奥様はバンパイァ 50
○はじめはバイクのひびきたった。
バラ園の裏の林からとうとつにバイクの集団が現れた。
玲加はバラの鞭をかまえた。
「おまえが、玲加か……? なるほど、知性美がある」
「近ごろあまり聞かないほめ言葉ね。でもありがとう。これはどうしたことなの」
「大麻ファクトリがつぶされたのでな。化沼にいることができなくなった。われら
一族そろって奈良にもどろうかとおもってな」
「あんたはだれなの??? 武はどうしたの」
「弟は化沼にノコしてきた。おれは章夫」
「その章夫さんがなんのごようかしら」
「なるほど。物おじしない娘だ」
「われわれわな、九尾の狐をほろぼしても都のものは約束した恩賞を果たしてくれ
なかった。いらい犬飼の地で百姓をして生きてきた。麻の栽培をして暮らしをたて
てきた。麻の繊維は合成繊維の発明で不要のものとなったが、麻の葉が乾燥大麻と
してうれることに気づいたのさ。それをつぶされたのだ」
「それでこんどはわたしたちを恨むというわけなの」
返事はなかった。
いやあった。
人狼のバイクがバラ園の方角に走り出した。
○「させるか」Gはバイクに向かって発砲した。
Mがバラ園にむかう林の中の細い道にたちふさがっている。
バラの鞭が人狼の首にむかって生き物のように伸びる。
あなたのポチが筆者の励みとなります。よろしく。
↓
○はじめはバイクのひびきたった。
バラ園の裏の林からとうとつにバイクの集団が現れた。
玲加はバラの鞭をかまえた。
「おまえが、玲加か……? なるほど、知性美がある」
「近ごろあまり聞かないほめ言葉ね。でもありがとう。これはどうしたことなの」
「大麻ファクトリがつぶされたのでな。化沼にいることができなくなった。われら
一族そろって奈良にもどろうかとおもってな」
「あんたはだれなの??? 武はどうしたの」
「弟は化沼にノコしてきた。おれは章夫」
「その章夫さんがなんのごようかしら」
「なるほど。物おじしない娘だ」
「われわれわな、九尾の狐をほろぼしても都のものは約束した恩賞を果たしてくれ
なかった。いらい犬飼の地で百姓をして生きてきた。麻の栽培をして暮らしをたて
てきた。麻の繊維は合成繊維の発明で不要のものとなったが、麻の葉が乾燥大麻と
してうれることに気づいたのさ。それをつぶされたのだ」
「それでこんどはわたしたちを恨むというわけなの」
返事はなかった。
いやあった。
人狼のバイクがバラ園の方角に走り出した。
○「させるか」Gはバイクに向かって発砲した。
Mがバラ園にむかう林の中の細い道にたちふさがっている。
バラの鞭が人狼の首にむかって生き物のように伸びる。
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