田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

亭主の権威失墜? 麻屋与志夫

2009-09-13 22:31:19 | Weblog
9月13日日曜日


○きょうは小説はおやすみです。


「あなた。そっちは女性トイレよ」


カミサンの大声がとびこんできた。


わたしはまさにズボンをさげ洋式トイレに座ろうとしていた。


亭主が目前から消えてからふとなにげなく見上げた。


女性の赤い服のマーク。


あわててカミサンは大声でわたしに呼びかけてくれたのだ。


ズボンを上げながらあわてて出てきたわたしに。


「注意しなくちゃ、駄目じゃない」と手厳しい。


だれもいなかったからいいようなものの、わたしが入りこんだのは女性用のトイレ


だったのだ。


「いつもが左側は男性用だった」


言い訳の言葉を残して、こんどこそまちがいなく右側の男性用のトイレに入った。


「各階によってちがうからだ。どの階も男性用は左なら左と統一すればいいのに」


照れを隠すためかめずらしくわたの舌鋒が鋭い。


宇都宮は東武デパートでのことだった。


レストランにはいった。


後ろの席の女性客がタバコをぷかぷかすっている。


わたしもカミサンもむせた。


咳こんでしまった。


「ああいうお姉さんがトイレにいなくてよかった。痴漢としてまちがわれたらたい


へんだったよな」 


こづきまわされたかもしれない。


いつものわたしにもどって、ニャリとわらう。


諧謔のきいた会話となりいつものじぶんをとりもどした。


「鼻から煙はいている。それも四人そろってだ」


わたしは、女性客の様子を小声でカミサンに伝える。


タバコの煙が目に沁みて涙の食事をすませた。


街にでてから一言。


「ミイマがいてくれてよかつた。しらずにあのままあそこにいたら……」


年のせいで注意力がおちた。


わたしはカミサンにお礼を言う。


元気をとりもどして、歩きだした。


立ち直りの早いのがわたしの取り柄というところか……。




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