お気楽忍者のブログ 弐の巻

ミニカー収集/お魚採取/動植物フォト/行楽記・・・趣味のごった煮ブログ

MY LIBRARY  ガンと戦った昭和史

2024年11月19日 01時00分00秒 | 本の紹介

書名:ガンと戦った昭和史 塚本憲甫と医師たち
著者:塚本哲也
出版社:文春文庫
出版年:1995年
ジャンル:ノンフィクション

内容紹介(背表紙説明より)
ガンの放射線治療の世界的権威で、第四代国立がんセンター総長塚本憲甫。飾らない人柄と公平な態度で誰からも敬愛された塚本の生涯をたどりながら、様々な医師の活躍、池田勇人、高見順、市川左団次ら患者たちとの心温まる交流を通して、日本におけるガン征圧の苦闘の歴史を描いた大河ノンフィクション。

ガンの放射線治療の世界的な権威で、"臨床の鬼"と言われ、日本におけるガン征圧の最前線で戦ってきた塚本憲甫(けんぽ)医師の生涯を描いた本作は第8回講談社ノンフィクション賞を受賞しました。

東大、癌研、放医研、がんセンターでガン撲滅に尽力した塚本医師の生涯は読みごたえがあり、感銘を受けました。

著者の塚本哲也氏は憲甫氏の長女の夫で、毎日新聞記者や防衛大学校教授を務めたそうです。

その人柄から、患者や医師に敬愛された塚本医師も最後はガンに侵され、がんセンター総長に在職のまま亡くなってしまうという結末は衝撃的でした。。。

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MY LIBRARY 新幹線がなかったら

2024年10月12日 03時00分00秒 | 本の紹介

書名:新幹線がなかったら
著者:山之内秀一郎
出版社:朝日文庫
出版年:2004年
ジャンル:ドキュメント

内容紹介(背表紙説明より)
世界一と言われる新幹線。しかし、その誕生までの道のりは決して易しくはなかった。新幹線の計画段階から、設備トラブル、労使間の対立や事故を乗り越えてきた歴史を、海外の鉄道事情も絡め、自身の経験と豊富なデータや写真で、JR東日本会長(執筆当時)の著者が綴る。

この10月1日に開業60周年を迎えた東海道新幹線。

新幹線はこれまでにのべ70億人(世界人口の85%くらい)を運びました。開業当時は新幹線でも4時間かかった東京~新大阪間も、車両・インフラ技術の進歩で、現在は最短2時間21分で結びます。

本書は必ずしも新幹線だけの話ではありませんが、国鉄の歴史や鉄道技術者の奮闘など、幅広く国鉄の鉄道史を眺めるにはちょうど良い本かと思います。

【Youtube】JR東海CM/60年分の会いにいこう

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MY LIBRARY 成瀬は天下を取りにいく

2024年10月05日 20時00分00秒 | 本の紹介

書名:成瀬は天下を取りにいく
著者:宮島未奈
出版社:新潮社
出版年:2023年
ジャンル:小説

2024年の本屋大賞を獲得した宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」を読みました。

内容紹介
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが・・・。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、大津市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!

滋賀県大津市に住む中2の成瀬あかりは、勉強もスポーツもできるパーフェクトガール。でも、それを自慢することもなく、いつも飄々としたちょっと変わった女の子。将来の夢は200歳まで生きること。スケールの大きいことを口にしますが、それは日頃から目標を口に出して種を撒いておくことが大切だと信じているから。。

物語は、そんな変わった成瀬あかりの行動が周囲の人(友人、近所の人、街の住人など)の目線から語られていきます。

読みやすい話で、逆に読書好きにとっては途中まで物足りなさも感じていましたが、読了感はとても爽やかで、成瀬あかりがこれからどんな道を歩むのか目が離せなくなってしまいました。続篇の『成瀬は信じた道をいく』も読もうと思います。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが・・・。

