国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

最悪の事態に備える:骨髄死・腸死・中枢神経死

2011年03月14日 | 日本国内
放射線被曝で最も重大な問題になるのは、急性被曝による死亡である。骨髄死・腸死・中枢神経死の三種類がある。このうち最も少ない放射線量で起きる骨髄死は、骨髄移植という治療法があり、日本全国の医療機関が力を合わせれば少なくとも数百人程度の治療は可能かと思われる。しきい値は1.5Gy(グレイ)とされ、これ以下では発症しない。3.4~5.1Gyで半数が死亡、7~10Gyで全員が死亡する。二番目の腸死・三番目の中枢神経死は治療法はなく、10~15Gyで腸死に至る。その他、死の灰に含まれるヨードやストロンチウム、セシウムなどの放射性同位元素が人体に吸収されると深刻な内部被曝をきたすとされている。また、放射線業務従事者の被曝上限は1年で50mSv(ミリシーベルト)、5年で100mSvとされており、事実上100mSv以下なら発癌などの晩発的障害を含めほぼ生命に別状はない。グレイとシーベルトは通常の放射線では同じ数値である。福島原発の従業員で大量被曝した者の被曝量は100mSv強であり、おそらく生命予後は良好と思われる。福島原発では複数の原子炉で冷却機能が失われ、海水注入による懸命の冷却が行われているが予断を許さない状況である。最悪の場合、炉心溶解が進行し、臨界状態となって格納容器が損傷する。また、核反応で高熱になった原子炉燃料が低温の水と接触して水蒸気爆発を起こす可能性もあり、これも格納容器損傷に繋がるかもしれない。格納容器損傷は冷却作業の従事者などの従業員の大量被曝に繋がりうる。また、水蒸気爆発等で上空に飛散した放射性物質(死の灰)は風に乗って遠隔地まで移動する可能性がある。明日3月15日の予想天気図では関東地方の東南に低気圧が位置しており、明後日の3月16日には本州の東海上で発達して強い冬型の気圧配置となる。3月14日17時発表の天気予報では、今日(14日)夜から明日(15日)にかけて北ないし北東の風が予想されており、原発周辺も東京も低気圧による雨が予想されている。場合によっては死の灰をたっぷり含んだ雨雲が首都圏に流れて関東平野の4000万人が大量被爆するという可能性もあり得る。明後日(16日)は西風の予想となっており、危険は小さいと考えられる。 . . . 本文を読む
コメント (3)