先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

AmazonやMS、米クラウド3強が5Gに沸く?!

2020年11月14日 10時54分33秒 | 日記
 

日本経済新聞が、『AmazonやMS、米クラウド3強が5Gに沸く理由』と伝えているが、日本はどこ吹く風という感じで、最新技術の後進国に成り下がったのは嘆かわしい。せめて分割化されたNTTグループの再統合にk辞退するしかない。この再統合に関しては、』独占禁止法に抵触するという見解もあるが、巨大投資が不可欠になった現代では、国民の統治が出来る仕組みを確立して巨大企業が勝手なことをせずして国民のための事業をする仕組みの確立が必要では?

ヴイエムウェア(VMware)の通信事業者向け仮想クラウド管理センター(イメージ)

ヴイエムウェア(VMware)の通信事業者向け仮想クラウド管理センター(イメージ)

 

2020年に入り、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、米マイクロソフト、(MS)、米グーグルなど、複数ユーザーでデータベースを共有するパブリッククラウド大手3社による高速通信規格「5G」競争が激しくなってきた。背景には、5Gで通信大手が先端データセンター技術を導入する大胆な戦略が潜んでいる。

 

 

■5Gに沸くクラウド業界

 

マイクロソフトは先ごろ、携帯クラウドベンチャーのアファームド・ネットワークスと、通信機器のメタスイッチを相次いで買収し、5Gクラウド戦略を強化した。9月には日本の総務省に当たる米連邦通信委員会に5G用ミリ波実験免許を申請した。すでにカナダでノキア、アタボティックス、ロジャーズ・ケーブルと組んでLTEサービスも展開している。日本のローカル5Gにあたるプライベート5Gの準備に余念がない。

一方、パブリッククラウドの最大手のAWSは、ベライゾンと提携し、端末側で素早くデータを処理する「エッジ・コンピューティング」の事業を進めている。

ベライゾンは年末までに約10カ所にエッジ・データセンターを構築し、21年からAWS顧客向けに法人サービスを本格化する予定だ。

グーグルは大手通信事業者の米AT&Tや仏オレンジと提携し、同社のエッジ・クラウド上でAI(人工知能)アプリをサポートするGMEC(グローバル・モバイル・エッジ・クラウド)戦略を推進している。

 

■通信サービスの限界

 

クラウド業界が5Gサービスに注目するのは、通信そのものがクラウド化するためだ。

情報を運ぶパイプ役だった通信網の役割は変わった。スマホが登場すると、サービスの主役は音声も含めグーグルやAWSのモバイル・アプリケーションに変わってしまった。単純な情報パイプである通信網は不便な存在となった。

例えば、360度ビデオ放送や没入型仮想現実ゲームなどでは、超大容量通信が必要だ。逆にスマート照明やペット追跡端末などのIoTでは低容量だが密集した通信網がほしい。遠隔手術や商業ドローン操縦では、応答速度が速い通信機能が欠かせない。

クラウド事業者が、こうしたサービスを展開したくても、現在の4GLTEや光サービスでは、性質が違いすぎてサポートできない。

 

■クラウド技術依存

 

課題解決のため、5Gでは先端データセンター技術を導入した。

例えば、通信機能を組み込み機器からソフトウエアに置き換え、汎用ハードウエアで運用できるようにするネットワークの仮想化だ。また、ソフトウエアを小型モジュール化して、ネットワークのあらゆる場所に配置できる分散アーキテクチャーも入れた。

ソフトの組み合わせを変えれば、一つのネットワークで大容量通信と超低遅延通信などを同時に提供できる。5Gでは、スライシングと呼ばれる技術だ。

通信網の色々な場所に小型データセンターを置くエッジ・クラウドも初めて導入される。

極端な話、通信事業者にとって5Gはもはや通信網ではなく、広域に散らばるデータセンター網と言える。こうなると高度な経験と資産を持つ大手クラウド事業者のサポートが欠かせない。

