田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

プチプチシートの怪/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-23 22:02:19 | Weblog
肥満男の影が微動している。

輪郭の線が何本も描かれている。

完成まえのコミックのキャラだ。

「やっぱりね」

理沙子が右足をひいた。

ひくくかまえなおす。

「どうしたの? 理沙子」

「キツイ敵だよ」  

「こいつらとは。

なんどもヤッテイル。

わたしら「黒髪」の宿敵「サターン」よ」

「それが、そうではないみたい。

ほかモノにとり憑かれたみたいよ」

「わかんない」

「GACTのGHOSTを想像して。

人間のこころはもっているけど……。

ほかのものになっている」

「わかんないよ」

「いいからこれみて」

黒髪とサターン。

いりみだれての闘争の場に。

理沙子はパッと。

白いシートを放る。

気泡シートがフワッと。

サターンの男たちのまえに落ちた。

ガクッと、アニメの動作で。

くびをかしげる。

シートをひろいあげる。

いままでの戦いをわすれてしまったのか。

その変化そのものが不気味ですらある。

かれらはひろいあげたシートの気泡を。

プチプチつぶしだした。

「なによこれ。あいつら気がふれたの」

「さあ、いまのうちに逃げるのよ」

理沙子はゆだんなくかまえをとかない。

すごい気迫だ。

いつかれらが気泡をつぶしおえてもいい。

いつでも戦える。

そんなかまえだ。





one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。


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