、そういう状況に置かれ
る娘さんを憂うようでした。
「私は日本国籍を捨てたの。」
「えっ
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心底驚いた彼女の目と出会い
どれほど意外な返答だったか
ここの国民になりたいから国
籍を取ったこと、日本政府は
二重国籍を認めていないので
日本国籍を捨てたこと、を伝
えると、ずっと伏し目がちだ
った彼女がしっかり顔を挙げ
「私」を見据えていました。
彼女が「日本国籍を取った」
と言ったので「私」はあえて
「捨てた」と言いました。国
籍は取捨選択ができるもの。
日本にいた彼女が日本国籍を
取り、ここにいた「私」がこ
この国籍を取るところまでは
同じでも、彼女が帰国を思い
悩んでいるところは違う点。
名前や国籍どころか、今や性
別さえも自分で選べる時代。
長いようで短い子育て、そし
て人生。母子に笑顔の絶えな
い日々が続くよう祈ります。
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会話の中に一度も「ニュージ
ーランド」という言葉は出て
きませんでした。状況として
は「オーストラリア」や「カ
ナダ」でも構わない内容か。
母親の白く消え入るような美
しい憂い顔と、よく日に焼け
た、健康そのものの娘さんの
弾ける笑顔が対象的でした。
こういうリアルな夢を見るた
びに「この登場人物たちは実
在するんだろうか」と思って
しまいますが、どうなのか
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