逆に、クラウド業界にとっては、5Gに依存しなければ、新サービスを展開できない。クラウドと通信は5Gで垣根がなくなる。

 

■クラウドは通信事業

 

マイクロソフトの5G戦略は野心的だ。ジェイソン・ザンダー副社長は最近のオフィシャル・ブログで、通信事業者のクラウド管理を請け負うサービスを発表した。

米大手通信事業者が自社の仮想化幹線網をマイクロソフト社に依存するというのは、現状では考えにくい。

しかし、オーストラリアのテルストラやイタリアのエミレーツ・テレコミュニケーションズなどは、マイクロソフトに依存しようとしている。

仮想化基盤プロバイダー大手のヴイエムウェアも注目されている。

大手通信事業者は大手クラウド事業者に過度に依存しないよう警戒している。その点、パブリッククラウド事業者ではないヴイエムウェアの中立的な立場は好ましい。

9月末に開催されたヴイエムウェアのオンライン展示会では、クラウドの基盤整備や自動化、AI利活用などを盛り込んだテレコ・クラウド戦略を積極的に発表していた。すでにディッシュ・ネットワークなどは5G基幹網に同社の採用を決めている。

 

5Gクラウド戦略を解説するヴイエムウェアのShekar Ayyar氏(EVP & GM)

5Gクラウド戦略を解説するヴイエムウェアのShekar Ayyar氏(EVP & GM)

 

 

■ドコモ買収の真意

 

通信網のクラウド化は、事業再編も促している。その一例がNTTによるNTTドコモの完全子会社化だろう。

90年代に分割された現在のNTTグループは世界的に見ても不利な立場だ。グループ各社が個別に5G対応すれば、各個撃破され、クラウド大手は容易に主導権を握るだろう。無線と固定、データセンターをシステム的に一体化しなければ、巨大クラウド事業者と対等に事業を展開できない。

同様の理由で、米国でもベライゾンやAT&Tが、ネットワークと事業部門の統合を積極的に進めており、米国政府も支援してきた。

5G戦線を見据えれば、無線網のドコモとデータセンターのNTTコミュニケーションズ、通信管理ソフトのNTTコムウェアを統合する必要がある。

また、国際競争力を高めるなら日本の情報通信業界も政府も、5Gを契機に通信政策を捨て、クラウド政策に舵(かじ)を切り直す時期に来ている。

小池良次(RYOJI KOIKE)
 米国のインターネット、通信業界や商業ドローンを専門とするジャーナリストおよびリサーチャー。1988年に渡米、93年からフリーランスジャーナリストとして活動している。サンフランシスコ郊外在住。主な著書に「クラウド」(インプレスR&D)、「クラウドの未来」(講談社現代新書)、「NTTはどこへ行くのか」(講談社)、「ドローンビジネスレポート」(内外出版社)など

致死率30%超、スーパー耐性菌カンジダ・アウリスが流行拡大の恐れ 治療も消毒も困難な

2020年11月14日 10時43分42秒 | 日記

 

National Geographicsによると、『致死率30%超、スーパー耐性菌がコロナの陰で流行拡大の恐れ。治療も消毒も困難なカンジダ・アウリス、世界中の医師が警鐘』という、新たなウイルスがあるという。インド発祥のウィルスとか。中国、インドという超人口過密国家からウィルスが出てくるのだろうか?

カンジダ・アウリスのCGイラスト。単細胞真菌であるカンジダ・アウリス(Candida auris)は、2009年に初めて報告された。強い薬剤耐性があり、院内感染で広がりやすく、死亡率が高い。血液、皮膚、耳に感染症を引き起こすほか、呼吸器や尿の検体からも分離されている。(ILLUSTRATION BY SCIENCE PHOTO LIBRARY / ALAMY STOCK PHOTO)
 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に猛威を振るうなか、あらゆる薬剤に耐性を持つこともあるスーパー(超多剤)耐性菌カンジダ・アウリス(Candida auris、カンジダ・オーリスとも)の感染が一部で拡大していると、医師たちが警鐘を鳴らしている。カンジダ・アウリスは特に院内感染で広がりやすく、今年はコロナ患者であふれる医療現場に大きな負担がかかっているためだ。

