時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

TVのある生活

2006年11月28日 | Bloomingtonにて
日本へと帰っていった方から、TVを譲っていただきました。「TVぐらい買えば」と言われても「見るヒマない、金がない」と拒否してきましたが、このことを知った友人は「Kenjiがフツーになった、同級生で一番の変人だったのに」と感慨深げ。変人かい(泣)。とりあえず、最低料金の契約をしました(ケーブル。インターネットとセットで税込み$53.02)。

で、実際見ているかというと、1日平均で5分見てるかどうか。でも、たまーに見て、いくつか気になったことがあるので書きます。ちらっと見ただけの感想だから誤解もあるかも。

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土曜の午前は日本同様お子様番組の時間になるが、これがつまらん。妙に道徳的。「仲良くしなさい」とか「親切にしなさい」とか、強引にでも教訓に持っていく。人間(の子ども)ではまずいのか、常に主人公たちは動物(車、ってのもあり)。日本の子ども用の番組の方が洗練されている気がする。

FOX59 Indianapolisという局の朝のニュースは、毎回中継が出て、地域の大学なり団体のイベントなどの模様を伝える。「イベントは午後からですが、朝から中継のために集まってくれて、みんな盛り上がっております!!!」的なノリ。13番の局も、メイン・パーソナリティがスタジオの外の通りに出て、客をバックにしゃべる。「●ーム×ン朝」みたい(どっちが元祖?)。

Late showってのが好まれるらしく、夜になるといくつかの局が競う。中心のプレゼンター(おじさん)がいて、手を変え品を変え、ともかく笑える内容をやる。バンドがいて、そのバンドマスターと会話する。似た構成の番組を一時日本でやってた気がするけど、これの輸入品だったか。英語が分からんのもさることながら、分かった場合でも、アメリカの笑いの感覚がいまいちピンと来ない。だから日本では定着しなかったのか?

毎日じゃないかと思うほどしょっちゅうやっている投稿ビデオ番組あり。「さんまのからくり云々」の海外ビデオの元ネタの番組らしい。これだけの頻度でやってれば、日本で毎週使ってもネタ切れにはならないんだろう。

そのほかにも「本家」番組が。クイズ・ミリオネア、構成も音楽もセットもそっくり。でも、あっさり正解かどうかを伝える。CMにも行かない。日本版ためすぎ。

なぜだか、Star Trek(=宇宙大作戦、その昔日本でも放映された古~いバージョン)が再放送されている。カーク船長って、本物はこんなツブレた声だったのか。スマートな矢島正明さんの吹き替えで刷り込まれてたから、違和感あるなあ。

映画専門チャンネルで「魔女の宅急便」がやってたので見る。米の吹き替えはけっこうオリジナルに近い声質の人を選んでいた(黒猫のジジ除く)。とくにパン屋の「おその」さんはかなり近い。クロージングテーマが新井由実じゃないのはいいとして、最後、故郷に宛てた手紙、「(なんだかんだ・・・)この街が好きです!」で終わらないで、「(さらになんだかんだ・・・)I love you, mom!」とわざわざ続きを付け足して、手紙を最後まで言い切っているのは納得行かず。ラストの余韻も、手紙にこもる思いも、映画全体のメッセージもぼけてしまって、日本版に対する冒涜に感じたが、この国の人にとっては、逆に日本版のパターンのほうが受け入れがたいのか?

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こうしてまとめてみると、けっこう見てます。TV譲ってくださって、ありがとうございました。

写真はThanksgivingの休日から始まった、ダウンタウンのイルミネーション。スーパーも音楽が切り替わり、もうクリスマス・モード(写真提供はCさん)。

R-09による録音

2006年11月27日 | フィールドワークから
知り合いの方から、ここで以前紹介した録音機材についてたずねられました。8月10日の記事で、新たに仕入れた録音機器、として紹介したRoland R-09にはどんなマイクをつけているのか、というハナシ。「マルソリ・ラボ」のUさんもこれに関してトラックバックをしてくださったようなので、自分が知っている限りで「こういうのがいいのでは」と思っていることを書きます。

まずその前に。R-09には内臓マイクがあるのですが、これの質が悪くありません(写真に写っているR-09の上部両脇に出ているもの)。ケーブルを介さず直接入力できるし、十分なS/N比が得やすいので、実験室的なリスト読みの録音などなら、これを利用するのが一番いいと思います。といっても、それなら音声実験室でもっときちんとした設備を利用するでしょうから、以下「フィールドワークでどうするのか」ということを主眼に書きます。

