国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

福島原発周辺の放射線の現状 2011年3月18日

2011年03月18日 | 日本国内
冒頭の朝日新聞の記事の放射線観測量地図が素晴らしい。我々日本人が最も求めているのはこのような報道である。福島県の中でも観測量は様々であり、原発から北西に約30キロ離れた浪江町の計測値が毎時150マイクロシーベルトと非常に高くなっている。これは一年間で1.3シーベルトという、骨髄死の域値に近い水準である。長期間に渡る被曝はダメージが小さいので実際には骨髄死は起きないと思われるが、リンパ球減少による免疫不全や晩期の発癌(特に白血病)、遺伝的影響は十分起きうる数字である。恐らく、このようなホットスポットは原発周辺に多数存在していることだろう。放射能汚染はまだら模様であるというチェルノブイリ事故の結果は今回も繰り返されると思われる。浪江町には今後半永久的な立入禁止区域が設定される可能性が高いと思われる。福島第1原発の西門付近は毎時265ミリシーベルトと更に高く、半永久的立ち入り禁止区域入りは確実である。福島市の毎時11.1マイクロシーベルトという数値は15日に観測した毎時20マイクロシーベルトから約半減しているが、依然として年間計算で約100ミリシーベルトという高い数値である。現状の放射線量が減少しないならば、福島市には一年以上滞在すると危険ということになる。首都圏については少なくとも現時点では全く問題ないレベルである。原発周辺では明日19日は南の風が予想されており、仙台市へ核物質を含んだガスが流れる危険がある。仙台市居住者は要注意である。明後日20日は南東の風が予想されており核物質を含んだガスの多くは太平洋に拡散するが、一部は雨のために原発周辺の陸地に降り、汚染を拡大させると予想される。原発周辺地域ではもっと高い密度で放射線量を観測していく必要があると思われる。 . . . 本文を読む
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