 カンジダ・アウリスは、シーツ、ベッドの手すり、ドア、医療器具などに付着して長時間生存し、そこに人の手が触れると感染が広がる。また、カテーテルや人工呼吸器、流動食など、体内へ管を挿入するときに感染するリスクが高い。コロナで入院した患者は、呼吸器系がやられるため、こうした措置を受ける機会も多い。

「残念なことに、一部の地域でカンジダ・アウリスが拡大しています」と、米疾病対策センター(CDC)の真菌症部長トム・チラー氏は言う。「救急病院やコロナ病棟にまで広がっているところもあります。いったん感染が発覚すると、完全に取り除くのが難しいので、非常に心配です」

 カンジダ属の真菌は、元々舌や性器に白い斑点ができる程度の軽い症状を引き起こすことで知られていた。ところが、カンジダ・アウリスは2009年に帝京大学の槇村浩一教授らが初めて報告してから、少なくとも40カ国で報告され、数千人の感染者が出ている。日本型の病原性は低いものの、致死率が30~60%にのぼるタイプもある。

 薬剤に耐性を持つ菌は、カンジダ・アウリスだけではない。既に世界では、数百万人が様々なスーパー耐性菌に感染しており、カンジダ・アウリスの感染拡大はその危機をさらに悪化させる恐れがある。2019年、CDCはカンジダ・アウリスを米国の薬剤耐性菌のなかでも最大級の脅威と位置付けた。今年は8月末までに、米国内で1364件の感染が確認されている。2018年全体の感染者数と比較して4倍強だ。

 だが今年は、新型コロナの陰で見逃されているカンジダ・アウリスのケースも多く、実際の数字はそれよりもはるかに高いとみられる。菌が人の皮膚に付着しても、症状を示さない場合がある。新型コロナの流行中に急増している超過死亡数の中に、スーパー耐性菌による死者が含まれている可能性もある。世界中の医師たちが警鐘を鳴らしているのはそのためだ。

コロナ重症患者が院内で感染か、10人中6人が死亡

 2011年のこと。インド、ニューデリーの研究所で働いていたアヌラダ・チャウドリー氏のもとへ、複数の血液サンプルが送られてきた。市内にある2つの病院の集中治療室と新生児室で、謎の真菌感染症が広がっているということだった。

 デリー大学ヴァラブバイ・パテル・チェスト研究所の医真菌学教授であるチャウドリー氏は、真菌の正体を特定し、治療薬を提案するよう依頼された。分析結果を見たチャウドリー氏は、首をひねった。

「カンジダ・アウリス? 何それ? と聞いてしまいました」

 チャウドリー氏が知らなかったのも無理はない。カンジダ・アウリスが初めて報告されたのは、そのわずか2年前だった。ある患者の耳の中から発見されたので、ラテン語で耳という意味を持つ「アウリス」と名付けられた。

 何よりも驚いたのは、真菌感染症に真っ先に使用される治療薬フルコナゾールが、チャウドリー氏の血液サンプルにはまったく効果を示さなかったことだ。2013年に、チャ

 現在チャウドリー氏は、デリーの集中治療室に入った新型コロナの重症患者のなかで、カンジダ血症が認められた患者を研究している。カンジダ菌が血液に入り込んで起きウドリー氏の研究チームがこの件に関して論文を発表しているが、その後カンジダ・アウリスはフルコナゾールやその他のアゾール系薬剤に耐性を持っていることが明らかになった。また、別の主要な2つのタイプの抗菌薬すら効かない場合もある。る疾患だ。

 チャウドリー氏らが医学誌「Emerging Infectious Diseases」の11月号に発表した小規模研究の結果では、15人の患者のうち10人にカンジダ・アウリスが見つかった。いずれも院内で感染したとみられている。

