平野啓一郎の「本心」を少し前に読みました。
私の世代が生んだ子どもが、大人になった頃の日本が描かれているのだけれど、悲しくなるくらいの格差、自然災害、高齢化。
もしこんな世界に住んでいたら、希望なんて抱けないと思うけれど、ひょっとしたら、この作品に描かれているよりもひどい未来しか、日本には残されていないかも。
岸田総理大臣は決断力と聞く力があるんだそうですが、一番力を発揮するべき時には、その力がなくなっているように見えます。
たぶん、今、自民党の悪い部分を明るみに出さなかったら、きっと日本は世界中から取り残された魅力の無い国になると思います。
この間、立憲民主党の泉さんから、旧統一教会と安倍さんのつながりを調べないのか、と聞かれたら「亡くなっているから、調べるにも限界がある」というような事を言っていました。
泉さんも「限界まで調べてないでしょ」と聞いたけど、またのらりくらり、答えずでした。
ここのところのニュースを見ていると、第二次安倍政権が生まれる前、自民党が下野していたあたりから、きっと旧統一教会に支援してもらった自民党の候補者がいたのは間違いないと思うのです。
旧統一教会の協力がもしなかったら?自民党はあれほど選挙に強かった?
(ほかにも日本会議とか、神道議員連盟とかあるけど、とりあえず)
安倍さんが旧統一教会とどんな付き合いをしていたか、それがキーなのだし、事務所ごとなくなった訳でもないのに「調べようがない」なんて、今後の政治を良いものにする気がないとしか思えなかったです。
安倍一強と言われていたあの時代が、もしかしたら宗教団体の力で下駄を履いていたのだとしたら、特定秘密保護法も、安保法案も通らなかったかもしれない。
モリカケだって起こらなかったかもしれない。
こんなバカみたいに借金まみれの国にはなっていなかったに違いない。
私は安倍さんの政治に、良かった所があるとは思えないけれど、まあ良かった所もあるのでしょう。
でも、こういう負の部分を調べないで、でかいお葬式を出して「残念な最期でした」みたいな幕引きにして良い案件ではないでしょう。
今からでも、岸田さんが「やっぱりもう一度調べる」と言って、自民党に被さっている重い蓋を外すことができたら、もしかしたら日本は良い方向に歩けるのかもしれません。
そうならなかったら、平野啓一郎が描いた未来よりも早く、重く苦しい世の中がやってくる気がしてなりません。
☝️念のため 言わずもがなですが、「本心」は、重く苦しいだけでなく、素晴らしい心に染みる小説です。未読の方、是非読んでみてください。