無言の旅人 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2008-01 |
恋人・三島耕一が交通事故で意識不明になった。
そして、彼が尊厳死の要望書を残していたことがわかり、
家族の葛藤の日々が始まる。
生きていてくれるだけでいいと言う母親、
愛する人の望むようにしたいと思う婚約者。。。
こんな時、婚約者は、どこまで立ち入ることができるのか。。。
本人が望むように尊厳死を尊重するべきか。。。
とても深い問題であり、他人事ではないと感じた。
もし自分の立場だったら。。。
何本ものチューブにつながれ、意識もないまま生き延びても、
それは無駄なような気がするし、
家族にも、精神的、金銭的に迷惑をかけたくはないので、
尊厳死を希望したいところだけれど、
もしも、私が生きている、というだけで、
それが、誰かの心の支えになるとしたら。。。
自分だけの思いで、勝手に尊厳死を選ぶことはあまりにも身勝手すぎるのかも。。。
などとも思ったり。。。
この本は、患者、家族、医者、それぞれの思いが深く描かれていて、
尊厳死を考えるのに、とてもいい本だと思います。
物語は、一転二転して、ミステリーとしても充分楽しめ、
最後には、疑問に思っていた事が、ふっ。。。と解け、ほっとしました。
おすすめの1冊です。
私の満足度★★★★★