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ピピピピピピピ。
携帯のGPS機能が音をたてている。
そんなわけはない。
赤い点で彼女の所在は明示する。
でも、ピンポイントではない。
だいいち、音をたてているのはぼくの心拍だ。
ピピピではない。
ドッドッドッという心拍だ。
頭がいろいろなことを幻聴や幻覚としてみせている。
廊下の面したドアを開く。
部屋をのぞく。
いない。
開く。
のぞく。
いない。
あせる。
この瞬間にも彼女に危機が迫っている。
そう思う。
焦燥感にさいなまれる。
無事でいてくれ。
無事で――。
廊下を走る。
走る。
走る。
心拍がさらに速くなる。
高くなる。
切羽詰まる。
いや、心拍は彼女のモノだ。
彼女の心拍とシンクロしている。
まちがいない。
彼女はここにいる。
美智子が拷問にあって苦しんでいる。
そう思えてしまう。
はやく助けなければ。
隼人は走る。
どこにいるのだ。
どこだ。
美智子どこだ。
美智子、美智子、美智子と心で叫んでいる。
どこだ。
どこだ。
ピピピ。
ドッドッドッ。
美智子の苦痛の呻きに聞こえる。
心拍がさらに小刻みにひびく。
廊下のはずれに地下への階段がある。
隼人は必死だった。
周囲への配慮など、おかまいなし。
階段をダダダっと駆け下りる。
扉がある。
開ける。
だれもいない。
部屋の隅に直人の婚約指輪が落ちていた。
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ピピピではない。
ドッドッドッという心拍だ。
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部屋をのぞく。
いない。
開く。
のぞく。
いない。
あせる。
この瞬間にも彼女に危機が迫っている。
そう思う。
焦燥感にさいなまれる。
無事でいてくれ。
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走る。
走る。
心拍がさらに速くなる。
高くなる。
切羽詰まる。
いや、心拍は彼女のモノだ。
彼女の心拍とシンクロしている。
まちがいない。
彼女はここにいる。
美智子が拷問にあって苦しんでいる。
そう思えてしまう。
はやく助けなければ。
隼人は走る。
どこにいるのだ。
どこだ。
美智子どこだ。
美智子、美智子、美智子と心で叫んでいる。
どこだ。
どこだ。
ピピピ。
ドッドッドッ。
美智子の苦痛の呻きに聞こえる。
心拍がさらに小刻みにひびく。
廊下のはずれに地下への階段がある。
隼人は必死だった。
周囲への配慮など、おかまいなし。
階段をダダダっと駆け下りる。
扉がある。
開ける。
だれもいない。
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