ベルギーの世界的なチョコメーカーのゴディバ、実はトルコの食品会社の傘下にあったとは露も知らず。其のトルコ、経済環境が悪化しており、トルコの食品会社、ゴディバのアジアの事業権を売却するという。
トルコ食品大手ユルドゥズが傘下に持つベルギーのチョコレート会社「ゴディバ」を巡り、日本事業の売却手続きを開始したことが16日わかった。三菱商事や複数の投資ファンドが買収に名乗りを上げた。買収額は1000億円を超える可能性がある。ユルドゥズはトルコの通貨リラの下落が響き、外貨建て債務の圧縮を急いでいる。優良ブランドを巡り、買収の争奪戦になりそうだ。
売却は入札方式で実施される。買収候補を絞り込むなど今後の交渉を経て、売却先は早ければ19年上期にも決まるとみられる。三菱商事は関係の深い丸の内キャピタルと組み、食品関連事業を強化する狙いがあるとみられる。このほか消費関連企業の投資で実績がある欧州大手ペルミラなど、複数の投資ファンドが入札したようだ。
売却対象となるのは日本、韓国、オセアニア地域のゴディバ事業。日本事業の売上高は年間で3億5000万ドル程度に達するとみられる。
ユルドゥズは中東欧やアフリカで飲料や菓子などを幅広く手がける大手食品メーカー。金融危機前の2007年に米キャンベル・スープからゴディバ事業の買収を決めた。その後もイタリアの包装会社や米キャンディー会社など積極的な買収を続けてきた。12年には日清食品と合弁会社も設立している。
17年の売上高は42.3億トルコリラ(約900億円)。トルコではトランプ米政権との関係が悪化し、リラが8月に対ドルで急落する「トルコショック」が起きた。リラ安を受けて、多額の外貨建ての債務を持つユルドゥズの経営状態が悪化していた。
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