 全ての血液サンプルがフルコナゾールに耐性を持ち、血液から分離した株のうち4つは別の抗菌薬アムホテリシンBも効かなかった。最後の望みであるエキノカンジンは、インドでは入手が難しい。最終的に、6人が死亡した。

 チャウドリー氏は、新型コロナと同じく、カンジダ・アウリスの感染拡大を抑えるためにも、検査と接触者追跡が重要であると訴える。カンジダ・アウリスの検査は、皮膚の表面をこするか、血液または尿を採取して行う。陽性と判定された患者では、3種類の抗菌薬の効果が調べられる。

 こうしてスーパー耐性菌による死者数をある程度特定することは可能だが、院内感染しやすいという点が問題を複雑にしている。病院では、患者は既にコロナなどほかの病気にかかっているため、死因がその病気によるものなのか、薬剤耐性菌によるものなのかを判断するのは難しい。

気候変動とパンデミック

 2019年、世界保健機関(WHO)は薬剤耐性菌を人類の健康に影響を与える10大脅威のひとつに挙げ、今や簡単に治療できるようになった結核や淋病すらも制御できない世界へ逆戻りしてしまうのではとの懸念を示した。

 世界的に家畜や人間の医療現場で抗菌薬を乱用したことが、スーパー耐性菌を誕生させたといわれている。だが、ワシントンD.C.にある疾病動態経済政策センター(CDDEP)の設立者で代表者のラマナン・ラクスミナラヤン氏は、気候変動によって真菌感染症が将来さらに拡大するだろうと予測している。

 米国微生物学会の学術誌「mBio」に昨年掲載された論文では、「カンジダ・アウリスはおそらく気候変動によって誕生した初めての真菌感染症かもしれない」との見方が示された。

 感染症にかかると、人間は防御反応として発熱する傾向がある。菌は熱に弱いためだ。だが、カンジダ・アウリスのような真菌が地球温暖化により高温の環境に適応すれば、その防御反応も効かなくなる恐れがある。つまり、将来的には既存の真菌が拡大するだけでなく、新たな真菌感染症が現れるかもしれない。

「抗生物質が効かない細菌が増えているように、抗菌薬が効かない真菌も人類を脅かすようになるかもしれません」とラクスミナラヤン氏は警告する。多剤耐性結核菌や、北米を中心に症例が急激に増えているクロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)などの強力な細菌は、米国で年間280万件というスーパー耐性菌感染症の99%を占め、死者はおよそ3万5000人に上る。

 以前から薬剤耐性を育む温床と言われてきたインドは、今や新型コロナ感染症流行の中心地となっている。チャウドリー氏の研究室でも、約半数の職員が最近の検査でコロナ陽性と判定され、2人が死亡した。個人的にも大変な状況に置かれているなか、カンジダ・アウリスの脅威に人々が気付き始めていることを、チャウドリー氏は歓迎している。

「多くの人が、インドの問題なので自分たちには関係ないと考えていました。これまで私はたったひとりで研究し、大変な思いもしましたが、今は世界がその研究に取りかかっています。真菌感染症は、決して無視してはいけない病気です」

 

生命が在しうる星は銀河系に 3億個以上?

2020年11月14日 10時39分30秒 | 日記

ナショナルジオ・グラフィック誌が『生命が在しうる星は銀河系にどれほどあるかを推定、3億個以上か、「太陽に似た恒星の半数が地球似の惑星をもつ」』という記事を載せていた。数十年まえは、地球外文明はあるはずだというレベルだったのが、観測情報が豊富になり、突っ込んだ議論がされるようになっている。科学技術の進歩はすごい。しかし日本の貢献は、希少!

