秋学期開始。授業の一つがIntroduction to Historical Linguistics。必修で、2年目に受講するのが普通ですが、他の授業との関係で、3年目に持ち越してました。教科書はR.L.TraskのHistorical Linguistics (Arnold)。イギリスで書かれたものだし、アメリカで最も使われているものではないようですが、ユーモアと独特の視点があって面白そう。
初回から一章を読んできて討論。「言語が変わるのは避けられない」というテーマの例として、英語史が例に。英語史で必ず聞かれる言葉に、Norman Conquestがありますが、これを先生を始め、アメリカ人の学生がNorman Invasionと言うので私は「!?」。ご存知のとおり11世紀、フランスのノルマンディ公がイギリス王に勝ちイギリス王を兼ねることになり、その後イギリス王室および貴族にフランスの影響が強まり、高級語彙を中心に大量にロマンス語系の語彙が入り込んだ、という話ですが、私には初耳の言い方。
不思議に思って、授業後に近くの学生に尋ねてみると「Conquestとは言わない、だって後に追い出してて、征服されてはいないもの」だそうです。韓国と日本の間にあったことについて「日韓『併合』」と条約に基づく正当なものであるように言うのは許せんと、韓国では「日帝強占」のような言葉を使うのと似たことでしょうか。歴史をどう解釈するのが正しいのかはさておき、教科書にもまちがいなくConquestとあるのにあえて避けるのは興味深い。
今日、Noahという友人に聞いてみると「それは意識的だと思う。Conquestってのは、勝った側から見て『大成功!』っていう肯定的な意味があるから」だそう。それは不愉快だ、ということなんでしょうが、この国はイギリスじゃない。元の本国と言ったって、イギリス系じゃない人もいっぱいいるし(たとえばインディアナ州はドイツ系やアイルランド系が多い)、だいたいイギリス本国の支配を嫌って独立してできたのがアメリカなんだし... どういう感情なのか分かりません。別の友人Brianに聞いても「不快になる理由はないと思う」とのこと。自分の言語の話だからでしょうか。謎は解けません。
とくに写真はないので、フランスつながりでドイツの学会のついでに行ったストラスブールの写真を。旧市街地区には運河があり、金持ち側とそうでない側で水位差があったそうな。現在その運河を運行する観光ボートはその地点に来ると、写真の中心奥に見える水門を閉め、水を入れて高い側に水位を合わせてから通過します。
初回から一章を読んできて討論。「言語が変わるのは避けられない」というテーマの例として、英語史が例に。英語史で必ず聞かれる言葉に、Norman Conquestがありますが、これを先生を始め、アメリカ人の学生がNorman Invasionと言うので私は「!?」。ご存知のとおり11世紀、フランスのノルマンディ公がイギリス王に勝ちイギリス王を兼ねることになり、その後イギリス王室および貴族にフランスの影響が強まり、高級語彙を中心に大量にロマンス語系の語彙が入り込んだ、という話ですが、私には初耳の言い方。
不思議に思って、授業後に近くの学生に尋ねてみると「Conquestとは言わない、だって後に追い出してて、征服されてはいないもの」だそうです。韓国と日本の間にあったことについて「日韓『併合』」と条約に基づく正当なものであるように言うのは許せんと、韓国では「日帝強占」のような言葉を使うのと似たことでしょうか。歴史をどう解釈するのが正しいのかはさておき、教科書にもまちがいなくConquestとあるのにあえて避けるのは興味深い。
今日、Noahという友人に聞いてみると「それは意識的だと思う。Conquestってのは、勝った側から見て『大成功!』っていう肯定的な意味があるから」だそう。それは不愉快だ、ということなんでしょうが、この国はイギリスじゃない。元の本国と言ったって、イギリス系じゃない人もいっぱいいるし(たとえばインディアナ州はドイツ系やアイルランド系が多い)、だいたいイギリス本国の支配を嫌って独立してできたのがアメリカなんだし... どういう感情なのか分かりません。別の友人Brianに聞いても「不快になる理由はないと思う」とのこと。自分の言語の話だからでしょうか。謎は解けません。
とくに写真はないので、フランスつながりでドイツの学会のついでに行ったストラスブールの写真を。旧市街地区には運河があり、金持ち側とそうでない側で水位差があったそうな。現在その運河を運行する観光ボートはその地点に来ると、写真の中心奥に見える水門を閉め、水を入れて高い側に水位を合わせてから通過します。