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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

朝の詩 ( たより )

2013-08-14 10:58:17 | 徒然の記

 産經新聞の朝刊の一面に、毎日詩が掲載される。これも、その一つだ。

    震災の日から いなくなった人よ

    崩れた家は  片付けました

    庭の桜は折れながらも 満開の花でした

    今は待宵草の 咲きはじめです

    放射線量は  少し下がりました

    眉月の下で  つゆ草が

    涙をためています

    たよりを下さい

 
 福島県の阿部正栄さんの作品だ。震災の傷跡から、回復しつつある福島の状況が綴られている。大変だったんだろうなと、作者の思いに近づいて行く。そして、最後の一行。

「たよりを下さい」・・・

 突然こみあげるものに、抗し切れなくなった。こぼれる涙を、あわててふいた。

 この最後の一行は、詩的叙述に混じった日常語である。この日常語のため、作者の願いが、読む人のこころにこれ程切なく響くのかと、ブログに残さずにおれなくなった。最後の一行がなかったら、良く出来た普通の詩だったが、これを無技巧の技巧というのだろうか。

 8月8日の朝に、私と同じように涙を拭った人はきっと沢山いたに違いない。「朝の詩」を読みながら、朝日新聞の記事は今でも安倍総理への批判と、反日の合唱であることだろうと考える。朝日を読んでいる人には、もちろんこんな感動は届かない。

 可哀相なことではないか。

コメント
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