ハビタブルゾーンにある地球サイズの惑星であることが初めて確認された、ケプラー186fの想像図。(ILLUSTRATION BY NASA AMES/JPL-CALTECH/T. PYLE)
 

 私たちが暮らす銀河系(天の川銀河)には、地球に似た条件の惑星が3億個以上あるかもしれない。新たな研究で、銀河系内にある「太陽に似た恒星」の約半数が、ハビタブルゾーンに岩石惑星をもつとする結果が出た。ハビタブルゾーンとは、恒星と惑星からなる惑星系のうち、液体の水が存在しうる領域のことである。

「私たち全員が待ち望んでいた科学的成果です」と、今回の研究を行った米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の天文学者ナタリー・バターリャ氏は言う。研究成果は、天文学の専門誌『Astronomical Journal』への掲載が受理された。

 今回の結果は、ドレイク方程式における重要な変数の一つを与えてくれる。1961年に私(筆者のナディア・ドレイク氏)の父である天文学者、フランク・ドレイクが考案したこの方程式は、銀河系内にある文明の数を計算しようというもので、この式を構成する7つの変数のうち、いくつかはすでに明らかになっている。

 しかし、”太陽に似た恒星のうち地球に似た惑星をもつものの割合”については、「1000分の1なのか100万分の1なのか、本当のところは誰にもわかりませんでした」と、地球外知的生命探査(SETI)研究所の天文学者セス・ショスタク氏は語る。

 天文学者たちは、地球に似た惑星探しにNASAのケプラー宇宙望遠鏡による観測データを利用してきた。ケプラーは9年にわたって太陽系の外にある惑星探しに活躍。2018年のミッション終了までに約2800個の太陽系外惑星を発見したが、その多くは太陽系の惑星とは似ても似つかないものだった。

 研究チームは今回、地球のような惑星がどれだけ一般的であるかを計算するため、欧州宇宙機関(ESA)のガイア宇宙望遠鏡の助けを借りた。ケプラーの観測成果に、銀河系全体の星を監視するガイアの観測データを加えることで、研究チームはついに、銀河系に地球に似た惑星がどれほどあるのかを導き出した。

ドレイクの方程式

 ドレイクの方程式では、7つの変数を使って銀河系内の文明の数を推定する。「惑星系をもつ太陽に似た恒星の割合」や「それぞれの惑星系の中で生命が居住できる惑星の数」などの要素を考慮し、そこから、「条件の整った惑星で生命が進化する」確率や「その生命体が地球から探知できるような技術を開発する」確率を考える。この方程式では、技術に精通した地球外生命体は、太陽に似た恒星の周りを回る惑星の上で進化すると仮定している。

「天文学者がこうした惑星を見つけることについて話すときには、実際にはドレイクの方程式のことを話しています」と、米ペンシルべニア州立大学の天文学者で、生命が居住できる惑星の研究をしているジェイソン・ライト氏は語る。なお、彼は今回の研究には参加していない。

生命が存在しうる惑星の数を予想できるようになるまでに、ドレイク方程式の誕生から半世紀以上の歳月を要した。1961年当時、天文学者たちが知っていた惑星は太陽系の惑星だけで、太陽系外の惑星は理論上は珍しくないと示唆されていたものの、観測による証拠はなかった。けれどもこの10年で、惑星がごくありふれた天体で、銀河系の恒星の数より多いことが明らかになった。平均すると、ほとんどすべての恒星が少なくとも1個の惑星をもっていることになる。

 この事実は「本当に大きな前進でした」とライト氏は言う。「生命が誕生した可能性がある場所がたくさんあることを教えてくれました」。しかしバターリャ氏は、ドレイクの方程式の次の変数である「1つの惑星系の中で生命が居住できる惑星の数」の計算は難しいと言う。

地球に似た惑星、想像より高い確率

 ケプラー宇宙望遠鏡は、系外惑星が主星である恒星の表面を横切り、恒星の光をわずかに暗くする現象を探すことで、はるか彼方の惑星を発見してきた。科学者たちは、恒星がどのくらい暗くなるか、どのくらいの頻度で暗くなるかに基づいて、惑星の大きさや公転周期を知ることができる。この手法を用いて、ケプラー探査機はさまざまな大きさや軌道を持つ系外惑星を何千個も発見した。しかし、科学者たちが本当に求めていたのは地球に似た惑星、つまり太陽に似た恒星の周りを回る、温暖で岩石質の惑星の割合だった。