写真が使っているマイク一式をR-09に装着したところ。ペンやCD-ROMは大きさの比較のためにおきました。マイクはSONY ECM-140という会議録音用のピン型。もう10年以上使っていて、売っていません。SONYのWebsite情報では、後継機種らしきECM-T145というのが売っています(これも「生産完了」って書いてあるけど)。

これのいい点は小さいこと。大きな電源供給ユニットも不要で持ち運びが楽。写真のとおりリチウム電池によるパワーサプライがある(めちゃくちゃ長期間もつ)ので、R-09のプラグインパワー設定を外します。プラグインパワーでも使えますが、録音機からのパワー供給によっては十分な音量が得られないことがあります。R-09の場合ちょっと足りない気がしました。もちろん録音レベルを上げればいい(1~30)のですが、そうすると環境ノイズも大きい音で拾うのであまりオススメではありません。

この小ささを利用して、発話者の口にかなり近づけてもらいます。録音ボリウムをできるだけ絞って録音することで、できるだけ高いS/N比を保つのが狙い。このマイクは全指向性(Omni-directional)なのですが、こうすれば、フィールドワークで周囲のノイズや私の合いの手などをあまり拾わず、分析に適した音声が得られます。

問題はステレオ・マイクであること。下に述べるように、ステレオマイクを装着するとステレオの音声ファイルが出来上がってしまいます。ということでお勧めは、
1) 小さい。でもできれば自前の電源供給がある。ヘッドマウント型だとベスト。
2) モノラル
3) 単一指向性
という条件がそろっているもの。あるのかどうか分かりませんが、探して、いいものがあったらぜひ教えてください。

このECM-140をドイツのヘッドホンなどのメーカーSennheiser NB-2というマウントに装着しています。ECM-140のコードは黒いチューブの中に通してあります。これを発音者の頭に装着してもらい、マイクを固定します。マイクを口から一定の距離に保つためです。特に自由発話を録音するときなど、話者がおしゃべりの興が乗ってあっちを向いたりこっちを向いたりするので、これがとても役に立ちます。ATRのNick Campbellさんに教えていただきました。

R-09はステレオ、モノラル両方の入力を選べることになっていますが、上でちょっと触れたように、ステレオマイクを挿すとどう設定してもステレオで録音されてしまいます。そこで今はとりあえずWavesurferでモノラル変換しています。これで問題なく処理・分析ができる音声ファイルになります。が、Intensityのレンジが若干小さくなるのが残念。R-09はサンプリング周波数を48KHzか44.1KHzの二つしか選べず、音声分析には不要な情報まで含んだ大きなファイルができてしまうので、この段階でダウンサンプルもやります。なお、R-09の内臓マイクもステレオです。基本が音楽録音用なので。。。 16bit、44.1KHzで1分間録音して10MB程度の大きさのファイルでした。上述のように、モノラル・22KHzに変換すると、ちょうど1/4の2.5MBくらいになります。

注意が二つ。R-09は16bitと24bitの録音が選べますが、16bitを選択しないと、その後のダウンサンプルがうまく行きませんでした。PC側の音声デバイスが16bitだからだと思いますが、未確認。音声分析なら16bitで十分でしょう。それから、写真に見えているR-09の裏のパネルのAGCとLOWCUTはOFFにする。AGCはAuto Gain Control。突然の大音量など対策として、音量を均す(ならす)機能です。LOWCUTは低周波ノイズ防止のためのいわゆるHi-pass filterだと思います。息によるノイズなどは別の手段で防止した上で、こういう機能は外して原音に忠実に録音すべきでしょう。さらに情報が欲しい方はご連絡ください。こちらのためにもなるので、できる範囲でテストなどもしてみます。

(ちょっとだけつづきがあります。下の記事もご覧下さい)

録音&分析例

2006年11月27日 | フィールドワークから
上記のデバイス一式で自分の声を録音してみました。22KHzにダウンサンプリング。「電源スイッチを」と言っている箇所。フレーズ先頭のF0ピークは260Hzほど。もう完全に女性の声のレンジ。男のくせに声が高くて。。。 ともあれ、ノイズもなく、十分な音声データが得られていると思います。

ところでついでですが、こういうデバイスや音声分析プログラムがやっているデジタル音声処理に関して、来年の秋にDiane Kewley-Port先生のS522・Digital Signal Processingで数学的な原理から教わる予定です。きつい授業だそうで、その準備として今学期、Math & Physics for Speech and Hearing Sciencesを受講しています。久しぶりに三角関数だの、対数だの教わって多少リハビリできました。

