田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

光る目/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-07-26 15:52:09 | Weblog
34

 患者を搬入する連絡はしてある。
 長い廊下のむこうから看護師がくる。
 白衣に黒のカーデガンをはおっている。
 ああ、よかった。
 看護師さんがきてくれた。
 これから先は、病院のスタッフに任せよう。
 つかれた。
 きょう一日、いろんなことがあり過ぎた。
 これで家に帰っておばあちゃんとゆっくり寝られる。
 だがそうはならなかった。
 なかなか近寄ってこない。
 看護師のようすがへんだ。
 なによ。
 こんなとき。
 なに、のんびり歩いてくるのよ。
 彩音はジレた。
 走りだした。
 廊下は走らないでください。
 文句を言うものはいない。
 彩音は走った。
 走った。
 背中で楔がカタカタ音をたてている。
 看護師が歩くのを止めた。
 倒れた。
 看護師が倒れた。
 倒れた。
 こちらをむいている。
 口をOの字に開けている。
 救いをもとめるように。
 手をあげた。
 なにかおかしい。
 おかしい。
 文音の背後からストレッチヤー。
 救急隊員が必死で……。
 血を吸われた犠牲者をのせたストレッチャーを押してくる。
 どかどかと靴音が高鳴る。
 それがぴたっととまった。
 彩音もみた。
 看護師の倒れた廊下の角を曲がって、でた。
 でたぁ。
 吸血鬼が。5人? もいる。
 ここにも、吸血鬼は侵攻していた。
 さきほど倒してきたふたりと微妙にちがう。
 口元に真っ赤な血。
 赤く光る目。
 むきだしの鉤爪。
 のびきった犬歯、乱杭歯。
 鉤爪。犬歯。乱杭歯。
 三点セットはおなじだ。
 吸血鬼の三種の神器。
 だが、強そうだ。
 階級がさきほどのヤツよりも上みたいだ。
 







インターバル/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-07-26 13:12:39 | Weblog
7月26日 土曜日
インターバル/吸血鬼ハンター美少女彩音のモデルは探さないでください。


■わたしの住む町の読者のかた。
おねがいがあります。
この小説のモデルを探さないでください。
これはあくまでもファンタジー小説です。

■東中学の校長先生が吸血鬼に憑依されている場面にこれから筆を進めます。
悩みました。
架空の町の事件にするべきではなかったか。
これからもこの町の地名や建物、商店名がでてきます。
ですが、これは小説です。
現実の人物や事件とは全く関係ありません。

■おねがいします。
あくまでもファンタジーとしてお楽しみください。
もしご迷惑がかかったようでしたらコメントしてください。

■実は、この小説の第一稿は4年ほど前にある文学賞に応募しました。
予選落ちしました。
その時のコメントが教育界を批判的に書かないようにということでした。

■いま、大分県の教育界が贈収賄事件で大騒ぎとなりました。
日本でもトップレベルの文化のある県です。
ほんとうに残念です。
はやく立ち直ってくれればいいですね。

■栃木県は知名度が全国最下位だそうです。
そしてわが故郷鹿沼も鹿沼土の産地として知られているくらいです。
小説の舞台として登場させることですこしでも有名になればいいなと思います。
風光明媚なすばらしい土地です。
ぜひこの小説の冒頭にある幽霊橋、川上澄生美術館などをご訪問ください。

■では宵闇の迫るころ今宵またお会いしましょう。

■やはりまずいわよ。とカミサンにいわれました。これからは鹿沼中学とすることにします。途中からの変更お許しください。


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輸血/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-07-26 11:42:55 | Weblog
33

11

 鹿沼消防署。
 緊急センターのブザーがなった。
 今夜はじめての救急車の出動指令がでた。
 出動要請地は『川上澄生美術館』の前庭。
 取り壊し寸前の幸橋のたもとだという。
 なんであんな場所に……。
 少女が三人も倒れていたのだ。
 そういえば。
 あの役立たずの橋の柱に。
 暴走族のスプレーペンテイングがある。
 なんどけしても性懲りもなく。
 ヤッラはドハデナ赤のアクリルスプレーで書く。
 吸血鬼参上。
 真っ赤な髭文字がどくどくしい。
 凶念をおびているような文字。
 だれもが目撃している。
 まさか、あそこに本物の吸血鬼が現れたわけでもあるまい。
 血が皿になっていることもある。
 吸皿鬼。
 ジョークにもならない。
 血と皿も正確に覚えていないのか。
 はやくあの橋は壊されてしまえばいいのだ。
 コンクリート製の幅広の橋脚なくなれば。
 ラクガキをすることが、ヤツラにもできなくなる。
 いくら消しても吸血鬼参上などというストリートアートは後を絶たない。
 ごていねいに赤のスプレーて吸血鬼のおぞましいペインテングまで描いてあるこ ともある。
 あのワルガキの、族のヤッラが女のこをまわしたのか。

 消防署から警察に連絡がはいった。
 警察のフロントでは帰りの遅い娘たちを案じて。
 三人の娘の親達が詰めかけていた。
 不安に顔を歪ませ、警官の後から街にとびだす。

「ああ、慶子。いま上都賀病院にむかってる。お母さんは夜勤?……]
「ここにいるわよ」
「至急輸血が必要なの。それも三人も」
「たいへんだぁ。血液たりないかもしれないよ」
「なにいってるの。信じられない。病院に血液の備蓄がないなんて、どういうこと」
 そこで。
 慶子は輸血用の血液のパックが盗まれた話を彩音にした。
「説明はあと。みんなの携帯にキンキュ集合かけるね」

 救急車のバックドアから彩音はとびだした。
 夜間だ。
 救急専用口から彩音は病院に走りこむ。
 だれもいない。
 出迎える者がいない。
 いくら夜間でも人気がなさすぎる。

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