田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

人狼を迎え撃つ/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-09-11 23:27:58 | Weblog
○奥様はバンパイァ 49

○青墨色の夜空に黎明の光が現れた。

やがて爽やかな皐月の朝風がバラの花をそよがせて吹きすぎていった。

予測したよりはやく神代バラ園についた。

○「イメージがあった……」

Gは玲加にいった。

その言葉には、彼の万感の思いがこめられていることを玲加はしらない。

Mは過去を見ていた。

過去に支配されていた。

過去の人狼に対する九尾族の恨みに支配されていた。

Gは未来を見ていた。

未来を推測することで現在の行動のありかたをきめる。

これはGの家系が「麻屋」を家業としてきたことによるらしい。

相場の変動の激しい商売だった。

朝と夜では「麻」の値段が変わることすらあった。

先の相場を読む。

株屋のような商売だった。

その判断のいかんによって利益はおおきく変わった。

だからこそ先のことばかりかんがえる。

そして、これから先のことがイメージとして現れる。

それを読み取る能力が培われている。

イメージは夢の形をしていた。

そして「バラ園が襲われていた」夢をみたのだった。

わが家のバラ園よりずっと広かった。

そして、Gのしっているバラ園といえば、ここしかなかった。

クリッパーで東北道をとばして南下した。

いま、Mと玲加とGは夜明けの神代バラ園にたっていた。




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