一番最近は信号検出理論(Signal Detection Theory)を簡単に教わりました。Diane先生は「耳科医になる勉強をしているうちの学科の学生には必要だけど、あなたには関係なくて悪いわね」と言っていました。たしかにこの授業では診断の意思決定のため、という文脈で教わったのですが、実際には音声知覚実験の結果の解釈などに利用されているようですね。UCLAのWebにも音声学Labのボス、Pat Keatingさんじきじきの解説ページがありました。思いがけぬ方向から重要な知識を授かりました。この夏、韓国でやった知覚実験の結果の評価に利用すべく、もうちょっと勉強するつもりでいます。師匠、de Jong先生がL710(Seminor in Phonetics: Speech production and perception)を来学期開講するので、そこで結果を議論させてもらって、発展させたいと思っています。

ついでにもう一つ来学期の受講予定。コンピューターサイエンス学科の新科目Computing Tools for Science Researchesという授業を受けます。この授業は私が副専攻(Minor)として考えている認知科学の単位として認められます。C/C+を使ったプログラミングと、Matlabによる計算やグラフ作りをやるのだそうです。MatlabはDSPの授業で使うSTRAIGHTを動かすために必要なので、Diane先生がDSPの授業の前提として指定。必要だと思いながら学べずに来た技術を習得するいい機会が得られました。言語学科の外にも音声研究に関わる教員が多数いて、そこでも鍛えてもらえるのは、総合大学であるIUにいる利点の一つだと思います。

Memorial Service

2006年11月23日 | 
半月ほど前、言語学科の院生ラウンジに行くと、PaulとAstaが話していました。Paulの持っていた新聞に知っている顔が映っているので、「あ、ゴードンだ」と言うと、「ああ、この人個人的に知ってるんだ。亡くなったよ」とPaul。「えっ!」と固まってしまいました。(PaulとAstaはその後もなんだか激論)

その人は心理統計学(P553)の授業の実習セクションを担当してくれているAIでした。日本の苗字なので「いったいどんな人だろう」と思っていたら、実に日本人の顔(髪ボサボサ、松本零士のマンガの<鉄郎~男おいどん>系)。でもネイティブの英語。あとで分かったのですが、ハワイの日系の人だそうです。どうやら心臓系の病気で、週末に突然亡くなっていたらしい。

授業で学生にも伝達され、週末にはMemorial Serviceというものが行われる、ともうひとりのAIのJohnから連絡あり。Mathers MuseumというIUが持っている民俗学関連の展示館の一室が会場。私も多少ちゃんとした格好をして行って来ました。Johnに聞いたところ「決まった格好はない」とのこと。黒服はいませんでした。

ハワイから家族も来たらしく、お母さん、お姉さん、おばさんが最前列に並んでいました。みんな見た目は日本人。でも英語を話すみたい。

1時間30分程度続いたその会は、彼のために急遽作った歌の、作曲者自身によるギターで弾き語りでスタート。あとは、まず家族(を代表してお姉さん)、おばさん、義理の兄(仕事仲間だったらしい、非常にショックを受けている様子で最初からずっと泣いてました)、上司(IUの教授)、友人、同僚、とスピーチが続きました。みんなどこか必ず笑いを誘うエピソードを交えるので、「一人一笑い」は取っていました。さらに、たいてい涙で声をつまらせる。

ということで、ともかくみんなで故人の話をする、という会らしい。日本の「故人を偲ぶ会」あたりに近いんでしょうか。お経はもちろん、聖書が読まれることもなく、宗教色はなし。

で、最後に彼の好きだった音楽をみんなで聴きながら、写真をスライドショーで見せて、おしまい。ハワイの歌手がウクレレで歌う♪Somewhere over the rainbow~What a wonderful world♪(Israel Kamakawiwo'oleという人だそうです。私は知らない人ですが、すばらしいです)。そのあとは、本物の葬儀だか何かをするということで、移動。私はそこまで。出口に「彼の好きな曲を入れたCD」ってのが置いてあったのでもらってきました。私は知らない古そうなカントリーからSheryl Crowまで。さらにジャズ、ハワイもの、最後はBeatlesの♪The long and winding road♪ 時々聞いています。曲を書いたりスライド用意したり、みんな数日でよくこんなに準備するもんです。

