先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

小売業におけるスマホ決済の加速!?

2020年11月23日 12時32分24秒 | 日記
 
イオンが、店舗が用意したスマホで、購入した商品の読み取りを行い、レジでは、スマホの合計金額を見て現金払いとかカード払いで生産する仕組みで、レジ待ちや、消費9ン購入の手間が減り、買い物が楽に出来るというレジゴーを、いくつかの店舗で実施したというニュースが、話題になっている。そして、システムとしても富士通などが、小売業におけるスマホ決済として製品発表をしている。悪くはない話だが、レジゴーというネーミングから、4年ほど前に実施されているアマゾンゴーと比較してしまい、その彼我のレベル差にがっくりしてしまう。アマゾンゴーは顔パスで商品をかごに入れるだけで計算され、レジとかを経なくても出店時に自動的に決済されるという気按針自動精算が行われるのに対し、レジゴーは、日本国内でも聊か、時代遅れ。というのも、福岡のトライアルという4,5千億円スーパーが、カートにタブレットをとりつけ、かつ支払いはぷりぺーどカードで行い、買い物が楽に出来るシステムをやはり4,5年前から実施している。日本の小売業を代表するイオン、日本のIT企業を代表する富士通が今頃、AmazonGo!に遠く及ばない購買システムを売るダストは悲しくなる。
 

コンボイオンのレジゴーのITメディア野記事を引用する::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 買い物客が貸し出し用のスマートフォンを使い、かごに入れる前に商品をスキャン、専用レジで会計する「レジゴー」だ。スキャンにかかる時間は約1秒。手に持って使えるだけでなく、専用カートに設置した状態でも使える。レジでは決済のみを行うため、レジ待ちの渋滞も起きづらい。

photoレジゴーを利用する様子。バーコードに貸し出しスマホを近づけると、簡単にスキャンできる

 買い物客は利用中、かごに入れた商品の一覧と合計金額を画面で確認できる。スキャンした商品を取りやめる操作も簡単なので、ネットでは「節約できる」「買いすぎ防止になる」と評判がいいが、その分「店舗の売り上げが減るのではないか」という指摘も上がっている。

 しかし、イオンリテールの山本実さん(執行役員兼システム企画本部長)によると、むしろ「レジゴーを導入した全ての店舗で客単価が上がっている」という。買い物客にとっても、店舗にとっても、Win-Winの仕組みなのだ。なぜ、客単価が上がるのか。導入の経緯も含めて、話を聞いた。

photo商品の一覧と合計金額が確認できるレジゴーの画面。専用カートに設置するとハンズフリーで操作できる

客単価が向上 思いもよらない導入効果

 イオンが初めてセルフレジを導入したのは2004年。それ以来、レジの切り替え時に導入を進めてきた。しかし混雑する時間は、セルフレジでもレジ待ちの列ができていた。18年から「待ち時間をさらに短く、買い物をより楽しく」するためにレジゴーの構想を練り、19年から順次導入。現在は14店舗に導入している。

 

 レジゴーを使用することでレジでのスキャン作業がなくなり、導入店舗では待機の列が激減した。従業員は、商品をスキャンするだけの時間が減り、商品場所の案内や、レシピの提案、システム利用方法の説明など、買い物客と会話をする機会が増えたという。新型コロナウイルスの影響で、非接触のシステムに興味を持つ利用者も多く、利用率は上がっている。

 「高速道路のインターチェンジは、ETCのレーンが増えて渋滞が少なくなりました。同じようにレジゴーがレジ待ちの渋滞を防いでいます」(山本さん)

photoイオンリテール執行役員兼システム企画本部長の山本実さん

 レジゴーの導入は、売り上げアップにもつながった。導入した全店舗で、売り上げた商品数が増え、客単価が約15~20%向上したという。

山本さんによると、購入が増えているのは調味料など、買い物客がよく買い忘れてしまう商品。買い物客はレジゴーの画面から購入商品の一覧を見ることで、買い忘れに気が付くことが多いという。

 「全部メモをして買ったつもりなのに忘れている、ということは結構あると思います。スーパーで買い物を終えた後、自宅の近くのコンビニエンスストアやドラッグストアで買い足しをしている方が多いことは分かっていましたが、買い忘れを防ぐことで非常に大きい(売り上げへの)インパクトがあることがレジゴーの導入で分かりました」(山本さん)

photoレジゴー専用レジで決済をする様子。QRコードを読み込むとスキャンした商品情報がレジに転送される

万引き・スマホの盗難は?

