昨日 駅で見かけた おひとさん(女性)の きものの色が素敵でした。
ずばり うす小豆色。 と言いたい。 が。
そのような色名はないらしい。 星の数と同じくらいの色があるので、先人も名はつけきれない。 いや、どの色も世界に一つしかない色と言うのが本当だろう。
小豆色と言うのは有るが、生の小豆そのものの色。 日本に小豆が渡来したのは奈良時代以前だそうであるが、染色の色名としては江戸時代。
私の言いたいのは、この濃い茶色の小豆色ではなく、お菓子というか、携帯汁粉の最中の皮を割って中の小豆と砂糖の混ざった白っぽい粉の淡い色、熱湯を注ぐ前の小豆の粉なんです。
類似の色から探せば退紅(紅花染めの薄い色)、珊瑚色のやや薄いのに近いのか。一日置くと色の記憶も確かとはいえないので再現は難しい。
ともかく そのような色の無地染めの絽縮緬。紋ひとつ背に染めぬきで、帯は白地の絽つづれ帯。 華紋が金銀に色糸で織られてお太鼓の右うえを柄として飾っている。 涼感を呼ぶ組み合わせ。
この きものの佳人はお茶人でありましょう。
少し背の高いすらっとしたおひと。 残念ながら後姿しか拝見できませんでした。