彼の説明はとても分かりやすく、教え方も親切で、帰り際に"Thank you again today"と声をかけることにしていたのですが、必ず"Thanks"と返してくれました。日本人のような顔をした彼と、成績をつける側と付けられる側、という立場が消えたら、一度ゆっくり話してみたかったのですが。

その会のみんなの話で分かったのですが、IUに入る前に出版ビジネスをやっていた彼は私より年齢が上で40代半ば。かなり年齢が高い院生ですが、亡くなるには若すぎて、家族や友人は辛いことでしょう。Memorial Serviceってのは、常にこういうふうに涙と笑い、という感じなのか、彼自身の人がらによるものなのか、分かりません。きっと両方なんでしょう。とてもいいキャラクターで、周囲に愛されていた人だったようです。「本人にとっては悪くない人生だったのかも」と思いました。

今回も関係する写真はないので、気に入った写真を一つ。うちのベランダから撮った夕焼けです。

ケーサツに電話してしまいました

2006年11月22日 | 
ついさっき、2時間ほど前の話です。夜ちょっと遅い時間にアパート敷地内をジョギングしてたら、Excuse meと声をかける人が。誰かと思うと知り合いのMBAプログラムの女性(日本人)。「いまちょっと一大事で」と言います。私も慌ててその時点では誤解していたのですが、結局「ドアのカギをオートロックで閉めてしまって家に入れない、でも、家の中でなべを火にかけっぱなしだ」ということでした。

警察に電話しようか、どうしようか、ということだったんですが、携帯も家の中。とりあえず、私の家に来ていただいて、電話帳でアパートの管理会社の電話を探したり。でも、やっぱり他に方法がなさそう、時間の猶予もない、ということで警察に電話。一部話を誤解したままだったし、慌てて英語もろくに出てこなかったんですが、とりあえず「家のドアが開かない。火事の危険がある。」ということだけは伝わりました。で、住所を伝えてしばらくすると、けたたましくサイレンを鳴らしてでっかい消防車が2台も来ました。パトカーも来てたと思います。防火服&シールドつきのヘルメットと重装備の消防士が5,6人いたでしょうか。ドアをなたで叩き壊して中に入ると、確かに水はなくなってなべの中の物は焦げていたようです。

なんか、えらく金を請求されるのかな、と心配しましたが、消防のリーダーらしき青年は「名前だけ教えてくれますか、報告書を書くのに必要なので」と家主のその女性に名刺をもらって帰りました。それでおしまい(たぶん)。

私は2005年にこちらに来る数ヶ月前、豆を煮て火をかけたまま仕事にむかい、家を出て1時間ほどたってから思い出したことがあります。幸い、近所の人が管理会社に連絡してくれて(開けっ放しの窓から煙が出ていたそうです)、私も消防署と管理会社に連絡して、授業を休講にして戻りました。で、結局管理会社の人がカギを持って来てくれたのでどこも壊すことなく家に入り、なべの中で豆が炭になっただけでした。でも、アメリカで豆を煮るのは自分に禁じました。あの時は本当に焦りました。。。 対応しながら、その一件を思い出していました。

めちゃくちゃ感謝されましたが、残念ながらあんまり効果的なことはできなかったような。的確な判断をすばやくできたわけでもないし、慌てて英語もめちゃくちゃだったし。。。 ただ、自分に置き換えれば、とりあえず日本人に会っただけでも幸いだったことでしょう。よその国で火事なんか起こしたら、と思うとゾッとします。夜のジョギングもたまには人の役に立つことがあるもんです。星がきれいな夜でした、ほんとに火事になったら、よく燃えたことでしょう(そういう話ではないか)。

写真はないので、記事の内容とは関係ないものを一つ載せます。これはIndianapolis の空港の建物を出たところにあるGround Transportationという区域。ここで、シャトルバスとかリムジンとかに乗ります。右は発着ロビーとかではなく、駐車場。中央奥に見えている中型バスが、Bloomington Shuttleといって、Bloomingtonに向かうバス。所要時間約1時間、$25です。

