上野広小路の交差点で、信号待ちの際、知り合いの人に出会った。
しかし、名前が思い出せない。昔の取引関係の人のようでもある。あるいは元社員の誰かかも知れない。
思い出す手がかりをつかもうと、暑いですねとか何とか会話を入れて探ってみる。
先方も、いやあ、この近くに娘が住んでいるものですからと、ケイタイ電話を耳にあてながら答えてくる。
そうですか。では・・
信号が青になり、そのまま分かれるように進んで行った。誰だったかなあ。??
上野駅に向かって、ずんずん行くと左手に寄席の鈴本演芸場がある。
ありや、失礼しちゃったよ。
さっきの人は、三遊亭幸楽師匠だったか。
テレビの「笑点」の番組で、毎週見てるもので、頭の中には知り合いとしかインプットされてない。
テレビでは、他のレギュラーの落語家ともども、着物姿であるが、街中ではラフなシャツ姿で別人、顔だけはご存じの面、市井の人の良さそうな親父さんに出会った。
普段、引きこもっていると、生の芸人さんも、ブラウン管の中に見る人も区別の出来ない吉天でした。