冒頭からこんな感じで、とくかく全編、 滋賀、滋賀、滋賀で、これ他府県の人が読んでも面白いのかなと心配になっちゃうくらい滋賀感満載でした ww

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MY LIBRARY  アルツハイマー征服

2024年09月27日 04時00分00秒 | 本の紹介

書名:アルツハイマー征服
著者:山下進
出版社:角川文庫
出版年:2023年
ジャンル:医学ノンフィクション

内容紹介(背表紙説明より)
50パーセントの確率で遺伝し、その遺伝子変異を受け継げば、100パーセント発症する。しかもその発症は若年。アルツハイマー病の解明は、この家族性アルツハイマー病の家系の人々の苦しみの上に築かれた。遺伝子の特定からトランスジェニック・マウスの開発、ワクチン療法から抗体薬へ。名声に囚われた科学者の捏造事件。治験に失敗した巨大製薬会社の破綻。治療薬開発に参加した女性研究者の発症とその苦悩。そして家族性アルツハイマー病を患った母の人生を語った女性の勇気。幾多のドラマで綴る、治療法解明までの人類の長い道。

本書はアルツハイマー病の解明や治療薬の開発に挑んだ科学者たちの物語で、非常に読み応えがありました。

1年前、日本でもアルツハイマー型認知症治療薬(進行抑制薬)のレカネマブが製造承認されました。既に承認されているアメリカでは年間使用費が390万円と高額であり、日本では保険適用で年間298万円となりました(2023年末の情報)。

アルツハイマー患者の脳に見られるβアミロイドの沈着はこの疾患の原因なのか、結果なのか議論もありましたが、βアミロイドに対する抗体医薬で認知機能の悪化の進行がプラセボよりも抑制されるということは、少なくともβアミロイドが症状悪化に関与してることは分かりました。

この9月25日には新薬のドナネマブも承認されましたが、アメリカでの年間使用費はやはり460万円と高額。。。

若くしてアルツハイマー型認知症を発症してしまった患者さんやご家族には希望の光かもしれませんが、日本のサラリーマンの平均年収とほぼ同じこの金額はかなりの足枷になってしまいそうです。

そして、2050年には高齢者の3分の1が認知症になる時代に突入してしまいます。。。

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MY LIBRARY 昭和の時代終わる 

2024年04月29日 12時00分00秒 | 本の紹介

書名:アサヒグラフ緊急増刊 天皇陛下崩御
著者:---
出版社:朝日新聞社
出版年:1989年
ジャンル:雑誌

昭和64年(1989年)1月7日午前6時33分に崩御された裕仁天皇(昭和天皇)。

大学3年生の正月休みで実家に帰省している時に崩御されたのを覚えています。

日本の国家元首として、近代化、太平洋戦争、敗戦、高度経済成長といった激動の時代を生きた昭和天皇。その評価は後世の歴史家に委ねるとして、戦後 ここまで平和で抜群の安定感を持続している国は日本だけではないでしょうか。

個人的には、勤勉で賢い国民と、象徴とは言え、首長の上に天皇を頂く我が国の国体がその理由のひとつなんじゃないかと思います。

今日4月29日 「昭和の日」は、もともと(昭和)天皇誕生日でしたね。

「昭和の日」は、『激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日』と祝日法に定められています。

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MY LIBRARY  メタルカラーの時代

2024年03月13日 04時00分00秒 | 本の紹介

書名:メタルカラーの時代 (1~3)
著者:山根一眞
出版社:小学館
出版年:1993-1998年
ジャンル:ルポタージュ

メタルカラーの時代は、山根一眞氏が1991年から週刊ポストで連載していたルポで、日本が優れた技術を有していると考えられている分野について、現場のルポや技術者へのインタビューで構成されていました。

内容紹介
1:貿易黒字の原因として、米国から攻撃され続ける日本の「工業」。この古びた言葉の中身が、これほど驚きにあふれ、チャーミングなものだったとは。「ホワイトカラー」の背後で日本を支え続けてきた技術者「メタルカラー」たちの衝撃の証言集。
2:史上最小の道具「LSI検査針」実現の頭と手、たった1回の実験で成功したリチウムイオン電池、大震災で緊急停止した神戸製鋼炉の復活。先端工業国日本を支えるメタルカラーたちが日本の秘密を明かす44話。
3:純国産のH-2ロケット、世界一の明石海峡大橋。日本には未来に誇れる技術がある。創造的技術者「メタルカラー」たちが、その秘密を余すところなく語った。〃底冷え日本〃に元気を取り戻すモノ作り奮戦記。

