『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

新しい命と旅立ちと

2011年05月02日 05時16分07秒 | 日々の出来事
自分は家庭を持つ事がないだろうと言って母親を心配させていた彼に子供が生まれた。
先に旅立っていった“うぐいす姫”の息子がパパになった。
小さな小さな綺麗な姫を慣れた手付きで抱っこしていた。
甥っ子や姪っ子を我が子の様に可愛がっていたから、当然と言えば当然だけど。
若い可愛い嫁さんを隣にちょこんと座らせて、何とも幸せそうで・・・
良かったね、うぐいす姫。
パパ似の小さな姫はきっと大きくなったら貴女そっくりになるのかもしれないね。
束の間の出会いだったけれど、胸がじんわり温かかった。

そうして夕方“カナリア姫”の母君の通夜式に出かけた。
行く事が出来た事、その時間が与えられた事には深く感謝だ。
カナリア姫の母君は御歳98歳。
物静かで控えめで、けれども周りをしっかり支えて来られた方だった。
私が初めて出会った時には既におばぁちゃまと言った風で
いつお会いしても静かににこにこ笑っておられたのが印象的だった。

つい一週間前、毎年恒例になっている『お互いの誕生日おめでとう会食』で
カナリア姫にご馳走になってリッチな気分になったばかり。
その時に「私の為にもうちょっと生きてて欲しいねん。」って・・・
姫姉さまは、自分の指先を見つめながら小さく言ってた。
それが頭から消えなくて、会場に行くまでは胸が痛かった。

なのに・・・なのに・・・白い花で飾られた写真を見た時
私は知らず知らず微笑んでしまっていた


その微笑の写真は瞬間に胸の痛みを取り去って
旅立ちのセレモニーであるのに、胸がふんわり温かくなった。
不謹慎だとお叱りを受ける事なのかも知れないが
何度も経験した事のあるこんな場所でこんなに幸せな気持ちになったのは初めてだ。

天使がいるとしたら、きっとこんな顔に違いないと
何の疑いも無くそんな事を思っていた。

旅立ちの時に小さな新しい命にそっとバトンを手渡されたようで
私にとって五月の一番最初の日は、それを見る事の出来た記念日になった。




どうしても書き留めておきたくて・・・ね・・・。


コメント
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