グラナダ版 「犯人は2人」 : The Master Blackmailer :(追記 感想等)
↑
これは直接関係ない画像ですが、以前も書きました私の好きなホームズ語録が
挿入されていたので・・・
Come, Watson, Come !
The game is afoot.
Not a word ! Into your clothes and come !
始めに書きましたが、このエピソードはグラナダ版最高の作品と言われている様に
正典を元にしながら 原作を深く掘り下げて秘められた可能性を掘り起こし 上手く
膨らませ見事に再現されています。
複数同時進行の物語(一見関係無いかの様なそれぞれの恐喝被害者達の見せ方と最終
的に一つの場所に落ち着く合流)、ホームズ達の動き、シーンの緊張感を高める映像
演出、音響効果(今回の場合は無音の効果)等々 他のエピソードとは一味違った描
き方をしています。
今回のホームズは推理は殆どしていませんね。
それどころか 婚約不履行(結婚詐欺?)、不法侵入、窃盗、証拠隠滅(更には
殺人を見逃した殺人幇助 ?、殺人隠蔽?)迄までしてしまう。
チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンは恐喝と言う一番卑劣な行為で多くの
人達を苦しめ、間接的に死に追いやる悪党で ホームズはこの稀代の悪党を蛇にな
ぞらえ異常な程に憎くしみを燃やし 頭脳戦と推理を諦めさせ 自分の名誉を汚し
て罪人になりかねない事を理解した上で実力行使に踏み切る。
今回のホームズは犯罪者と表裏一体、紙一重の存在である事が良く分かる行動を取り、
その上法や秩序の番人では無く 自己の価値判断でのみで動いている。
一歩間違えば犯罪者の立場になりかねない危うさを表面に出している感じがあります。
ワトソンまでが批判をしつつ行動を共にすると言う、これはあくまでもホームズを信
じての結果ではあると思いつつも レディー・ダイアナが現れなければ本当に2人は
直接の殺人にまで手を染めていたかもしれない危機を感じさせます。
レディー・ダイアナを始めとする被害者にしても冷静に考えると弱みに付け込まれる
原因を作った自業自得とも言える部分もあると思えるのです。上流階級故の悲劇とも
言えるが 結局それが原因で周囲の人を巻き込んだり 家族を破滅させたり、間接的
な殺人が起きたりとなれば危険を冒してでも阻止しなくてはならない状況であり最後
の強行に至る説得力を持たせているのでレディー・ダイアナの行為もある程度理解
できます。
ボヘミアの醜聞といい、この時代の上流階級の方々は写真やラブレターを迂闊に残し
てはいけないのですね。
それにしても常なら女性の浅はかさや恋愛をバカにしているホームズが異常とも言え
るほど正義感を燃やしていたのが珍しいです。
ミルヴァートンの部屋を去る前に 金庫に入っていた直接関係は無いと思われる他の
大量の手紙類を全て燃やしているし。
このエピソードはホームズの入浴シーンというサービスショットがあったり、アギーと
のキスシーンがあったり話題も多い作品でした。
尤もこの点に関してはBBC版の方が衝撃が大きかったですけど・・・・
アギーとの婚約不履行に関しても、事前に 「アギーは逆境に強い女性だ」と言うセリ
フや むしろアギーの方が積極的にホームズに迫っていたり(他の恋人が居た上にいちゃ
つく姿を見せつけて妬かせる等)で かなりしたたかな女性として描いてあり ホームズ
の仕打ちに対する批判を和らげようとする予防線も張っている様にも思えます。
もう一点個人的な拘りは何度も書きますが ミルヴァートンの部屋に置かれたアテナ神
胸像です。
アテナは言うまでも無くギリシャ神話の知恵と正義の神ですが このエピソードでも
象徴的に使われている様に思います。 恐喝王に対する皮肉な意味合いですね。
BBC版のマグヌッセンのマインドパレスではアテナ神胸像はヘッドフォーンの様な物を
付けていました。 この点も又意味深いですね。 むしろ目を覆った方が良い様な気も
しますが・・・(個人的な深読みのし過ぎかも)。
ミルヴァートン死後の遺品競売にしても 未だいずれかの美術品の中に脅迫の元となる
物が隠されているのではないかとの憶測があるからこそ、そしてやはりアテナ胸像が
一番可能性を秘めた物とベルトラン、ホームズ2人が推測したからこその競り合いだっ
たのでしょう。
グラナダ版全41話の中でも最も人気もあり、最高傑作と評される点が改めて納得させ
られました。
↑
最後にエスコットとアギーです。
多分behind the scene の画像だと思います。
アギーを抱く手がエスコットでは無くジェレミーです。
↑
これも珍しいbehind the scene から。
何時もながら美しい横顔です。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
今回のエピソードでBBC版のモチーフとなったグラナダ版は取りあえず終わります。
今後余裕があれば他のグラナダ版も触れてみたいと思っています。
← グラナダ版「犯人は2人」 (5)
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index
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これは直接関係ない画像ですが、以前も書きました私の好きなホームズ語録が
挿入されていたので・・・
Come, Watson, Come !