事件があったので、一日に3つも記事を書いてしまいました。びっくりしました。

もようがえ

2006年11月22日 | 
してみました。ず~っと同じだったので。

でも、失敗でした。かわいすぎ。テーマと合わないったらない。
もともと、いちおう研究費の報告という建前で始めたのに、これはふざけ過ぎか。

でも、あまり他にこれというのがなかったので、とりあえずしばらく放置します。
いいのがなかったら、元に戻します。。。

自分の授業を見る

2006年11月22日 | Indiana大学
初級レベルの日本語(J101)のドリルセクションを担当して12週、週3回×2コマ(50分)の授業をずっとこなしてきました。最初は授業がうまく行かないのもさることながら、コース運営上の雑事を適切にこなせず、「足を引っ張ってるかも。自分のせいで言語学科からAIを採ってもらえなくなる」とかなり重圧を感じていました。半分を超したところでやっと慣れてきて、ミスも減り、あるていど淡々とこなせるようになってきました。そのころに、ミーティングでスーパーバイザー(Tsujimura先生)がビデオテープを全員に渡し「授業のビデオを撮って下さい」。聞いてはいたが、ついに来たか。

これは職業訓練でもある院生アシスタントのために学校が用意したシステムで、アポイントを取るとカメラマンが授業時間に撮影道具一式を持ってやってくる。こちらは持ってきたビデオテープを渡して、あとはふつうに授業をやる。学生が映るのは避けないものの、基本的に講師だけを撮る、という方針のようです。カメラは教室内を移動する私をずっと追っていました。

撮影後のビデオを先生に渡す前にさっそく図書館で見てみました。日本で教員をしていたときにもやったことはありませんでしたが、自分で自分を見る、というのは面白いものです。まず、なんでそんなに動きが妙なんだ? という感想。身振り大げさ。それから、指名した学生を見つめる視線が強すぎ。「よし、もうちょっとで言える、がんばれ!」と思って見てるだけなのですが。学生はびびるかも。

ある学生が、本来は「メアリーさんはひまです」と言うべきところを「メアリーさんはつまらないです」と間違えました。違うような気がしつつもこちらも正解が分からなくなり、しばらく止まっているという場面あり。で、首をひねった後「いいの。。。かな」とそのまま進み、もう一度もどって否定形を練習しているところで別の学生が「メアリーさんはひまじゃありません」と答えてやっと間違いに気づく、という失態。もうちょっと多様な文型を引き出す質問を用意しておくべきだったなど反省点、あれこれ。でも、順調に予定をこなしてグループワークと自由会話の時間をたくさん取れて、まあ全体としては無難だったか。

あとでチェックが入るということで、恐ろしくはありますが、専門家の直接指導が受けられる上に、このビデオ自体、就職活動に使える可能性もある。さらには、そういう指導の下で授業をこなした、という職歴にもなる。カメラマンのバイト代も、ビデオも全部学校の負担。ありがたいという以外ありません。実際いっしょにやっているタイソンは、模擬授業も撮影して就職活動に使う、と言っていました。四苦八苦した初めてのAIもThanksgiving明け2週間で終わり。振り返れば授業は楽しく、勉強しないやつも含め、学生はみんなかわいかったです。

で、次の学期はというと、なんと大学院の授業のAIをやることになりました。Introduction to phonetics、メイン講師はRobert Port御大、私はLabセクション担当。かつての音声学の院生も多くが経験した仕事で、自分もいつかは、と思ってきましたが、2年目でやることになるとは思いませんでした。院生は成績等にたいする態度もシビアで質問なども容赦ないし、日本語はもう使えないし。。。 ということで3週間ある冬休み、日本でやりたいこともありますが、帰らないことにしました。時差ぼけになってる場合じゃないし。準備もしないと。(そもそも、一番チケットが高い時期)

われわれJ101のドリルセクションは12グループもあるので、教室はキャンパスのあちこちにばらばら(教室管理のセクションが一括で決定して指定)。そのせいで移動時間が厳しくなる(Diane先生、しょっちゅう早めに抜け出してごめんなさい)。写真は日本語の授業を開講する東アジア言語学科からは一番遠いところにある、地学科の教室です。地質図とか、実験道具とかがあって、中学や高校の理科教室にいるよう。とりあえず、教室を割り当てる方は何にも考えていないらしいことは分かりました。

Kosu-pure大会

2006年11月21日 | Indiana大学
もう3週間も前、私の部屋のすぐ前で撮った写真です。1Fの二部屋の住人がそれぞれかぼちゃのランプを作って飾っていました。Jack-o-lanternと呼ぶと教わりました。「ランタン太郎」とか「ランタン坊や」程度の意味でしょうか。写真は真っ暗な中にかぼちゃお化けだけが見えますが、実際はもうちょっと明るいです。

