「ねえねえ知ってる?この前発売されたi社のスマホの初期ロット、回収されたでしょう?なんでか知ってる?」
私は休日の朝、コーヒーショップでアイスコーヒーを飲んでいた。
後ろの席で女学生が二人、参考書を広げて勉強していた。
その女学生の会話が聞こえたのだ。
(i社のスマホの回収?知らないなあ・・・)
私は内心ひやひやしながら聞いていた。
なぜなら先日、そのスマホを購入したからだ。
「えー、回収。知らない知らない。
てか、同級生の京子が、見せびらかしてたの知ってるよ。
あいつのも回収かな」
「どうやら大々的に回収してるわけじゃあ無いらしいのよ。
その事に気づいてショップに持ち込むと別室に通されてスマホの交換と向こう十年の通話料無料、それと引き替えに誓約書に一筆書かされるらしいのよ。
このことは他言いたしませんって」
「このことって結局なによ。もったいぶらないで教えてよ」
「あのね・・・カメラに写るらしいのよ」
「なにが・・・」
「お亡くなりになる人の顔にバツマーク」
「お亡くなりになる人って?これから死ぬ人ってこと?」
「そう。しかもバツマークが出て24時間以内に死んじゃうんだって。
i社が極秘に開発中の死亡予測プログラムっていうのを、解雇されたエンジニアが発売直前の初期ロットのごく一部に搭載したらしいのよ。
i社も内密に処理したいってわけ。
もちろん気づかずに使っている人もいるのよ」
「へえ、京子のはどうなんだろうね」
「さあ・・・」
私をアイスコーヒーをゴクリと飲み干し、車に戻った。
ポケットからスマホを取り出す。
予約して手に入れたスマホは間違いなく、初期ロットだ。
カメラを起動して車内を写してみる。
とくにどうということは無く画面に足下が写っている。
(へんな話聞いちゃったな)
そう思いながらネットで検索してみた。
「i社 初期ロット 不具合」
さきほどの女学生の話、そのまんまが多くのサイトに漂流していた。
(死亡予測プログラムか・・・)
ネットを終了し、カメラを再び起動する。
スマホの裏側を顔に向け、シャッターを切った。
カシャ
聞きなれた電子シャッター音が車内に響いた。
今日はやけに大きくシャッター音が聞こえた。
おそるおそる保存された画像を確認する。
自分の顔には大きく「×」が被さっていた。
私は休日の朝、コーヒーショップでアイスコーヒーを飲んでいた。
後ろの席で女学生が二人、参考書を広げて勉強していた。
その女学生の会話が聞こえたのだ。
(i社のスマホの回収?知らないなあ・・・)
私は内心ひやひやしながら聞いていた。
なぜなら先日、そのスマホを購入したからだ。
「えー、回収。知らない知らない。
てか、同級生の京子が、見せびらかしてたの知ってるよ。
あいつのも回収かな」
「どうやら大々的に回収してるわけじゃあ無いらしいのよ。
その事に気づいてショップに持ち込むと別室に通されてスマホの交換と向こう十年の通話料無料、それと引き替えに誓約書に一筆書かされるらしいのよ。
このことは他言いたしませんって」
「このことって結局なによ。もったいぶらないで教えてよ」
「あのね・・・カメラに写るらしいのよ」
「なにが・・・」
「お亡くなりになる人の顔にバツマーク」
「お亡くなりになる人って?これから死ぬ人ってこと?」
「そう。しかもバツマークが出て24時間以内に死んじゃうんだって。
i社が極秘に開発中の死亡予測プログラムっていうのを、解雇されたエンジニアが発売直前の初期ロットのごく一部に搭載したらしいのよ。
i社も内密に処理したいってわけ。
もちろん気づかずに使っている人もいるのよ」
「へえ、京子のはどうなんだろうね」
「さあ・・・」
私をアイスコーヒーをゴクリと飲み干し、車に戻った。
ポケットからスマホを取り出す。
予約して手に入れたスマホは間違いなく、初期ロットだ。
カメラを起動して車内を写してみる。
とくにどうということは無く画面に足下が写っている。
(へんな話聞いちゃったな)
そう思いながらネットで検索してみた。
「i社 初期ロット 不具合」
さきほどの女学生の話、そのまんまが多くのサイトに漂流していた。
(死亡予測プログラムか・・・)
ネットを終了し、カメラを再び起動する。
スマホの裏側を顔に向け、シャッターを切った。
カシャ
聞きなれた電子シャッター音が車内に響いた。
今日はやけに大きくシャッター音が聞こえた。
おそるおそる保存された画像を確認する。
自分の顔には大きく「×」が被さっていた。