 初期の推定では、太陽に似た恒星の約20%に、これらの基準を満たす惑星があるだろうとされていた。しかし今回の研究成果で、その数字は50パーセントに近いことがわかった。

「私が思っていたより高い数字です。私が講演をするときにはいつも『4つに1つか5つに1つ』と言っていたので、嬉しいサプライズでした」と、バターリャ氏は言う。「平均すると、太陽に似た恒星の2つに1つが、生命が居住できる惑星をもっていることになります」

 
太陽光よりはるかに強力なレーザーを帆に受けて、光速の5分の1の速度で飛行する小さな探査機。想像図。(アートディレクション: JASON TREAT, NGM STAFF; SEAN MCNAUGHTON、出典: BREAKTHROUGH INITIATIVES; ZAC MANCHESTER, STANFORD UNIVERSITY)
 

 バターリャ氏らは今回、ケプラー宇宙望遠鏡のデータと、約10億個の恒星を追跡してその性質を調べているガイア宇宙望遠鏡のデータを組み合わせた。まずケプラーのデータに基づき、ガス惑星ではなく岩石惑星である可能性が高い、半径が地球の0.5〜1.5倍の惑星を特定。続いて、これらの惑星の主星の温度と大きさのデータをガイアから取得した。

 研究チームは、主星からの距離だけで惑星の居住可能性を判断することはせず、それぞれの惑星にどのくらいのエネルギーが届いているかを計算し、その中から液体の水が存在できるような表面温度の惑星を選んだ。

その結果、研究チームは、銀河系全体で太陽に似た恒星のうち、37〜60%に温暖で地球サイズの岩石惑星があると推定した。また温度条件に少し幅を持たせてシミュレーションすると、太陽に似た恒星の58〜88%がそうした惑星をもつ可能性があるという計算結果が出た。

 もちろん、ハビタブルゾーンにある惑星が生命にとって本当に住みやすい場所であるかどうかには、惑星の磁場、大気、水の含有量、プレートテクトニクスなど、多くの要因が影響している。こうした要因を、地球から観測するのは困難だ。

 それでも「この論文は、生命が住める可能性のある惑星がどれだけあるかを把握するのに役立ちます」とライト氏は言う。「そして彼らは、これらの惑星の中で最も近いものまでの距離を見積もり、それが地球のすぐ近くにあるという結論に達したのです」。論文では最も近い惑星はおそらく20光年以内にあり、4つの惑星が33光年以内にあるという。

地球外文明の数は?

 銀河系内に地球に似た惑星がいくつあるかが明らかになった今、天文学者たちは、ドレイクの方程式の変数の見積もりを進めることが可能になった。とはいえ、「私たちが探知できるような技術を地球外生命体が生み出す確率」や、「そのような文明を探知できる期間」など、残りの変数の多くは特定するのが難しそうだ。

 もう1つの重要な問題は、太陽に似ていない恒星も考慮に入れるべきかということだ。実際、太陽よりもサイズが小さく低温の恒星のまわりにも、地球サイズの惑星がいくつか発見されている。また、ケプラー望遠鏡が発見した惑星の多くは大型のガス惑星だったが、惑星以外の天体も考慮に入れるべきかもしれない。「『スター・ウォーズ』に出てくる森林の衛星エンドアや、『アバター』に出てくる衛星パンドラのような衛星があるかもしれません」とライト氏は言う。

 ドレイクの方程式のもう1つの変数「生命が居住できる惑星で生命が進化する確率」は、もう少しで明らかになるかもしれない。太陽系探査が進むにつれて、生命が存在しうる場所はどんどん多様になっている。火星や木星の衛星エウロパには微生物が生息している可能性があり、金星を包む有毒な雲の中に生命の可能性を唱える説もある。

 ライト氏は「太陽系の複数の場所で生命が進化していたとしたら、その数はまもなく明らかになります」と言う。

 地球外生命の例が1つでも見つかれば、生命は偶然の産物ではなく、適切な材料さえあればごく普通に誕生しうるものであることが示される。そして多くの天文学者は、宇宙の中で生命が居住できる惑星の数を考えると、生命の存在は必然だと言ってよいと考えている。