今年も全く何にも参加しなかったHalloween。実際にはたしか火曜日でしたが、その前の週末に、言語学科も所属する認知科学プログラム全体の仮装パーティがあります。けっこう大きな会場を借り切ってやっているようで、おちゃめなPort先生なんかかなり張り切るらしいんですが、私は某先生と夏の実験結果をまとめる仕事してました。火曜日当日、気づくとキャンパス内にもけったいな格好をした人があちこちに。数日前から、私の帰り道にあるCostumeの店も大繁盛。好きなんですねえ。

日本語の授業で、その当時に担当していたグループのある学生は日本の音楽ファン。彼女のような日本文化好きのアメリカ人には、なぜだかビジュアル系のファンが多い。「キレイ」とでも思うんでしょうか。で、彼女は何かの問い合わせのついでに「私はこの格好をします、キャンパス内で見かけるかも」と、なんとかいうバンド(もう、忘れた・・・)の'Kami-sama'とかいう方の写真を送ってきてくれました。ちなみに日本語の「神様」は授業にはまだ出てきていません。

余談ですが、このクラスはほとんどがアメリカ人、だと思ったらそのうちの2人は片方の親が日本人だと後で聞きました(もちろんそれでもアメリカ人ですが)。でもブロンドで青い目。教えてもらわないと全く分かりません。

別の学生とHalloweenで何をするか話していたときにも「近くの市でKosu-pureの集まりがあるから行く」と言っていました。この「Kosu-pure」、その趣味の人たちの間にはふつうの語彙らしい。日本のいわゆる「コスプレ」趣味の方々の集まりを、こっちのHalloweenという全く別の行事と融合させているひとびとがいるらしい。いっしょにしていいのか?

知り合いの方から、録音機器について問い合わせがありました。せっかくですからここに記載しようと思っています。人に貸したマイクが返ってきて、確認が取れたら記事にする予定でいます。

和風おやつ

2006年11月20日 | Bloomingtonにて
今週はThanksgivingの週。自分の授業は月・火だけ、教えている日本語の授業はまる一週間休み、ということで、やっと一息つけます。いろいろあったのですがしばらくまるで更新できませんでした。

今日はとりあえず昨日からの休みでやってみたことを書きます。写真のとおり、おだんごを作りました。10th Street Marketでもち米の粉を発見。いろんな言語で表示がありますが、どうやら、タイ産らしい。1ポンドで49セント(60円弱)。うまく行くものか分かりませんでしたが、安いんだしダメ元だ、と考えて買ってみました。で、ふつうに水でこねて、小さく丸めて、ゆでてみました。袋に入ったあんこも売っているので、そこに落として(日本の商品、中国産、400gで$1.49≈180円)。写真がそれ。

味ですが・・・十分です。ちゃんとおだんご、ちゃんとあんこ。異国で、この程度のものが食えるなら100%幸せ。簡単に作れて、安上がりなおやつを見つけました。

ところで、これまでここに書いてきたことで、もうちょっと暮らしてみて「ウソでした(認識の誤りだった)」と気づいた事がいろいろあるのですが、とりあえず食べ物について記します。それは「手に入らない」と思っていた野菜がかなり手に入ることです。「ネギがない」と前に書いたのですが、ちゃんと見ればGreen onionという名前で売っている。日本のよりかなり細くて貧弱だけど、いちおうネギの味。最近はこれを使って炒飯作ってます。白菜もNapaという名前で売っている(安くて重宝)。大根もある。でも、こういう状況は「ごく最近の話」なのだそう(Kitagawa先生談)。以前と比較すると留学生活は「快適すぎる」と言えるかもしれません。

そのせいでしょうか、最近「異国にいる」という感覚がなくなってきました。ただ「自分のいる場所にいる」という感覚になっているようで、たまにふと「ああ、ここは日本じゃない、アメリカだった」と気づく、という感じ。もっともBloomingtonは特殊なのかもしれません。感覚が麻痺するほど平和。一番近い都会(100キロ弱)であるIndianapolisは、誰かが銃を乱射しただの、けっこう物騒なのですが。私はこの市を相変わらずほとんど出ていないので、他の都市に旅行したら、ただの旅行者と同程度に無防備で、危険だと思います。

今日(11/19・Sun)は雨。気温は4℃(午前10時)でまあ寒いのですが、これは例年程度。うんと冷え込んだ去年のThanksgiving前後に比べると、大したことはありません。明日以降も、休みの間はできるだけここまでにあったことを書こうと思います。よかったらまたのぞいてください。