 新しいシステムにはトラブルが付き物だ。特に大量に設置したスマホや、利用者自身が商品をスキャンする様を見ると「スマホを盗られないのだろうか」「スキャンする商品の数をごまかす利用者がいるのではないか」といった疑問が浮かぶが、大きな問題は起きていないという。

 

 「最初のうちはスマホがなくなることもありました。転売目的で盗んだ方もいたかもしれませんが、店舗の外では全く使えない仕組みにしているので、そういったことは減りました。また、返却を忘れてそのまま持ち帰った場合は、次の日には戻ってくることが多いです」(山本さん)

photoレジゴー専用のスマホ。記者が取材した「イオンスタイル有明ガーデン」には、120台設置している。

 万引きを含む商品ロスの割合は、レジゴーを導入している店舗の方が、導入していない店舗よりも低いという。山本さんは「日本人は真面目で、わざわざ自分で機器を使ってスキャンや決済をセルフで行う中で、(意図的に)決済をしない方はほとんどいない」と話す。

 「2000年代半ばにセルフレジの導入を進めた際も同じようにリスクを問われましたが、現実はほとんどロスの変化はありませんでした。むしろこの10年余りでロスの量はずっと改善しています」(山本さん)

 一方で、スマホの盗難や商品の万引きとは別の問題が出てきた。

「全てスキャンが完了できたか自信がない」「決済が完了しているか分からない」という声が店舗スタッフに多く寄せられた。そこで、購入点数や決済したかどうかを確認できるゲートを「イオンスタイル有明ガーデン」に試験導入し、検証している。決済ができていなかったり、購入品と金額に大きな差異があったりすると警告音が鳴り、ランプが付く仕組みになっている。

photoイオンスタイル有明ガーデンに導入しているチェックアウト用のゲート
photoQRコードをゲートにかざした後、レジゴーの端末を返却する

 導入時には、端末の選定に苦労したという。19年5月に開始した実証実験の際、レジゴーの利用端末はスマホとタブレット端末の2種類を用意していた。タブレット端末は充電が切れやすく、利用者が使っている途中に充電が切れてしまったこともあった。充電する時間を考慮すると、本格導入した際に必要になる台数も多くなり、コストが見合わないと判断。タブレット端末は断念し、現在はスマホのみを採用している。

 「スマホは若い方はもちろん、高齢者の方も普通に使っている方が多いです。1度慣れてしまえば戸惑うことも少なく、お客さまの習熟度がかなり高かったです」(山本さん)

アプリ版リリース後は、個人のスマホでスキャン可能に

 イオンリテールは20年内中をめどに、貸し出し用のスマホだけでなく、利用者のスマホでもスキャンができるように、レジゴーのアプリをリリース予定だ。21年以降には決済まで利用者のスマホで完了できるように開発を進めている。

 

 この構想自体は、新型コロナの感染が広がる前からあったが、コロナの影響もあり利用者から要望が上がっているという。イオンが実施したアンケートでは、買い物客の6割以上が「自分のスマホでスキャンできるアプリがあれば使いたい」と回答した。

 利用者のスマホ向けにアプリをリリースした後は、アプリに残る購入情報を活用し、商品をレコメンドする機能などの導入も検討しているという。

「全てスキャンが完了できたか自信がない」「決済が完了しているか分からない」という声が店舗スタッフに多く寄せられた。そこで、購入点数や決済したかどうかを確認できるゲートを「イオンスタイル有明ガーデン」に試験導入し、検証している。決済ができていなかったり、購入品と金額に大きな差異があったりすると警告音が鳴り、ランプが付く仕組みになっている。

photoイオンスタイル有明ガーデンに導入しているチェックアウト用のゲート
photoQRコードをゲートにかざした後、レジゴーの端末を返却する

 導入時には、端末の選定に苦労したという。19年5月に開始した実証実験の際、レジゴーの利用端末はスマホとタブレット端末の2種類を用意していた。タブレット端末は充電が切れやすく、利用者が使っている途中に充電が切れてしまったこともあった。充電する時間を考慮すると、本格導入した際に必要になる台数も多くなり、コストが見合わないと判断。タブレット端末は断念し、現在はスマホのみを採用している。

 「スマホは若い方はもちろん、高齢者の方も普通に使っている方が多いです。1度慣れてしまえば戸惑うことも少なく、お客さまの習熟度がかなり高かったです」(山本さん)

アプリ版リリース後は、個人のスマホでスキャン可能に

 イオンリテールは20年内中をめどに、貸し出し用のスマホだけでなく、利用者のスマホでもスキャンができるように、レジゴーのアプリをリリース予定だ。21年以降には決済まで利用者のスマホで完了できるように開発を進めている。

 

 この構想自体は、新型コロナの感染が広がる前からあったが、コロナの影響もあり利用者から要望が上がっているという。イオンが実施したアンケートでは、買い物客の6割以上が「自分のスマホでスキャンできるアプリがあれば使いたい」と回答した。