The game is afoot.
Not a word ! Into your clothes and come !
始めに書きましたが、このエピソードはグラナダ版最高の作品と言われている様に
正典を元にしながら 原作を深く掘り下げて秘められた可能性を掘り起こし 上手く
膨らませ見事に再現されています。
複数同時進行の物語(一見関係無いかの様なそれぞれの恐喝被害者達の見せ方と最終
的に一つの場所に落ち着く合流)、ホームズ達の動き、シーンの緊張感を高める映像
演出、音響効果(今回の場合は無音の効果)等々 他のエピソードとは一味違った描
き方をしています。
今回のホームズは推理は殆どしていませんね。
それどころか 婚約不履行(結婚詐欺?)、不法侵入、窃盗、証拠隠滅(更には
殺人を見逃した殺人幇助 ?、殺人隠蔽?)迄までしてしまう。
チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンは恐喝と言う一番卑劣な行為で多くの
人達を苦しめ、間接的に死に追いやる悪党で ホームズはこの稀代の悪党を蛇にな
ぞらえ異常な程に憎くしみを燃やし 頭脳戦と推理を諦めさせ 自分の名誉を汚し
て罪人になりかねない事を理解した上で実力行使に踏み切る。
今回のホームズは犯罪者と表裏一体、紙一重の存在である事が良く分かる行動を取り、
その上法や秩序の番人では無く 自己の価値判断でのみで動いている。
一歩間違えば犯罪者の立場になりかねない危うさを表面に出している感じがあります。
ワトソンまでが批判をしつつ行動を共にすると言う、これはあくまでもホームズを信
じての結果ではあると思いつつも レディー・ダイアナが現れなければ本当に2人は
直接の殺人にまで手を染めていたかもしれない危機を感じさせます。
レディー・ダイアナを始めとする被害者にしても冷静に考えると弱みに付け込まれる
原因を作った自業自得とも言える部分もあると思えるのです。上流階級故の悲劇とも
言えるが 結局それが原因で周囲の人を巻き込んだり 家族を破滅させたり、間接的
な殺人が起きたりとなれば危険を冒してでも阻止しなくてはならない状況であり最後
の強行に至る説得力を持たせているのでレディー・ダイアナの行為もある程度理解
できます。
ボヘミアの醜聞といい、この時代の上流階級の方々は写真やラブレターを迂闊に残し
てはいけないのですね。
それにしても常なら女性の浅はかさや恋愛をバカにしているホームズが異常とも言え
るほど正義感を燃やしていたのが珍しいです。
ミルヴァートンの部屋を去る前に 金庫に入っていた直接関係は無いと思われる他の
大量の手紙類を全て燃やしているし。
このエピソードはホームズの入浴シーンというサービスショットがあったり、アギーと
のキスシーンがあったり話題も多い作品でした。
尤もこの点に関してはBBC版の方が衝撃が大きかったですけど・・・・
アギーとの婚約不履行に関しても、事前に 「アギーは逆境に強い女性だ」と言うセリ
フや むしろアギーの方が積極的にホームズに迫っていたり(他の恋人が居た上にいちゃ
つく姿を見せつけて妬かせる等)で かなりしたたかな女性として描いてあり ホームズ
の仕打ちに対する批判を和らげようとする予防線も張っている様にも思えます。
もう一点個人的な拘りは何度も書きますが ミルヴァートンの部屋に置かれたアテナ神
胸像です。
アテナは言うまでも無くギリシャ神話の知恵と正義の神ですが このエピソードでも
象徴的に使われている様に思います。 恐喝王に対する皮肉な意味合いですね。
BBC版のマグヌッセンのマインドパレスではアテナ神胸像はヘッドフォーンの様な物を
付けていました。 この点も又意味深いですね。 むしろ目を覆った方が良い様な気も
しますが・・・(個人的な深読みのし過ぎかも)。
ミルヴァートン死後の遺品競売にしても 未だいずれかの美術品の中に脅迫の元となる
物が隠されているのではないかとの憶測があるからこそ、そしてやはりアテナ胸像が
一番可能性を秘めた物とベルトラン、ホームズ2人が推測したからこその競り合いだっ
たのでしょう。
グラナダ版全41話の中でも最も人気もあり、最高傑作と評される点が改めて納得させ
られました。
↑
最後にエスコットとアギーです。
多分behind the scene の画像だと思います。
アギーを抱く手がエスコットでは無くジェレミーです。
