The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

ドラマ化された英国ミステリ小説 : その(8)

2022-03-19 | ドラマ化された英国ミステリ小説
『刑事ダルグリッシュ』

”Dalgliesh”
2021年 6エピソード

2月初放送としてご紹介した作品ですが、全エピソード観終わりました。
今回放送されたのは、P.D.ジェイムズ=フィリス・ドロシー・ジェイムズ女男爵(1920年~2014年)
による原作の”ダルグリッシュ警部シリーズ”から、『ナイチンゲールの屍衣』、『黒い塔』、『死の味』
の3作品をそれぞれ2部構成で製作されたドラマです。

過去記事は下記に
※ 2月初放送の英国ミステリドラマ情報:追加補足

以前の繰り返しになりますが、再度キャストを

監督:ジル・ロバートソン
脚本:ヘレン・エドマンソン
出演:
アダム・ダルグリッシュ:バーティ・カーヴェル
チャールズ・マスターソン巡査部長:ジェレミー・アーヴァイン
ケイト・ミスキン巡査部長:カーリズ・ビア
その他





タイトルロールであるダルグリッシュは、原作では ”6フィートを超す長身、浅黒いほっそりした好男子、
詩人(詩集も出版されている、かなり名の知れた詩人)
”と表現されています。
今回演じているバーティ・カーヴェルは、原作のイメージにかなり近い雰囲気で違和感が無かった様に
感じます(欲を言えば、もう少しハンサムなイメージもあります。が、まぁ良しとしよう←偉そう)
何と言ってもRADAを卒業しているという、演技にはこれ以上は望めない素晴らしい経歴を持つ役者さ
んですから、安定した演技力でじっくり見られる作品になっていると感じました。

このドラマではスコットランドヤードの”警部”と言われていましたが、原作では初期は”警部”→”警視正”→
”警視長”という役職になっていきます。
又、妻が初産の時死亡、妻と赤ちゃんを同時に失い、強い喪失感を拭えず独身を続けています。
亡父は元司祭。

ケイトや仲間内での会話では、ダルグリッシュを”AD”(=Adam Dalgriesh)と呼んでいます。
今回のドラマでもダルグリッシュの部下として働く様になったケイト・ミスキンは、原作でもずっと登場
します。
そして、ケイトとダルグリッシュの微妙な心のあやも興味深い点かと。



そして、ワタクシが再読中に気づいたのが(殆んど全部記憶喪失なので、順次再読中)、乗っている車
が”ジャガー”。 おッ!モースと同じ?と1人で感激していた所、ジャガーはジャガーでもモースの様な
クラシックタイプではなく、XJSというタイプらしいです。

ドラマで使用されていた車はコチラ ↓


今回ドラマ化された作品は1970年代を舞台にしていますが、何しろ40年に渡り続いた作品ですので、
原作では時代の移り変わりと共にPCや携帯電話等も登場する様になります。

P.D.ジェイムズによるアダム・ダルグリッシュ警部シリーズは全部で14作品ありますが、ドラマが今後
続くのかどうかは今のところ不明です。 (一部ではS2の噂も出ていますが・・・)

その原作は下記に
1.1962年 ”Cover Her Face” 『女の顔を覆え』 
2.1963年 ”A Mind to Murder” 『ある殺意』
3.1967年 ”Unnatural Causes” 『不自然な死体』
4.1971年 ”Shroud for a Nightingale” 『ナイチンゲールの屍衣』
5.1975年 ”The Black Tower” 『黒い塔』
6.1977年 ”Death of an Expert Witness” 『我が職業は死』
7.1986年 ”A Taste for Death” 『死の味』
8.1989年 ”Devices and Desires” 『策謀と欲望』
9.1994年 ”Original Sin” 『原罪』
10.1997年 ”A Certain Justice” 『正義』
11.2001年 ”Death in Holy Orders” 『神学校の死』
12.2003年 ”The Murder Room” 『殺人展示室』
13.2005年 ”The Lighthouse” 『灯台』
14.2008年 ”The Private Patient” 『秘密』

以前コチラでご紹介した『死の味』の新版は只今再読中です。

P.Ð.ジェイムズの作品にはダルグリッシュ警部シリーズ以外にも何作かありますが、その中でチョット
毛色の違うのが、ジェーン・オースティンによる名作『高慢と偏見』の2次創作というか、スピンオフと
いうのかの作品で『高慢と偏見そして殺人』”Death Comes to Penberley”があります。

ドラマ化もされており、大変贅沢な出演者と共に、なかなか見応えのある見事なミステリになっていました。


ついでにご紹介しておきます。

概略はコチラに ↓
※ BBCドラマ「高慢と偏見そして殺人」(1)



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
14作品の (Abi)
2022-03-19 17:01:41
うち、5作品観たことになりますが、もっと観たいです(欲張り!)神学校の死、殺人展示室観直しています、もう記憶のキの字も残ってないです。有難い事に新鮮です、,、、良い事もあるわ。待ちに待ってが良いのかも、遠い先と思っていたアストリッド明後日ですもの、楽しみ!
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>14作品の (Yam Yam)
2022-03-19 20:20:46
Abiさん、
そうですね、マーティン・ショウ版が2作品ありましたので、全部で5作品ご覧になった訳ですわね。私は3
作品だけど・・・(泣)。 私も順次読み直ししている所です。やはりP・D・ジェイムズ作品は好きです。
仰る通り、すっかり忘却の彼方になっている作品は改めて新鮮な気持ちで読み直しが出来ますね。
良いのか悪いのか・・・・(笑)
楽しみにお待ちになっていた『アストリッドとラファエル』もあっという間にめぐって来ましたね。楽しみでは
あるけど、同時に時間の経つ速さに改めて驚きますわ。 
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