メタルカラーとは、現場職のブルカラー、事務職のホワイトカラーでもない、創造的工業技術者を指す、山根氏の造語。

ちょうど、管理人が研究者として仕事を始めた頃に出版された単行本シリーズで、当時はワクワクしながら読みました。

それからおよそ30年、様々な技術開発の現場での不正や捏造が日々、ニュースで取り沙汰されるようになってしまいました。あの頃の技術者魂はどこへ行ってしまったんでしょう

久しぶりにこの本を手にして、そんなことを考えてしまいました。

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MY LIBRARY  僕はしゃべるためにここへ来た

2024年03月11日 06時00分00秒 | 本の紹介

書名:増補版 僕はしゃべるためにここ<被災地>へ来た
著者:笠井信輔
出版社:新潮文庫
出版年:2016年
ジャンル:ノンフィクション

内容紹介
2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。翌日から笠井の現地取材は始まった。目の前で発見される遺体と泣き崩れる家族。どう言葉をかけたらよいのかわからなかった。「水がない」と訴える人の声を聞きながら、取材車に積んである水を配るべきか悩んだ。何のためにここに来たのか--- 報道人としての葛藤や失敗、今も続く被災者との交流を綴る渾身の震災ノンフィクション。

元日に発生した能登半島地震のショックも冷めやらぬうちに、今年も追悼の日がやってきました。

東北地方を襲った東日本大震災から13年が経ちました。死者は1万5,900人、未だ 2,500人を越える行方不明者がいることを思うと、心が痛みます。

本書は元フジテレビの笠井アナウンサーが東日本大震災の取材体験を綴ったルポで、初版は2011年11月に発行(産経新聞出版)されました。その後、笠井アナは2019年に悪性リンパ腫で活動を休止し、闘病を続けていましたが、2020年に寛解し、活動を再開されました。

2月末から発生している千葉県の地震も気になります。伊予灘から四国、和歌山北部の中央構造線沿いでちょくちょく起こっている地震も非常に気になります。

今日は、万が一の時の備えについて今一度考えてみる日でもありますね。

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MY LIBRARY 甲賀を繙く 

2024年02月09日 04時00分00秒 | 本の紹介

書名:甲賀を繙く(ひもとく)
著者:甲賀市教育委員会
出版社:甲賀市教育委員会
出版年:2006年
ジャンル:歴史

地元、滋賀県甲賀市の文化財をまとめたムック本です。

この地に住んで今年で31年、まだまだ知らないことがいっぱいあります。

甲賀は県内でも有数の仏像の多さを誇ります。

右の写真は櫟野寺の秘仏 十一面観音菩薩坐像で、像高は3m12cmと、日本でも最大の坐像になります。御開帳は33年に1度で、管理人も拝観したことがありますが、下から見上げた時の慈悲深い目が今も印象に残ってます。

平安期の仏像が多いことも甲賀の特徴。古来、仏像を作る工房が甲賀にあったのではないかという説を唱えている研究家もいるようです。

甲賀の祭りの数々・・・

甲賀市では国、県、市が指定する有形文化財や無形民俗文化財が276もあり、まだまだ文化財巡りが楽しめそうです

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MY LIBRARY  危機報道

2024年01月31日 18時00分00秒 | 本の紹介

書名:危機報道 その時、わたしは・・・
著者:宮田修
出版社:関西書院
出版年:1995年
ジャンル:ドキュメント

内容紹介(BOOKデータベースより)
突然襲った激しい揺れ―「放送しなくては」。その日、1月17日、NHKアナウンサー宮田修は、カメラの前に11時間あまり座り、次々に明らかになる大震災の惨状を伝えた。そのとき彼は、何を考え、何に迷い、どんな言葉を選んで放送を続けたか―四半世紀、25年のアナウンサー生活を振り返り、あの大震災報道を自ら検証する。