↑
これも珍しいbehind the scene から。
何時もながら美しい横顔です。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
今回のエピソードでBBC版のモチーフとなったグラナダ版は取りあえず終わります。
今後余裕があれば他のグラナダ版も触れてみたいと思っています。
← グラナダ版「犯人は2人」 (5)
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index
言われてみれば、確かにこのエピソードでのホームズ、犯罪者と紙一重というか、犯罪を犯してると言えるんですね。なるほど・・と思いました。でも、もしかしたら推理がすごいことだけでなく、そういう危うさがホームズの魅力の一つなのかな・・という気もしました。BBC版を見るまで正典を読んだこともなかった初心者の私が何をいまさら・・なのですが。
冒頭のホームズのセリフ、いいですね!(・・って、どの話に出て来るセリフなのかも分かってないですが・・・汗)BBC版に始まったことじゃなく、元々ホームズって結構強引でワトソンをひっぱりまわしてるんでしょうか・・・そういうところが、また魅力的でもありますが。
アギーとのツーショット、かわいいですね。なるほど、非難への予防線・・アギーは気の毒ではあるけど、元々の彼氏(?)と結局はうまくいくのかな・・というフォローもあるし、その辺も考えてあったのかもしれませんね。それにしても、恋人がいてもアギーが夢中になるほど、ホームズは魅力があるんだな~と思ったりもしました。
BBC版でも、ジャニーンのめげない感じの性格もある意味予防線なのかもしれませんね。でも、彼女は一回で去ったからこそかっこよかったと思うのですが・・また出るってホントでしょうか・・う~ん・・複雑。
続けてしまいますが、E2ギャラリー、美しいです~けど、切ないです。「切ない」ツーショットの1枚目、あんなシーンありましたっけ?カットされたシーンでしょうか?コラ・・ではなく?ルパートさんのお茶目さがステキ!ルイスに出てるんですか。楽しみです~そういえば、ルイスのS7かS8にビル・ウィギンスのひとが出てませんでしたっけ?
仰る通りホームズは色々な場面で犯罪者と表裏一体だと言われていますよね。
BBC版でのセリフにも有りましたけど、モリアーティが ”I am you” (だったか ”You
are me だったか)って言っていたと思うのですが、その時もシャーロックは ”I may be on
the side of the Angeles but don't think for one second that I am not one of them.” (このセリ
フはシャーロックの本質を表している様で結構気に入ってます)でかろうじてモリーィーと
一線を画している気がします。
冒頭のセリフ ”The Game is ahoot・・・・” え? 良いでしょ。
好きなんです。 なので私の表札(?)にも使わせて頂いてます。
このセリフにかんして以前チョコット書いたので もしお時間あれば覗いてみて下さい。
(5月2日付のThe Empty Houseの最後の方に書きました。 雑ですが・・・)。
アギーとジャニーンは私も同じ様に感じました。
シャーロックとの関係を利用して財をなしたり、ブライドメイドで初めてシャーロックと
顔を合わせた時のセリフと言い、一筋縄ではいかない したたかな女性だと感じさせら
れますよね。 何しろマグヌッセンのPAになる様な人物ですもの。
でも、ジャニーンはもういいです(私見ですが)、Specialに出ているのは確実らしい
のでもう諦めましたけど、S4はもう勘弁してほしい感じ。
でも御大達ジャニーンがお気に入りなんですよね。 もぅ~~お願いしますよ(泣)
「ルイス」にはゲスト出演色々いますよ。
ビル・ウィギンズ(これで通しちゃいます) そうそう出てました。
彼はNational Theatreでのオセロにも出ている様で そこそこ有名な?(失礼でしょ)
役者さんなんでしょうかね。
余談ですが、上記National Theatreの日本限定公式プログラムお持ちですか?
私昨年夏買っちゃったんですよ(多分dicoさんも?) チョット期待外れかも・・・
でもお宝版ですよ。