 しかし、ドレイクの方程式の最後のほうの変数については、考案者である父の言うように、異星人の声が聞こえてくるまでは謎に包まれている。それが聞こえたとき、私たちは、銀河系で技術をもつ生命を育むのは地球だけなのかという大きな疑問の答えを手にすることになる。

 

ブラウザー競争再び!EdgeがChromeに急迫。

2020年11月14日 06時11分42秒 | 日記

キーマンズネットが、『Webブラウザ戦争再燃か、“一強”と思われたChromeのシェアがジワジワ減少?』と報じてた。

70.89%のPCでChromeが使われていた。しかし2020年8~10月では、Chromeのシェアは70.89~69.25%と、わずかばかりではあるが減少した。その減少の理由となったのが、先に触れたEdgeだ。Edgeは全ブラウザの中で2位のシェアを誇っている。とはいえ圧倒的なChromeのシェアに比べれば、2020年8月時点で8.52%。それが9~10月となるにつれ8.84~10.22%と上昇してきたのだという。

以下、記事の紹介:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 インターネットが普及してから何度か「Webブラウザ戦争」が繰り返されてきたが、時代の情勢に合わせてシェアは大きく変化してきた。

 変遷の激しいWebブラウザのシェア争いではあるが、2020年も終盤を迎えた現在、またもや大きな動きがある。ここ最近は、一強とされてきた「Google Chrome」に影が差し始めたという。あのブラウザが覇権を握ろうとしているというのだが、シェア争いに何が起こったのか……。

 まず2020年11月に観測された「変化」について解説しよう。Webブラウザのシェア調査結果について、NetMarketShareが2020年10月に発表した調査結果によると、Microsoftが「Windows 10」に搭載して以来“推してきた”Webブラウザ「Edge」のシェアがここに来て伸びているのだ。

 ここしばらく、PCのWebブラウザシェアの覇権を握ってきたのはGoogle Chromeだ。2020年8月のシェアでいえば、70.89%のPCでChromeが使われていた。しかしNetMarketShareの調査結果によると、同年8~10月では、Chromeのシェアは70.89~69.25%と、わずかばかりではあるが減少した。

 その減少の理由となったのが、先に触れたEdgeだ。Edgeは全ブラウザの中で2位のシェアを誇っている。とはいえ圧倒的なChromeのシェアに比べれば、2020年8月時点で8.52%。それが9~10月となるにつれ8.84~10.22%と上昇してきたのだという。

 Edgeについては、Windows 10に搭載された標準Webブラウザということでそれなりに認知度は高いものの、人気はなかった。Windows 10の普及が急速でなく、また、かつてのMicrosoftの主力Webブラウザ「Internet Explorer」(IE)も存在したままでEdgeの利用をと思い至らないユーザーも多かった。検索エンジンにおいてGoogleが覇権を握っていることも影響は大きいだろう。

 1990年代の第1次ブラウザ戦争では、「Netscape Navigator」とIEとの闘いだった。結局IEが勝利し、PCにおけるWebブラウザといえばIEという時代は長かった。第2次ブラウザ戦争は2000年代に入ってのこと。IE6.0が大きなシェアを占めていたものの、セキュリティの問題が多発して信用を失った。その背後で、タブ機能を備えた「Firefox」「Opera」がシェアを伸ばした。しかしながら、2010年に急速にシェアを伸ばし始めたのがChromeであり、2014年にはFirefoxを抜き去るまでになった。

 そんな「戦争」を経て、しばらくはChromeの独擅場となっていたが、ここにきてEdgeが台頭してきた。その理由には、Chromeが影響している。

 EdgeはそもそもIEの系譜をくんだWebブラウザだ。第2次ブラウザ戦争でIEは破れ、それ故にWindows 10で標準装備されていたのにユーザーを遠ざけていたという側面もある。しかしEdgeは、2020年に入って以降、とある大変革を遂げた。

