「歩きながらのスマホ、危ないですよ」
突然、話しかけられた。
「えっと・・・」
メールを打ちながら歩いていた。
立ち止まり、声の主と目が合う。
がっしりとした巨大な体躯。
太い首。
編み上げのブーツに白黒ボーダーのTシャツ。
は虫類を思わせる、小さく、くぼんだ瞳でこちらを見ていた。
手にはティッシュを持ってこちらに差し出していた。
(何だ、ティッシュを配っていたのか)
ごにょごにょと言語らしきものを発しながら男の手のものを受け取った。
しばらく歩いてから、後ろを振り返った。
男はティッシュを配るのではなく、こちらをじっと見ていた。
こわっ。
そう思い、男の視線から逃げるように裏道の細い道に曲がった。
男からもらったティッシュはまだ手に持っていた。
見るでもなく、見ると「危ないよ、歩きスマホ」と書かれていた。
「椅子に座ってアクセスしよう」
そんなことも書かれていた。
それは、今、遊んでいるゲームのレアアイテムが手に入るアドレスとのことだった。
(ちょっと、うれしい)
そう思いながらアクセスするとダウンロードが始まった。
地図ソフトとGPSが立ち上がり、矢印と目的地が表示された。
(?・・・)
目的地は「×」印で表示されており、ここから300mほど離れた場所だった。
目的地に到着した。
そこにはバーコードが貼られていた。
ピンと来た俺は、スマホをバーコードにかざした。
AR技術で画面上にアイテムがうかんでいた。
(やった)
画面には次の目的地が表示された。
何度も「工事中」「立ち入り禁止」の立て看板を乗り越えて先に進んだ。
町中なのにだんだんと人に会わなくなってきていた。
こんなところもあるんだな。
そう思いながら歩いていた。
「×」印の目的地が近い。
あと1m。
50cm、30cm、20・・・
あっ。
落ちた。
そう思うまでもなく、腰に痛みを感じた。
いってー。
見上げると、上まで5mはある。
落とし穴だ。
下にはクッションがひいてあったので大事にはいたらなかった。
「何か食べ物、持ってませんか」
人がいる。
しかも多数。
「・・・・」
「おかしな事に携帯がつながらないんです。人も来ないんです。
私は、もう2日、ここにいます」
あいつにはめられた。
何枚もの工事中、立ち入り禁止の看板が救助の手を遠ざけているのだ。
携帯がつながらないのもあいつの仕業だろう。
突然、話しかけられた。
「えっと・・・」
メールを打ちながら歩いていた。
立ち止まり、声の主と目が合う。
がっしりとした巨大な体躯。
太い首。
編み上げのブーツに白黒ボーダーのTシャツ。
は虫類を思わせる、小さく、くぼんだ瞳でこちらを見ていた。
手にはティッシュを持ってこちらに差し出していた。
(何だ、ティッシュを配っていたのか)
ごにょごにょと言語らしきものを発しながら男の手のものを受け取った。
しばらく歩いてから、後ろを振り返った。
男はティッシュを配るのではなく、こちらをじっと見ていた。
こわっ。
そう思い、男の視線から逃げるように裏道の細い道に曲がった。
男からもらったティッシュはまだ手に持っていた。
見るでもなく、見ると「危ないよ、歩きスマホ」と書かれていた。
「椅子に座ってアクセスしよう」
そんなことも書かれていた。
それは、今、遊んでいるゲームのレアアイテムが手に入るアドレスとのことだった。
(ちょっと、うれしい)
そう思いながらアクセスするとダウンロードが始まった。
地図ソフトとGPSが立ち上がり、矢印と目的地が表示された。
(?・・・)
目的地は「×」印で表示されており、ここから300mほど離れた場所だった。
目的地に到着した。
そこにはバーコードが貼られていた。
ピンと来た俺は、スマホをバーコードにかざした。
AR技術で画面上にアイテムがうかんでいた。
(やった)
画面には次の目的地が表示された。
何度も「工事中」「立ち入り禁止」の立て看板を乗り越えて先に進んだ。
町中なのにだんだんと人に会わなくなってきていた。
こんなところもあるんだな。
そう思いながら歩いていた。
「×」印の目的地が近い。
あと1m。
50cm、30cm、20・・・
あっ。
落ちた。
そう思うまでもなく、腰に痛みを感じた。
いってー。
見上げると、上まで5mはある。
落とし穴だ。
下にはクッションがひいてあったので大事にはいたらなかった。
「何か食べ物、持ってませんか」
人がいる。
しかも多数。
「・・・・」
「おかしな事に携帯がつながらないんです。人も来ないんです。
私は、もう2日、ここにいます」
あいつにはめられた。
何枚もの工事中、立ち入り禁止の看板が救助の手を遠ざけているのだ。
携帯がつながらないのもあいつの仕業だろう。