スピードの魅力ににとりつかれている。
最初は高校の時にまたがった原付スクーターだった。
ボアアップを繰り返し、キャブレターを交換し、チャンバーを交換した。
フルスロットル。
足りない直線。
最高速の快楽が終わる。
ゆるめるアクセル。
こうなってくると後はエスカレートするのみだった。
バイクの排気量が増えた。
1OOOccを越えたあたりでお金がつきた。
スピードを得るために労働した。
しかし、労働だけでは満足できるチューンを成し遂げられない。
そう限界だ。
人間はこの時選択する。
あきらめるか、あきらめないかの2択だ。
俺はラッキーだった。
恵まれた才能があった。
プログラムを組む才能。
そこそこのパソコンがあればプログラムは組める。
要は思いつきの具象化だ。
あれよあれよという間に富豪になっていた。
うなるマネーをつぎ込んだ。
それでも欲求は止まらない。
そんな時、事故を起こした。
車ごと崖から落ちた。
自爆だ。
幸い、車は全損したが、誰も巻き込まず、けがも無かった。
奇跡だ。
経験したことしか後悔できないのが俺だった。
バカな話だ。
そこでプライベートサーキットを建築し、ロボットを乗せ、サーキットを走らせる計画を立てた。
住居の近くでは広大な敷地を確保出来ないのでサーキット自体は何千キロもあっちだ。
しかしロボットの操縦は自分で行う。
加速Gや体感スピードはバーチャルシステムでほぼ正確に感じることが出来た。
めんたまが飛び出るくらいのフルブレーキングからのフルスロットル。
最高だった。
誰にも迷惑をかけず、けがもしない。
「あの人も本望だったと思います。100歳の誕生日に300kmの加速Gと共に老衰で死ぬなんて」
妻の計画だった。
サーキットは存在しない。
遠隔操作のロボットも存在しない。
存在したのはバーチャルシステムのみ。
本人は実際の車を操っていたつもりだったが、虚構のゲームだった。
しかし、本人は信じていた。
横で妻はそんな夫を何十年と見守っていた。
この人は本当に幸せだわ。
妻は信じていた。
夫も信じていた。
最初は高校の時にまたがった原付スクーターだった。
ボアアップを繰り返し、キャブレターを交換し、チャンバーを交換した。
フルスロットル。
足りない直線。
最高速の快楽が終わる。
ゆるめるアクセル。
こうなってくると後はエスカレートするのみだった。
バイクの排気量が増えた。
1OOOccを越えたあたりでお金がつきた。
スピードを得るために労働した。
しかし、労働だけでは満足できるチューンを成し遂げられない。
そう限界だ。
人間はこの時選択する。
あきらめるか、あきらめないかの2択だ。
俺はラッキーだった。
恵まれた才能があった。
プログラムを組む才能。
そこそこのパソコンがあればプログラムは組める。
要は思いつきの具象化だ。
あれよあれよという間に富豪になっていた。
うなるマネーをつぎ込んだ。
それでも欲求は止まらない。
そんな時、事故を起こした。
車ごと崖から落ちた。
自爆だ。
幸い、車は全損したが、誰も巻き込まず、けがも無かった。
奇跡だ。
経験したことしか後悔できないのが俺だった。
バカな話だ。
そこでプライベートサーキットを建築し、ロボットを乗せ、サーキットを走らせる計画を立てた。
住居の近くでは広大な敷地を確保出来ないのでサーキット自体は何千キロもあっちだ。
しかしロボットの操縦は自分で行う。
加速Gや体感スピードはバーチャルシステムでほぼ正確に感じることが出来た。
めんたまが飛び出るくらいのフルブレーキングからのフルスロットル。
最高だった。
誰にも迷惑をかけず、けがもしない。
「あの人も本望だったと思います。100歳の誕生日に300kmの加速Gと共に老衰で死ぬなんて」
妻の計画だった。
サーキットは存在しない。
遠隔操作のロボットも存在しない。
存在したのはバーチャルシステムのみ。
本人は実際の車を操っていたつもりだったが、虚構のゲームだった。
しかし、本人は信じていた。
横で妻はそんな夫を何十年と見守っていた。
この人は本当に幸せだわ。
妻は信じていた。
夫も信じていた。