 それはレンダリングエンジンの変更だ。もともとはMicrosoftによる独自レンダリングエンジンだったEdgeは、そのエンジンをGoogleの「Chromium」に変更した。つまり、EdgeとChromeは根本的なところでほぼ同一の存在となったのだ。Windows 10の標準搭載されているためEdgeを選択する意義もある。

 幾多の戦争を経て一度はWebブラウザにおける立場を失いかけたMicrosoftも、いまやEdgeで再び力を得つつある。新たな戦争の火種となるのだろうか。

 
 

 インターネットが普及してから何度か「Webブラウザ戦争」が繰り返されてきたが、時代の情勢に合わせてシェアは大きく変化してきた。

 変遷の激しいWebブラウザのシェア争いではあるが、2020年も終盤を迎えた現在、またもや大きな動きがある。ここ最近は、一強とされてきた「Google Chrome」に影が差し始めたという。あのブラウザが覇権を握ろうとしているというのだが、シェア争いに何が起こったのか……。

 まず2020年11月に観測された「変化」について解説しよう。Webブラウザのシェア調査結果について、NetMarketShareが2020年10月に発表した調査結によると、Microsoftが「Windows 10」に搭載して以来“推してきた”Webブラウザ「Edge」のシェアがここに来て伸びているのだ。

 ここしばらく、PCのWebブラウザシェアの覇権を握ってきたのはGoogle Chromeだ。2020年8月のシェアでいえば、70.89%のPCでChromeが使われていた。しかしNetMarketShareの調査結果によると、同年8~10月では、Chromeのシェアは70.89~69.25%と、わずかばかりではあるが減少した。

 その減少の理由となったのが、先に触れたEdgeだ。Edgeは全ブラウザの中で2位のシェアを誇っている。とはいえ圧倒的なChromeのシェアに比べれば、2020年8月時点で8.52%。それが9~10月となるにつれ8.84~10.22%と上昇してきたのだという。

 Edgeについては、Windows 10に搭載された標準Webブラウザということでそれなりに認知度は高いものの、人気はなかった。Windows 10の普及が急速でなく、また、かつてのMicrosoftの主力Webブラウザ「Internet Explorer」(IE)も存在したままでEdgeの利用をと思い至らないユーザーも多かった。検索エンジンにおいてGoogleが覇権を握っていることも影響は大きいだろう。

 1990年代の第1次ブラウザ戦争では、「Netscape Navigator」とIEとの闘いだった。結局IEが勝利し、PCにおけるWebブラウザといえばIEという時代は長かった。第2次ブラウザ戦争は2000年代に入ってのこと。IE6.0が大きなシェアを占めていたものの、セキュリティの問題が多発して信用を失った。その背後で、タブ機能を備えた「Firefox」「Opera」がシェアを伸ばした。しかしながら、2010年に急速にシェアを伸ばし始めたのがChromeであり、2014年にはFirefoxを抜き去るまでになった。

 そんな「戦争」を経て、しばらくはChromeの独擅場となっていたが、ここにきてEdgeが台頭してきた。その理由には、Chromeが影響している。

 EdgeはそもそもIEの系譜をくんだWebブラウザだ。第2次ブラウザ戦争でIEは破れ、それ故にWindows 10で標準装備されていたのにユーザーを遠ざけていたという側面もある。しかしEdgeは、2020年に入って以降、とある大変革を遂げた。

 それはレンダリングエンジンの変更だ。もともとはMicrosoftによる独自レンダリングエンジンだったEdgeは、そのエンジンをGoogleの「Chromium」に変更した。つまり、EdgeとChromeは根本的なところでほぼ同一の存在となったのだ。Windows 10の標準搭載されているためEdgeを選択する意義もある。

 幾多の戦争を経て一度はWebブラウザにおける立場を失いかけたMicrosoftも、いまやEdgeで再び力を得つつある。新たな戦争の火種となるのだろうか。