 利用者のスマホ向けにアプリをリリースした後は、アプリに残る購入情報を活用し、商品をレコメンドする機能などの導入も検討しているという。

特に新型コロナの影響では、ネットスーパーとリアル店舗の融合を意識した「ピックアップ」を拡大した。ロッカーやカウンターでの受け取りなどがある中、特に人気なのは、ネットスーパーで注文したものを自動車に乗ったまま受け取れる「ドライブピックアップ」。非接触・非回遊というネットスーパーの良さを生かしつつ、送料や宅配を待つ時間の負担を減らすというオンラインとオフラインの利点を融合した施策だ。

 店内にAIカメラを搭載したサイネージを置き、レシピの紹介やイベントの生配信をする取り組みもイオンスタイル有明ガーデンで実験中だ。新型コロナの感染拡大以降、実施できていなかったマグロの解体ショーを作業場で行い、サイネージで中継した。マグロの販売には引き換え券を配布し、3密にならない形でマグロの解体ショーを実施することができた。

 

 このような取り組みでイオンリテールが目指すのは100%のデジタル化ではなく、顧客がより良い体験をするためのデジタル化だと、山本さんは話す。

 「店舗はお客さまにとってサービスを楽しむ場です。デジタル技術も、お客さまの体験を高めるものの一環として考えています。例えば今は(新型コロナの影響で)洋服の採寸や試食が難しいけれど、技術を使えばある程度克服できると思います。採寸のシステムはアパレル企業で導入事例がありますし、味自体の再現は難しいけれど、香りはデジタル技術で作れますから、香りを出す技術を採用するのはどうかと考えたり……。これからもリアルに近いものやリアルに代わるものを、デジタル技術で提供できるか探っていきたいです」(山本さん)

photoイオンスタイル有明ガーデン

脳と宇宙の構造は似ている!

2020年11月23日 00時32分25秒 | 日記

ニューズウィークが、『やはり、脳と宇宙の構造は似ている......最新研究』という解説記事を載せていたが、いいえて妙。

 

マウスの脳内の神経細胞(ニューロン)の画像と宇宙をシミュレーションした画像 YouTube

<宇宙網と脳の自己組織化は、同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある、との研究が発表された......>

ヒトの脳は宇宙と類似性があるのかもしれない......。マウスの脳内の神経細胞(ニューロン)の画像と宇宙をシミュレーションした画像を並べた2006年8月14日付の米紙ニューヨーク・タイムズの記事は、世界中で話題となった。そしてこのほど、その類似性が定量分析によって裏付けられた。

小脳の約690億個の神経細胞と1000億個の銀河

伊ボローニャ大学の天体物理学者フランコ・バッツァ准教授と伊ヴェローナ大学の脳神経外科医アルベルト・フェレッティ准教授の研究チームは、宇宙学と神経外科学の観点から定量分析を行い、銀河がつながる水素ガスの大規模構造の宇宙網とヒトの脳の神経回路網(ニューラルネットワーク)を比較した。

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2020年11月16日にオープンアクセスジャーナル「フロンティア・イン・フィジックス」で公開された研究論文によると、両者にはその規模に27桁以上もの違いがあり、その構造がもたらされた物理的プロセスも本質的に異なっているものの、両者の構造には、同様の複雑性と自己組織化が認められたという。

ヒトの小脳には約690億個の神経細胞(ニューロン)があり、観測可能な宇宙には少なくとも1000億個の銀河があるが、神経細胞や銀河が脳や宇宙全体の質量に占める割合は3割にも満たない。脳の77%は水、宇宙の73%は暗黒物質(ダークマター)でできている。また、神経細胞も銀河もフィラメント(細かい糸状の構造)を介して互いに接続し、自己組織化されている点も類似している。

研究チームは、ヒトの大脳皮質および小脳と宇宙網のシミュレーションを画像で定量的に比較した。

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シミュレートされた宇宙網の物質分布(左)と小脳で観測された神経体の分布(右)

 

「同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある」

宇宙学で銀河の空間分布を分析する際に用いる「スペクトル密度」を計算すると、小脳の揺らぎ分布は1〜100ミクロンであった一方、宇宙網の揺らぎ分布は500万〜5億光年であった。両者の規模には大きな違いがあるものの、相対的な揺らぎ分布は類似している。

matuoka119c.jpg

銀河(左)と小脳の神経網(右)の比較

 

また、1個の神経細胞や銀河に接続するフィラメントの本数も近似している。3800〜4700のサンプルをもとに宇宙網を分析したところ、各銀河には平均3.8〜4.1本のフィラメントが接続していた。一方、1800〜2000のサンプルをもとに大脳皮質を分析すると、各神経細胞に接続するフィラメントは平均4.6〜5.4本であった。

研究論文では、一連の研究結果をふまえ、「宇宙網と脳の自己組織化は、同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある」と結論づけている。

ここから→解説動画

The Universe Appears To Be a Lot Like the Human Brain