1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災。

甲賀は震度4で、揺れはさほどでもなかったんですが、さすがに飛び起きました。

テレビを点けると、NHK大阪局の宮田修アナが冷静に各地の震度や被害状況を伝えていました。

最初は落ちてきた物に当たって怪我をしたというような被害を伝えておられたように記憶してますが、夜が明けると被害の甚大さが明らかとなってきました。

代わりのアナウンサーもおらず、宮田アナは震災発生時から11時間に渡って、冷静かつ適切に震災状況を伝え続けました。

その後、宮田アナは東京に移動となり、1995年3月からNHKニュース7のキャスターも務めておられたので、全国的な顔になりました。2002年には神職の資格を取り、退職する2008年まで、神社の宮司とNHK職員の二足の草鞋を履いていたそうです。

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MY LIBRARY 首都防衛

2024年01月24日 22時14分56秒 | 本の紹介

書名:首都防衛
著者:宮地美陽子
出版社:講談社現代新書
出版年:2023年
ジャンル:災害ノンフィクション

内容紹介(出版社より)
首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山大噴火・・・。過去にも一度起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか? 命を守るために、いま何をやるべきか? 最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは・・・。

全国紙記者を経て、東京都知事政務担当特別秘書をされてる著者。

近い将来に発生するであろう首都直下地震や南海トラフ巨大地震で首都東京はどのような被害を受けるのか?

その時、どのように対応したらよいのか?

本書の中で印象に残ったのは、『半年に1度は家族防災会議を』という1節でした。

名古屋大学減災連携研究センターの武村雅之特任教授の話として、「子どもが学校に通っている頃は、妻と高齢の両親と半年に一度、地震に襲われた場合にどこに逃げるのか避難場所を確認していた。地震が起きれば仕事上、職場に向かわなければならず、家族との合流ポイントを確認しておく必要があるからだ。電話はつながらないことを前提に集合場所を決め、離れた場所で被災した場合には「○○小学校の南門の前」「午前9時と午後5時に10分間待つ」と具体的に決めておく。自宅から避難したときには玄関ドアに「逃げている」と張り紙をしておくことも大事だ。」

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MY LIBRARY  MM9

2024年01月23日 21時29分44秒 | 本の紹介

書名:MM9(エムエムナイン)
著者:山本弘
出版社:創元SF文庫
出版年:2010年
ジャンル:SF

内容紹介(BOOKデータベースより)
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“気象庁特異生物対策部”略して“気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に、正体の特定、自衛隊と連携しての作戦行動…。相次ぐ難局に立ち向かう気特対の活躍を描く本格SF+怪獣小説。

自然災害のひとつとして怪獣災害も起こる世界というシチュエーションがまず面白い物語でした。そして、天気や地震の観測と同じように、怪獣出現の兆候を捉え、行動分析する部署が気象庁にある気特対(気象庁特異生物対策部)です。

MMとは怪獣災害の規模を表すモンスターマグニチュードのことで、MM9は体積4,000~10,000トン、身長50~68mの怪獣によってもたらされる災害の規模を表してました(笑)

著者のSF作家の山本弘氏は『と学会』の元会長。

と学会は世間のとんでもない本(ドンデモ本)やトンデモ物件を品評することを目的にした任意団体で、トンデモ本を紹介する本も複数出してます。

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MY LIBRARY スペイン風邪の正体を追って 

2023年10月15日 18時00分00秒 | 本の紹介

書名:四千万人を殺したインフルエンザ
著者:ピート・デイヴィス
出版社:文藝春秋
出版年:1999年
ジャンル:ノンフィクション

内容紹介(BOOKデータベースより)
1918年、第1次大戦のさなか、「風邪」が世界を席巻した。全米の犠牲者は戦死者数を上回り、日本でも38万人が死亡。住民が全滅し、地図からその名が消えた町もあった。このおそるべきインフルエンザウイルスを追って、1998年、調査団が極北の墓所へ向かった。永久凍土に埋葬された遺体の胸からウイルスを採取しようというのだ。しかし・・・。

1918~1920年に世界的に大流行したインフルエンザ(スペイン風邪)。

本書では死者4,000万人とされてますが、おそらく全世界で1億人が亡くなったと言われてます。日本では当時の人口の43%が感染、39万人が死亡しました。

1997年にアラスカの永久凍土からスペイン風邪で亡くなり、埋葬されていた4遺体が掘り起こされ、肺組織がサンプリングされました。ゲノム解析の結果から、鳥インフルエンザに由来するH1N1亜型のウィルスがスペイン風邪の原因であったと判明したのは本書が出版された後でした

