時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

地域住民のための英語教育

2006年10月02日 | Bloomingtonにて
Bloomingtonには大学以外に英語を学べる施設があります。一つはMonroe County Community School Cooperation(MCCSC)という地域の公益団体が実施しているもの、もう一つはインディアナ大学の2nd Language Studiesが実施しているEnglish in the Evening(EIE)という教室。いずれも「IUの学生はお断り」となっています。

前者の公益団体、MCCSCの英語教室、ESL(English As A Second Language)は去年まではキャンパスのはずれのTulip Tree Apartmentというところでやっていました。しかし今年の秋からは、キャンパスからは南に2Kmくらい離れたBroadview Learning Centerという新築の施設で、他の生涯教育活動(Adult Educationと呼んでいる)と共に行われています。

どこでもそうだと思いますが、Bloomingtonでも、留学生などが知り合いや同邦の人を頼って住居を探す結果、あるアパートはインド人ばかり、あるところは中国人ばかり…というふうになることが少なくありません。Tulip Tree Apartmentはいつからそうなったか、韓国人が圧倒的だったそうです。で、去年まではこのESLは半ば韓国人学生・客員研究員の奥さんのサロンと化し、下手をすると英語ではなくて韓国語が飛び交う状態になっていたとか。

しかし、そのTulip Treeからは遠くはなれた場所(バスを2本乗り継がないといけない)に引っ越した今学期からは、学習者の層ががらっと変わりました。まず、学習者の人数が減った。5クラスあって毎回の参加者は10人強。学習効率は上がっているようです。つぎに、IUに関係した人の割合が減って、半分くらいはIUとは無関係の地域住民になった。これは地域福祉の団体であるMCCSCとしては、本来の活動目的に添った形に戻った、ということでしょう。

学習者で一番多いのはスペイン語圏の国からの移民の人たち。あとはアジアの人、それから父親の出張でついてきたイタリア人、など。Latino、Chicanoなどと呼ばれるスペイン語圏からの移民系の人々の人口構成比が急増しているアメリカですが、インディアナ州、さらにはBloomington周辺にはあまりいなかった。が、それでも最近は増えてきている、と聞いていました。その人たちの中には英語が十分でない人もいるよう。とくに、「簡単な会話はできるけど読み書きができない。文法も分かっていない」という人が多いもよう。

授業は2時間30分を週5日。宿題がほぼ毎日出され、その内容を題材にみんなで会話をする、という活動が基本。授業中の託児施設もあり。先生はこのような生涯教育のベテランらしく、初級担当のSandyさんはこの道20年。これで授業料なし。興味深いので、一度ゆっくり取材させていただけないかと思っています。ご興味のある方はWebをご覧下さい。

http://www.adult.mccsc.edu/