田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

人狼vs吸美族 奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-09-14 08:30:40 | Weblog
奥様はバンパイァ 50

○はじめはバイクのひびきたった。


バラ園の裏の林からとうとつにバイクの集団が現れた。


玲加はバラの鞭をかまえた。


「おまえが、玲加か……? なるほど、知性美がある」


「近ごろあまり聞かないほめ言葉ね。でもありがとう。これはどうしたことなの」


「大麻ファクトリがつぶされたのでな。化沼にいることができなくなった。われら


一族そろって奈良にもどろうかとおもってな」


「あんたはだれなの??? 武はどうしたの」


「弟は化沼にノコしてきた。おれは章夫」


「その章夫さんがなんのごようかしら」


「なるほど。物おじしない娘だ」


「われわれわな、九尾の狐をほろぼしても都のものは約束した恩賞を果たしてくれ


なかった。いらい犬飼の地で百姓をして生きてきた。麻の栽培をして暮らしをたて


てきた。麻の繊維は合成繊維の発明で不要のものとなったが、麻の葉が乾燥大麻と


してうれることに気づいたのさ。それをつぶされたのだ」


「それでこんどはわたしたちを恨むというわけなの」


返事はなかった。


いやあった。


人狼のバイクがバラ園の方角に走り出した。


○「させるか」Gはバイクに向かって発砲した。


Mがバラ園にむかう林の中の細い道にたちふさがっている。


バラの鞭が人狼の首にむかって生き物のように伸びる。




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