かぁちゃんは、あれから舌を直接刺激する事で
もぐもぐごくんをしっかり思い出してくれて
ほとんどいつもの量のご飯を食べる事が出来る様になった。
けれど、膝ががくがくし始めて
土曜日のデイサービスへは初めて下りの階段も〝椅子君〟を使ってみた。
担いで降りるには、足が少しでも使えないとちと怖い。
月曜日のデイは念の為に休ませたけれど
お風呂に入れて、晩御飯も食べられた。
喉がゴロゴロ言うのが酷くなって来たので
やっちゃうよケアマネさんに、往診を早めてもらえるように頼んだら
「気になるし今から行くわ!」と夜だったけど見に来てくれた。
准看さんでもある彼女は
「肺の音や心臓の音は問題ないねんけどなぁ……」
と言いながら、今日の午後からの往診を計画してくれた。
かぁちゃんは、いつもの夜中のトイレの時間に寝込んでしまっていたので無理に起こさず
朝になって、くたっとなりながらも、ちゃんとトイレに座らせた。
けど、まだしっかり目が覚めない。
……珍しい……
10時を回って、せめて水分補給をとベッドの端に座らせ、いつもの寒天をひとさじ口に入れた。
かぁちゃんは私にもたれかかって、口に含んだ後
コホッと咳をして、口の中のモノを吐き出した。
「あぁ、これで、喉のゴロゴロが無くなるね。良かったね。」
かぁちゃんは目は閉じたままだったので
「もうちょっと寝とく?」
と言っていつもの様にベッドに寝かせた。
かぁちゃんは、そのまま旅立ちました。
かぁちゃん、とても綺麗な顔をしています。