解読されたゲノム配列を使って復元されたウィルスは現在のインフルエンザウィルスの30倍の増殖力と強い肺炎と免疫調節異常を引き起こすことが分ったそうです。

読んだ当時の印象とコロナのパンデミックが起こった今読んだ場合では随分印象が違うでしょうね。将来また起こるであろうパンデミックへの備えの必要性をヒシヒシと感じます。

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MY LIBRARY 南極1号伝説 

2023年10月12日 04時00分00秒 | 本の紹介

書名:南極1号伝説 ダッチワイフの戦後史
著者:高月 靖
出版社:文春文庫
出版年:2009年
ジャンル:ノンフィクション

内容紹介(背表紙説明より)
南極越冬観測隊員が持参したといわれるダッチワイフ。その真偽はさておき、知られざるダッチワイフの戦後史を綿密な取材で掘り起こすとともに、「ラブドール」と呼ばれる精巧なシリコン製ダッチワイフが開発されるまでの苦労話、エンドユーザー達の悲哀と楽しみを現在進行形で描いた異色のノンフィクション。

大衆風俗や性風俗といったいわば表には出てこない部分にフォーカスした著作を読み漁った時期がありました。そういった世界も人間の疑わざる本質の一部ですからね。

本書はダッチワイフからラブドール(現在はそう呼ばれます)に至る特殊用途愛玩人形の歴史や開発者たちの苦労話を丁寧に掘り起こし、真面目に取材した1冊でした。

裏プロジェクトXにでもできるんじゃないの(笑)

最近のラブドールの造形には目を見張るものがありますからね。

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MY LIBRARY  にっぽん入門

2023年10月10日 18時00分00秒 | 本の紹介

書名:にっぽん入門
著者:柴門ふみ
出版社:文春文庫
出版年:2009年
ジャンル:旅行記

内容紹介(背表紙説明より)
お伊勢参りに裸祭り、ねぶた、だんじり、阿波踊り…基本アポなし、お忍び、一泊二日。疲れたら休む。『ぶつぞう入門』に続き、日本人の“心”を求めて、漫画家・柴門ふみが締切の合間を縫い、北海道から九州まで、全国を訪ね歩いた、時にはお気楽で、時にはハードな諸国漫遊記。

ドラマにもなった『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』の原作者である漫画家・エッセイストの柴門ふみ氏の作品です。

氏の漫画はあすなろ白書以外は読んだことがありませんが、エッセイは軽妙で面白くてハマった時期がありました。特にこの「にっぽん入門」や「ぶつぞう入門」といった紀行モノが大好きでしたね。

よそいきの旅行解説ではなく、柴門氏が素直に感じたことが書かれていて、クスっと笑っちゃうところも多々ありました。各章ごとにミニ漫画があるのも面白いポイントでした。

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MY LIBRARY  セラピスト

2023年10月06日 18時00分00秒 | 本の紹介

書名:セラピスト
著者:最相葉月
出版社:新潮文庫
出版年:2016年
ジャンル:ドキュメント

内容紹介(背表紙説明より)
『絶対音感』『星新一』の著者が選んだ次なるテーマは〈心の病〉だった。河合隼雄の箱庭療法を試み、中井久夫から絵画療法を受け、自らもカウンセリングを学んだ。心の治療のあり方に迫り、セラピストとクライエントの関係性を読み解く。そして五年間の取材ののち、〈私〉の心もまた、病を抱えていることに気づき・・・。現代を生きるすべての人に響く、傑作ドキュメンタリー。

科学技術と人間、スポーツ、音楽をテーマにしたノンフィクションを執筆されている最相葉月氏の著作です。

絶対音感の能力を音楽家や脳科学者、心理学などへのインタビューを通して多角的に検証した「絶対音感」やバイオテクノロジーの進展をテーマにした「青いバラ」は面白かったですね。

うつ病100万人時代と言われる現在。著名な心理学者である河合隼雄や中井久夫氏氏への取材や自らも臨床心理学を学ぶために東洋英和女学院大学大学院に通い、また、心理療法とセラピストの歴史など、多角的見地から心の病とその治療法について書いた力作だと思います。

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