母の介護の思い出に浸ってると
吹いてゆく風のなかから
ぼくを呼ぶ母の声がしたような気がした
みどりしたたる山並みの真ん中で
それからだまし討ちみたいに
ボーナス直前に告げられたクビの秋が
駆け足で木の葉を散らせる
最愛のきみの死の知らせがやってきた
ついにはぼくも
立ち尽くすしか能がない
一本の折れやすい棒切れになってしまった
季節外れのトンボに首を傾げられながら
気がつくと世界はいつの間にか
棒のような影と
影のような言葉とが行き交う
まるでみたこともない硬直した多面体世界に
吹いてゆく風のなかから
ぼくを呼ぶ母の声がしたような気がした
みどりしたたる山並みの真ん中で
それからだまし討ちみたいに
ボーナス直前に告げられたクビの秋が
駆け足で木の葉を散らせる
最愛のきみの死の知らせがやってきた
ついにはぼくも
立ち尽くすしか能がない
一本の折れやすい棒切れになってしまった
季節外れのトンボに首を傾げられながら
気がつくと世界はいつの間にか
棒のような影と
影のような言葉とが行き交う
まるでみたこともない硬直した多面体世界に
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