9月13日日曜日
○きょうは小説はおやすみです。
「あなた。そっちは女性トイレよ」
カミサンの大声がとびこんできた。
わたしはまさにズボンをさげ洋式トイレに座ろうとしていた。
亭主が目前から消えてからふとなにげなく見上げた。
女性の赤い服のマーク。
あわててカミサンは大声でわたしに呼びかけてくれたのだ。
ズボンを上げながらあわてて出てきたわたしに。
「注意しなくちゃ、駄目じゃない」と手厳しい。
だれもいなかったからいいようなものの、わたしが入りこんだのは女性用のトイレ
だったのだ。
「いつもが左側は男性用だった」
言い訳の言葉を残して、こんどこそまちがいなく右側の男性用のトイレに入った。
「各階によってちがうからだ。どの階も男性用は左なら左と統一すればいいのに」
照れを隠すためかめずらしくわたの舌鋒が鋭い。
宇都宮は東武デパートでのことだった。
レストランにはいった。
後ろの席の女性客がタバコをぷかぷかすっている。
わたしもカミサンもむせた。
咳こんでしまった。
「ああいうお姉さんがトイレにいなくてよかった。痴漢としてまちがわれたらたい
へんだったよな」
こづきまわされたかもしれない。
いつものわたしにもどって、ニャリとわらう。
諧謔のきいた会話となりいつものじぶんをとりもどした。
「鼻から煙はいている。それも四人そろってだ」
わたしは、女性客の様子を小声でカミサンに伝える。
タバコの煙が目に沁みて涙の食事をすませた。
街にでてから一言。
「ミイマがいてくれてよかつた。しらずにあのままあそこにいたら……」
年のせいで注意力がおちた。
わたしはカミサンにお礼を言う。
元気をとりもどして、歩きだした。
立ち直りの早いのがわたしの取り柄というところか……。
あなたのポチが筆者の励みとなります。よろしく。
↓
○きょうは小説はおやすみです。
「あなた。そっちは女性トイレよ」
カミサンの大声がとびこんできた。
わたしはまさにズボンをさげ洋式トイレに座ろうとしていた。
亭主が目前から消えてからふとなにげなく見上げた。
女性の赤い服のマーク。
あわててカミサンは大声でわたしに呼びかけてくれたのだ。
ズボンを上げながらあわてて出てきたわたしに。
「注意しなくちゃ、駄目じゃない」と手厳しい。
だれもいなかったからいいようなものの、わたしが入りこんだのは女性用のトイレ
だったのだ。
「いつもが左側は男性用だった」
言い訳の言葉を残して、こんどこそまちがいなく右側の男性用のトイレに入った。
「各階によってちがうからだ。どの階も男性用は左なら左と統一すればいいのに」
照れを隠すためかめずらしくわたの舌鋒が鋭い。
宇都宮は東武デパートでのことだった。
レストランにはいった。
後ろの席の女性客がタバコをぷかぷかすっている。
わたしもカミサンもむせた。
咳こんでしまった。
「ああいうお姉さんがトイレにいなくてよかった。痴漢としてまちがわれたらたい
へんだったよな」
こづきまわされたかもしれない。
いつものわたしにもどって、ニャリとわらう。
諧謔のきいた会話となりいつものじぶんをとりもどした。
「鼻から煙はいている。それも四人そろってだ」
わたしは、女性客の様子を小声でカミサンに伝える。
タバコの煙が目に沁みて涙の食事をすませた。
街にでてから一言。
「ミイマがいてくれてよかつた。しらずにあのままあそこにいたら……」
年のせいで注意力がおちた。
わたしはカミサンにお礼を言う。
元気をとりもどして、歩きだした。
立ち直りの早いのがわたしの取り柄というところか……。
あなたのポチが筆者の励みとなります。よろしく。
↓